銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

西表でサガリバナに会いたい

2023年07月08日 | Hの生きる喜び、それは

ツアーに参加する皆さまには当然必ず動機があります

あのホテルに泊まりたい、あの景色を見たい、これをしたい、、、

今回の皆さまは、異口同音に「長年の夢だったサガリバナに会いたい!」


(↑これがサガリバナの花)

その思いはとても強く、
昨年の内に「来年行きます」と申し込みされている方もおられるほど(ツアー発表前!)

ところが、早々に行程表を送り、出発前の確認のお電話をすると、何やら様子が変です

「行程表を見て、行くの不安になったのよ」
「カヌーの装備なんて持ってないし」
「こんな年で行くもんじゃないわね、これは若者向けよ、止めようかしら」

「でも、どうしてもサガリバナに会いたいから」

何人かの方からほとんど同じ声を聞きました

その時、実は私も不安でした
なぜなら、、、現地のガイドさんから今年は咲くのがとても遅くて
まだ全然咲いていないと言われていたからです

サガリバナに会いたい― 

向かう飛行機の中でも一心に願いました

「サガリバナ」とは、沖縄地方で夏の1週間ほどの間しか見られない幻の花
夜人知れず咲き、夜明け前から少しずつ花を落とす 一夜花


(夜中、徐々に咲き始めるサガリバナの花)

水際で咲くので、夜明け前にカヌーに乗って、会いにゆくのです

一輪でもいい、咲いていておくれ…!

皆さんそう願いながら、まだ月が夜空を照らす未明に宿を出発

クルーズ船で奥へ奥へと本流を進み
途中でカヌーに乗り換えて、サガリバナが咲いている支流へ漕ぎ進めていきます

クルーズ船が風を切って進んでいると

あの甘い香りが漂ってきました

こんなにスピードを出しているのに、
目の前で咲いているかと思うほどに、強い香りが流れてきます

・・・咲いている!!

水面に目を移すと、一輪、また一輪と落下した花が流れてきます

「鼻がもげそうなくらい甘い香りがたちこめてるわね」とお客様

あー、良かった、サガリバナは咲いてくれていました

前日の内に、カヌー体験を済ませた皆さまは
慣れた手つきでカヌーを漕いで、花の香りに誘われるように
支流の奥へ、奥へと進んでいきます

「あ、落ちた。こっちも落ちた、どんどん落ちてくる」
「幸せ、ほんとうに幸せ、思い切って来て本当に良かった」
「私がカヌーを漕いでいるなんて信じられないわ、夢みたい」
「帰りたくないわー、ずっとここにいたい」

皆さまが心の底から喜んでおられるのが分かりました

そして、私も、3年目のサガリバナでしたが
いつもに増して、サガリバナに出会えた歓びを噛みしめていました

朝の静けさの中、
空から星が降り注いでくるように、落ちてくるサガリバナの花

淡い桃色、クリーム色、白色

水面に落ちても、まだ雄蕊を伸ばし、ポンポンが浮かんでいるよう
しかしこれも数分で、裏返り、沈んでいきます

水面に花が浮かんでいる時間ですら、ごくわずかの時間なのです

咲く時期、場所、時間、そのすべてがそろって
初めて出会える奇跡の花

なかなか出会えないですし、出会うまでのハードルも、高いかもしれません

でも「サガリバナに会いたい、どうしても」

この気持ちさえあれば、ハードルは越えられるのです
そして、その思いはきっと届くのだと、今回皆さまに教えていただきました

最初の不安が嘘のように、はっちゃけた皆さまの姿
「体験型って、面白いわね」
カヌーの装備も、漕ぐ姿もバッチリ決まっていましたよ

好奇心は無限大です

『サガリバナに会いたい』
その思いは、また来年へと引き継ぎます

******************************************
旅行、オーダメイド旅行のご相談は…  
銀のステッキ旅行 TEL 0797-91-2260(平日9:00~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin-st.co
******************************************


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする