靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

町で出会うまぶしさに、感謝をこめて

2013-04-21 05:03:00 | 思うに
木曜日の夜、長女のブラスバンド・コンサートがあった。アンカレッジ市の公立小学校は、六年生になると皆、ブラスバンドかオーケストラかの練習をすることになっている。この日は、アンカレッジの東地区にある小中高校が合同で発表会。

それまで楽器に触ったこともなく楽譜が読めなかったような子も、皆立派に演奏していた。全ての子にこんな機会が与えられ、ある程度なかなか聞けるような演奏ができるようにしてしまうなんて、すごいことだなと感心した。

小学校数校を合わせた小学校部門、三十代くらいの男の先生が指揮を取る。この先生がまた素晴らしかった。曲の雰囲気に合わせサングラスをかけてみたり、一旦終わったと観衆が拍手を始めたところ「じゃじゃ~ん」とエンディングを入れてみたり、トロンボーンの子達に立ち上がってリズムに合わせた動きをさせてみたり、その表情や仕草一つ一つが生き生きとエネルギーに溢れ、先生自身が心から楽しんでいる。そして子供達の笑顔も生き生きと輝いていた。

自分がしていることを、楽しんでいる人は輝いている。

自分がしていることに、喜びを見出している人はまぶしい。

演奏に合わせ、座席の一番前に座っていた小学校高学年くらいの体格のいい男の子が踊り始めた。ダウン症のその子の隣で、お母さんが、その子の動きの一つ一つに大きく頷きながら、一緒にリズムを取っている。そのお母さんの笑顔が、まぶしかった。

こんなまぶしさが、はっと私を中心に戻してくれる。

ああ、また随分と逸れてしまっていた、そう我に返る。

町で出会うまぶしさ。小学校の廊下ですれ違う掃除夫のおじさんの笑顔、「私に任せたら学校中ぴっかぴかになっちゃうよ」と胸を叩いていた。スーパーのレジで、勢い良くキーボードを打ち、レシートを渡しながら「今日もよい日を!」と歌うように言うおばさんのまぶしい笑顔。

喜びを見失わない人々。喜びは、常に幾層にも重なり、目の前に溢れている。

そして人から借りたメガネでは、そんな溢れる喜びを見出せない。

あのまぶしい笑顔に、感謝を込めて。



高校の体育館にて


日本太鼓の演奏も!

この高校生バンドを率いる日本人女性、先生としての他にも個人的に西洋と東洋の音を合わせた音楽活動をしている。昔私が働いていた職場の同僚男性の娘さんでもあり。元同僚夫婦を思い浮かべながら、その子育てを想いながら。こうして大好きなことに生き生きと取り組む彼女の姿、輝いてました。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ヨーキ)
2013-04-30 11:44:43
出会う人々に喜びを感じ、感謝、感謝の日々よ。『ありがとう』ですね。ますます『いいことあるよ』。
返信する
ヨーキさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-05-05 07:38:03
本当ですね。はっとさせられるときが周りに散りばめられています。感謝していきます。
返信する

コメントを投稿