靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

これからのビジョン

2013-09-15 03:05:00 | 思うに
夫出張十日程。初めての海外出張でアジアのある国にて、国連やら各国政府が導くプロジェクト。その準備のためここ一週間ほど早朝から夜まで嵐の忙しさ、それでも仕事から束の間抜け、買い物や送り迎えの分担をしてくれる。昨日旅立ち、ここのところの不在がち続きから、全くの不在へと突入。

何国も股にかけた壮大なプロジェクトの話を聞きながら、目の前には山積みとなる五人の育児家事。スクリーンに向かい書類やプレゼンの資料を整える夫の傍らで、弁当のおかずをどうしよう、あの子明日の単語クイズの練習したかな、トイレのゴミ箱がいっぱいになってる、洗濯洗剤がなくなりそう、あの子が算数で苦手な項目の応用問題を作っておこう、そう走り回る。こうして表舞台の裏側で、何世代にも渡り脈々と続く層というものがあるのだなあ、そんなことを思う。

フェミニスト、ウーマンリブにどっぷりと浸った世代の母に育てられ、若かりし頃は、外に出て働くのが当たり前だと思っていた。専業主婦というのは自分にとってあり得ない選択だった。

それでも、その時その時の目の前の子供たちのニーズから、道ができていった。バリバリと共働きで、子供も立派に育ちという家庭ももちろんある。一緒にいるから子供がうまく育つということでも全然ないと知っている。それでも、限られた時間やリソースの中で、家ではこれが子供たちにとって私にとっての最善だった、そう感じている。家にいるという選択ができる状況に感謝しつつ。


子育てが落ち着いたら、子育ての経験を生かせるようなことをしていきたい。かつての私自身がそうであったように、右も左も分からない子育て始めたばかりの方に、少しでも役に立てる方法を。社会からぽかりと切り取られた空間にいるような寂しさを抱える方が、ほっと笑顔になれる情報を。私自身今も通過中の道、日々子供たちの引き起こす様々な問題に打ちひしがれる人に、失敗や困難をシェアすることで、そしてそれらを乗り越えることができたという一例を示すことで、明日もまた歩いて行こうと立ち上がっていただけるように。

チャレンジ、それは、それらに向き合う小さな一人の人の姿を示すために与えられる、そんなように感じています。そしてその姿をさらすことで、周りの一人にでも、ああ私も歩き続けていこう、そう思ってもらえたとしたら、もう万々歳なのです。そんな小さな一例になれたら。

そしていつかそんな一例を集めたデータベース作りができたら、というようなことを考えています。ネットとはそんな小さき草の根の人々を繋ぐためのものでもあったはず。子育て支援だけでなく、パートナー、食、家族などについての体験・知恵のデータベースをホームページといった形で作成し、情報を集め、自らの体験も発信し続けていく。

子育てが一段落し、その体験や培った知恵を次へ伝えられる、そんなサイクル作りができたら。もっと子育て、パートナー、家族というものについての知恵があっていい。世代から世代へと伝えるシステムも、核家族化で壊れ、また今の教育制度ではそれらについて何も教えられない。未来の世界に関わることでありながら、これほどなおざりにされていることもめずらしい。

先週、これまでの子育てを自分なりにまとめたものをひとまず書き終え(原稿用紙六百枚ほど二年かけて)、これを自身のプリンシプル・土台として動いていきたいです。友人たちとも話し合い、徐々に何ができるか模索して行きたいです。

まだまだ子育て真っ最中、少しずつ、少しずつ。


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2 コメント

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Unknown (mirumiru)
2013-09-18 20:58:55
私が通った高校は女子高でした。卒業のときに担任から言われた言葉があります。男性に教えるよりも女性に教える方が何倍もの効果がありますというようなことを言われました。それは、やがて妻となり母となる女子生徒によい教えを説くことは、世代を超えて生きていくという内容だったと思います。子供から孫へ、そしてその子供へと。素晴らしい母親であるというのは、一世代では終わらないのです。その真髄が脈々と次世代へと繋ぎ、受け継がれていくものだと教わりました。
母親業万歳!です。私も専業主婦です。これからの未来を担う子供たちを育てる母親業は七転び八起きですが、必ず花が咲くものと信じています。
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mirumiruさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-09-22 18:16:40
高校の担任の先生がおっしゃられたこと、まさしくと思います。歴史の影に、決して表舞台に出ることのない「素晴らしい母親」という存在が、脈々と続いている、そう思います。

そしてそれは、社会に出て働き、バリバリとキャリアを築いていこうと野心に燃えていた私にとっては、全く見えなかったことでした。自らが母親となり、初めて気づき始めた視点でした。

母親業万歳! 親業万歳! こうして子供達の傍に寄り添えることに感謝しつつ、実際の日常は一体何度転べばいいのやらといった状態ですが、私も何度も何度も立ち上がって行きたいです。

本当ですね。必ずいつか花を咲かせる、その希望と共に。

いつもありがとうございます。氷点下のアラスカより、mirumiruさん一家の幸せをお祈りしています。
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