靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

「平和のためのペニー(Pennies for peace)」運動

2010-10-15 22:23:33 | 出来事や雑感や (子育て)
今年度初め(8月終わり)から、子供達の小学校が「平和のためのペニー(Penney for Peace)」運動に参加している。ペニーは日本での約一円に相当。ペニーを持ち寄り、パキスタンとアフガニスタンに学校を作るために役立てようという運動だ。

Greg Mortenson氏が1994年に始めたこの運動、彼が世界で2番目に高いk2登頂に失敗したとき、パキスタンの村で温かいもてなしを受けたことに感動し、村に学校を作ると約束したことから始まった。その時の様子が、「三杯のお茶:一人の男の平和推進ミッション、1校ずつ(Cups of Tea: One Man’s Mission to Promote Peace, One School At A Time)」という本に記され、ニューヨークタイムズのベストセラーとなっている。子供達の小学校ではその本の子供向け版を読むことが授業に取り入れられている。

本のタイトルはチベット語系バルティ(Balti)語族の諺、「一度バルティと共に茶を飲むならあなたは見知らぬ人だ、二度共に飲むならあなたは誉れある客だ、三度共に茶を飲んだのならあなたは家族だ。("The first time you share tea with a Balti, you are a stranger. The second time you take tea, you are an honored guest. The third time you share a cup of tea, you become family..."」に基づいている。

Mortenson氏が創設したNPO中央アジア・インスティテュートは中央アジアの文化を知るためのカリキュラムも提供している。「パキスタンの首都はイスラマバードよ」、「今日はクラスでパキスタンのクッキーとお茶を試したの」と子供達楽しそうに話す。

「爆弾でなく、学校を」をスローガンに進められるこの運動、Mortenson氏は『「テロと戦う」のは「恐れ」に基づいている、「平和を推進する」のは「希望」に基づいている。(If you just fight terrorism, it's based in fear. If you promote peace, it's based in hope.)』と言う。

「三杯の茶」は現在米国軍上級指揮官(senior American military commanders)にとっての必須図書となっているそうだ。


子供たちの小学校、9月の中旬時点で16,244枚のペニーが集まった。そしてまだまだ増え続けている。「一枚のペニー、パキスタンでは鉛筆が買えるんだよ」と、引き出しや財布に使われず残ったペニーを見つけては、子供達嬉しそうに学校へ持っていっている。