鼠丼

神の言葉を鼠が語る

<650>

2014-08-12 19:18:55 | 日記
 毎度! ねずみだ。

 我が王立絶望印刷会社は世界的規模なので、社員の国籍も多岐に渡る。当然現地には現地採用の社員がいるのだが、日本で採用された社員の中にも他国の方がいる。

 先日そんな方の一人と一緒に仕事で関わることになった。紹介されたその方の国籍はヴェトナムで日本の某大学の大学院で宇宙工学を学んだ経歴を持つ。残念ながらその実力を日本で発揮することなくなにを間違えたか我が王立絶望印刷に入社してしまった。

 その女性は26歳でグエンちゃんという名前なのだが、日本語が堪能なのは言うまでもなく、マクロを独学で勉強し一年でマスターしてしまったそうだ。関係ないがとても可愛い。
 私はといえばエクセルの拙さはひどいもので、ピボットテーブルがせいぜいである。一時期アクセスを勉強したのだが途中で挫折してしまった。

 彼女の組織は作業効率化のためのデータ解析を得意分野として、製造をサポートする部署である。絶望印刷会社のデータ解析は進んでおらず、過去の膨大なデータを解析すれば最適な生産体制が組めるはず。その解析処理業務はおそらく私が属している部署が行うべきなのだが、前述のとおり課内にはそれらの業務をこなす人材がいないので、この度他部署へのアウトソーシングを試みた。

 ヴェトナムの国民性なのか彼女の素質なのか、話を聞いていると彼女の可愛さ、もとい真剣さがひしひしと伝わってくる。一言でいうと一生懸命なのだ。
 勿論私とて仕事に対する真剣さは誰にも引けを取らない。王立絶望会社を引っ張っていくだけの気概は持っている。しかし、それとはちょっと違う。なんだろう、自分の母国語ではない会話だからか、一言一句のすべてを聞き取ろうとする真剣なまなざし。話すときにも一言一言をゆっくり選んでいる。問題解決のために最短のプロセスを選ぼうとしている。しかも可愛い。

 彼女との打ち合わせを何度か重ねるうちに、彼女が持っていて私たちが失ってしまったものに気づかされた。真剣さである。一生懸命さである。仕事に対する真摯な気持ち。しかも可愛い。
 私たちが普段回している仕事はルーチン業務の上に成り立っているのだが、こころのどこかに「こんなものだろう。」「今までこうだったから、今度もこうに決まっている。」といった慢心さがありはしないだろうか、と気づかされ自戒の念で死んでしまいそうになる。

 彼女と仕事で関わり、失いかけていたものに気づかされたような気がした。
 今度の打ち合わせが終わったら、その真剣さの源について聞いてみたい。新宿のおいしいベトナム料理屋で一緒にご飯を食べ、お酒を飲んでカラオケで彼女の歌声を聴くとともに電話番号と週末の予定も聞いてみたい。(あくまでも仕事の上で必要なのだ。)


 じゃ、また次回!(颯爽と歩き去る。)


コメントを投稿