調査員の「目」

 日常の何気ない雑感とつれづれ日記。

「ハーバードMBA留学記-資本主義の士官学校にて」

2006-12-02 | 書評系
 11/20の日経新聞の夕刊「ドキュメント挑戦、法化社会 日本を創る」に東大在学中に司法試験に合格し、2006年のハーバード・ビジネス・スクールMBAプログラムを卒業する学生の中で、日本人として14年振りに成績上位5%の最優等者に選ばれた人の記事が掲載されたいた。しかも何だか若い人っぽい。

 「世の中には凄い人がいるものだ・・・」

 と思っていたら、翌日私の会社でもマネージャーや同じチームのメンバーが 「世の中には凄い人がいるものだね~。凄いね~。」と話題になった。

 木曜日に八重洲ブックセンターに寄る機会があったので、店内をフラついていたところ「ハーバードMBA留学記~資本主義の士官学校にて~」という本が並べられているのに目がいった。手にとって内容や著者の経歴を見てみると、上述した日経の夕刊に紹介されていた方の本だった。帯を見ると「人気ブログハーバード留学記待望の書籍化!」などと書いてある。

 知らなかった・・・(笑)。しかも著者の岩瀬大輔氏は私と同い年ではないか。早速、買って読んでみた。

「■ハーバードMBA留学記-資本主義の士官学校にて-」(日経BP社 1,890)
著者 岩瀬大輔氏(あすかアセットマネジメントリミテッドヴァイス・プレジデント)
 1976年埼玉生まれ。97年司法試験合格、98年東大法学部卒。ボストンコンサルティンググループ(BCG)、インターネットキャピタルグループ、リップルウッドなどを経て、2004年夏、ハーバード・ビジネス・スクールへ留学。06年成績上位5%の優秀生として卒業(MBA with High Distinction)。  

はじめに~資本主義の士官学校にて~
第1章 問われる経営者のリーダーシップと倫理
第2章 ユビキタス・アントレプレナーシップ
第3章 グローバリゼーションと平らになっていく地球
第4章 「民」と「公」が交差するところ
第5章 ファンド資本主義
第6章 キャリアと人生の送り方
おわりに~自己変革の2年間~(あとがき も含めて327ページ)
 
 とにかく頭が良くて、様々な人から好かれ、志が高い人なんだな、ということが伝わってくる。
第6章のリップルウッド時代の上司から多くのことを学んだ、として「観察力」について触れる中で
「・・・漫然とニュース記事を追っているだけの人と、こうやって毎朝、感受性を研ぎ澄ませて、何気ない記事から多くのメッセージを読み取っている人とでは、ビジネスパーソンとしての底力の点でどれだけ大きな差がつくことだろうか。」ということを述べている。

 本当にそう思う。厳密な意味で「ビジネスパーソン」とは言えないかもしれないが、「外務省のラスプーチン」としてマスコミに叩かれ逮捕されながらも、その能力が再評価されている外務省起訴休職中の佐藤優氏も「秘密情報の98%は公開情報を再整理することによって得られる」と述べている。デキル人になるには感性と物事の本質や背景を的確に把握するロジックやパースペクティブが必須条件であるのは論を待たないだろう。

 まあ、とにかく同い年でこんな凄い人がいることに驚くとともに同世代の人達が活躍しているのを見ると私も努力しなければ、と改めて思ってしまう。同世代のみなさん、「明日の日本のために」それぞれの立場でベストを尽くしましょう。

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