銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

辻井伸行さんのコンサート

2012年12月11日 | のほほん同志Aの日常

先週末はピアニスト、辻井伸行さんの
ピアノコンサートのツアーに行ってまいりました。

盲学校在学中から注目を集め、
今から3年前には、アメリカのヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで
日本人として初めての優勝を果たした、あの辻井伸行さんです。

大阪のシンフォニーホールで行われたソロコンサート。
銀のステッキでも人海戦術で大激戦のチケット争奪戦に挑み、
なんとかご用意できたお席で、この日を迎えることとなりました。

コンクール優勝後、カーネギーホールを始め、
世界を舞台に活躍される辻井さん。

「盲目の…」と前置きされることはもう少なくなったそうです。


それでも、あえてその言葉を使いたくなりました。

というのはこの日の午前中に訪ねた大阪教会で、
牧師さんよりこんなお話を伺ったからです。

明治期に創設された日本でも最古級のプロテスタント教会。
大阪の中心部に現れる「赤煉瓦の教会」は
W.M.ヴォーリズ設計によるもので、築90年を数えるそうです。

ヴォーリズらしい、なんとも温かみのある空間で、
同じく温かな牧師さんの言葉や話しぶりに、
ご参加の皆さんからも質問がしばらく途切れませんでした。

「シンプルな…祭壇ですね」

一見、十字架やキリスト像の見当たらない空間を見まわして
あるお客様がそう仰いました。
その言葉に、牧師さんは静かにこう答えられたのです。

「目に見えるものを大切にしてはならない。
 それが、私たちの教えです」

目に見えるものを大切にしてはならない。

大切にすべきは、聖書の言葉であり、そこに込められた祈りである。


牧師さんの言葉は、宗派の違いを指してのものだったのでしょうが
私にはもっと普遍的な意味合いをもって、響いてきました。


目に見えるものを大切にしてはならない。

大切にすべきは、命あるものの言葉であり、思いである。


…ひるがえって私は、どれほど
目に見えるもの、形あるものにとらわれ執着していることか。


見えないのは不自由なこと。
そう思うのは、こちらの勝手な捉え方で、
もしかすると見えない方の世界というものは
私たちが視覚で捉え、そのことによって逆に囚われている世界観から
よほど自由であるのかもしれません。


「辻井さん、素晴らしかった!!」

頬を上気させ、興奮気味にホールから出てこられた皆さんのお顔に、
盲目のピアニスト、辻井伸行さんの見ている世界を思いました。

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