オフで東京へ行ったら、たいてい美術館をひとつ見て帰るようにしています。
いつも直前まで予定は未定。
今回も、山手線の中づり広告を見て決めました。
国立新美術館で開催中のマグリット展。
パンフレットの文字は、
「目に見えるものの背後には、
常に何か違うものが隠れている」
それをもっとも体現しているのがこちら。
絵のタイトルは「白紙委任状」。
この絵を解説した画家本人の解説は、記憶によるとこんなかんじ。
「目に見えるものは、常に別の目に見えるものを私たちの視界から隠している。
一方、目に見えないものを私たちの視界から隠すことはできない」
ふむふむ。
これってまるで、『星の王子さま』ではありませんか。
さて、今回の展覧会で一番気に入ったのがこちらの絵。
タイトルは「傑作または水平線の神秘」。
絵を見ただけでは、ぽかん?でしたが、
紹介されていた、この絵についてのマグリットの言葉を読んでしびれました。
あやふやな記憶によると、こんなかんじ。
「男が三人いれば、三人それぞれの月の概念がある。
その意味で、月は三つ存在する。
だから私はそれぞれの男の頭上に、それぞれの月を描いた。
一方で、月はひとつしかないというのもまた真実である。
ひとつなのか、三つなのか。これはひとつの大きな哲学的命題である。」
おもしろいなぁ、まるで絵というよりも不思議な物語だなぁ、こういう世界、好きだなぁ
…と思っていたら、澁澤龍彦氏の著書にこうありました。
「結局のところ、私としては、マグリットが65年の生涯において実現したものは、
一種の文学的絵画、一種の哲学的絵画ではなかったろうか、と考えざるを得ないのである」
『西欧芸術論集成』より
自分のあやふやな印象を、
偉大な先人がきっちりコトバで表現してくれている。
そんな文章に出会った時のうれしさときたら、格別です。
今回の東京行き。
マグリットは行程外のおまけでしたが、
思いがけない贈り物をもらったような時間となりました。
さて、明日からは山形です。
メインイベントの桜は……。
でも、マグリットのように、思いがけない時間に出会えますように!
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