にわたずみ

松岡永子
日々のことなど

若宮隆志展

2018-10-20 07:36:15 | ギャラリー
難波・高島屋美術画廊

漆芸の作品たち。
実に細やかで美しい。
「桃太郎」と題された乾漆作品(桃の形をした朱漆で、鬼さんたちとのほのぼのとした日々(たとえば、サルたちは鬼さんの団子屋できびだんごを買っている)を点景で描いている。かわいい)をしげしげと見ていたら、スタッフの人が持ち上げていろんな角度から見せてくれた。
(当然ながら、手を触れないようにという注意書きがある。スタッフは白手袋を着用)
「これ、ここも可愛いんです」
と、ひっくり返したら、その桃はお尻にちょっとセクシーなパンティをはいていた。

工房の方もいて、いろいろ説明してくれた。
釣鐘型の蓋物。
「表面に付いている小さな粒々も漆で作って、それを漆で貼り付けて、そこに漆を掛けて研ぎ出して……」と気の遠くなるような細かい作業。
錆びた青銅色の蓋を開けると、煌びやかな星空が広がっている。
表面は渋くて裏は華やか、というのは江戸風ですね。

「化鳥」という題の盃。白い翼から子供の頭が少しだけのぞいた絵柄。
「これ、泉鏡花ですか」と聞いたら、あ、ご存じですか、と原画の載った絵本を見せてくれた。
内心、(これ作った人、絶対わたしと趣味似てるよ)と思っていた。

「叫ぶ小鬼」はムンクの絵の真似をしてるけど腕が短くて耳まで届いてない、とか、雪月花を表した器で、月は裏側(茶碗でいえば高台の中に当たる部分)にある、とか。
言われなければわからないことが多くて、解説ないのはもったいない、と思う。

画像はないので、公式ページを貼っておきます。
http://www.wakamiya-takashi.com/


この展覧会は、竹工芸の田辺竹雲齋さんからDMをいただていた。
以前行った竹雲齋さんの展示会の後には毛筆のお礼状(お越しいただいてありがとうございました、というの)もいただいたし、なんだか申しわけない。見るだけの客なのに。
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