にわたずみ

松岡永子
日々のことなど

おかめ塚 千本釈迦堂

2010-12-31 22:05:08 | Weblog
12月7日大根炊きの日に千本釈迦堂に行ったのは
おかめさんの像を見たかったから。



横に立っている「おかめ塚由来」によると
千本釈迦堂本堂建立のさい、棟梁が誤って四天柱の一本を短く切ってしまった。
思い悩んでいると妻の阿亀がそのミスを補う方法を教える。本堂は立派に完成するが、
女に助けられたと言われては夫の恥、と阿亀は自殺する。
棟上げ式の御幣におかめの面がついているのは(京都の辺りはそうらしい)その徳を偲んでのこと。

大工が失敗を妻や娘の助言でしのぎ、その噂がたつのを防ぐため殺してしまう話は各地にある(殺す、のであって、自殺、はほとんどない)。
千本釈迦堂にもそんな話があると聞いていたので、行ってみたかったのだ。

そんな説話をある程度まとまって読んだのは、図書館でたまたま借りた『父親が娘を殺す話』(芝正夫)で。
民俗学の棚にあったのだが、題を見てグリムの分析かと思って(手なし娘、とか)借りた。思っていたのとは違う内容だったが面白かった。それから何年もたって、やっと実物を見た(本で中心的に取り上げられているのは千本釈迦堂ではない。芝氏は関東の人だから)。
この本は遺稿集なので、民俗学関係の論文・エッセイのほか創作も入っている。
それも面白かったので他にもないかとネットで探してみたがさすがにヒットしなかった。
なにかご存じの方がいらしたら教えてください。

たとえばこんなお話は、どこか説話っぽい。
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 退屈した男が何の気なしに厠へ行き、小便をした。すると隣にある婦人用便所から清水の流れるようなせせらぎか聞こえてくる。
 男は耳を澄ました。確かに小水の音に違いない。こんな品のいい音をたてる女はどんな女なのか、男は興味がわいた。
 それで、そこから少し離れたところで様子をうかがうことにした。が、なかなか出てこない。だいぶ待ったが誰も出てこなかった。
(芝正夫)

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