なぞの旅人スーのブログ

鉄道、旅行、花祭り、その他日記にしたい事を書いていきます。実際の面識が無い方からのコメント、歓迎。荒らしや誹謗中傷は×。

夏の「青春18きっぷ」の旅 高野山 1日目②

2018-09-08 23:59:59 | 日記

 寝ている時も高野山の世界である。宿泊できるところはほとんどが宿坊で、あとはゲストハウスくらいではないだろうか?昨日の昼休みに宿坊協会に電話をし、希望を伝えて宿坊を探してもらったら、「この中のどこにしますか?」ではなく、成福院という宿坊をあてがわれた。午後5時までに受付を済まさなければならないとのことで、間に合う様に向かったけど、金剛峰寺とか午後5時まで開いているところもあるし、もう30分待って欲しいなあ。脇に摩尼宝塔がある。ビルマ方面戦没者、兼ねては太平洋戦争犠牲者の供養のために建立されたそうである。ビルマ関連の美術品などが展示されていた。


 宝来が飾られていた。


 戒壇巡りもできる。手すりを右手で握りながら暗い中を進むと、途中でガチッと手が錠前に当たった。往生の際には極楽浄土に行けるということか?


 午後5時になってしまうので、宿坊に入った。お店に入った時のメロディーが流れたけど、誰も出てこなかった。しばらくしたら男性が現れたけど、すぐ別のところに入っていってしまった。直後に女性が現れたので「宿坊の方ですか?」と声を掛けたら「はい」と言われ、先程の男性を呼んだ。紙に住所、氏名等を書いたりして受付を済ませ、部屋に案内してもらった。


 結構な広さのお風呂で疲れを癒し、内部を拝見した。




 ささやかな庭がある。


 6時頃に若僧が部屋に精進料理を運んできた。たくさんのおかずがあり、デザートの果物、草餅も付いていた。見た目がきれいで、味噌汁にはまりの様な模様の球状の麩が浮かんでいた。どれも美味しかったけど、天ぷら、刺身こんにゃくが特に美味しかった。宿坊は寺だけど、お酒も頼める。いつもみたいな量は飲まず、日本酒1合だけにした。


 食事後、机の上に置かれていた英語と日本で書かれた仏教の本を読んだ。教えの解説や、仏教ワードの解説が書いてあった。仏教に関係するお話が多く書かれていて、日本の「姥捨て山」と同じ話も載っていた。他の1つを紹介する。

 蛇の尾が頭に「たまには私を前にしよ」と言ったところ、頭は「私がいつも前にあるのは決まったならわしである。お前を前にすることはできない」と答えた。争った末に尾は木に巻きつき、頭が止まってひるむ隙に尾は木から離れて前を進んだところ、火の穴に落ちて焼け死んでしまった。
 ものには全て順序があり、異なる働きがそなわっている。不平を並べてその順序を乱し、そのために各々に与えられている働きを失う様になると、その全てが滅んでしまうのである。

 そのうち、膳を片付けるのと布団を敷くために若僧がやってきた。朝早い勤行に参加するため、かなり早く就寝した。
 隣の人がテレビをずっと付けていて、音が漏れてきた。まあ、ホテルではないし、宿坊とはこういうところだろう。泊まっている者同士配慮し合うことが、宿坊に泊まる、ある意味修行であろう。

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夏の「青春18きっぷ」の旅 高野山 1日目①

2018-09-08 23:59:30 | 日記

 この週末も七里御浜がある三重県熊野市は雨で波が多少ある予報で、釣りに行くのはやめた。「青春18きっぷ」の利用期間がもう終わるので、七里御浜は来年こそ行きたい。
 さて、どこに行くかであるか、高野山に行くことに決めた。京都はまたになるし、来年の楽しみにしておく。前から行きたかったけど、遠いし、時間がかかるので、なかなか「よしっ、行こう」という気にならなかった。東寺に行ったことが後押しになったと思う。熊野市の天気予報を昨日の昼まで時々確認し、最終的に断念して高野山参拝に切り替えたのだが、行くと決めたら「ついに高野山に行くんだ」と身震いした。
 上りの「サンライズ瀬戸・出雲号」が遅れていて、午前6時前に最寄駅を通過した。当然カメラ出すのが遅れたので後追いが精一杯だったけど、設定ができてないのでぼやけた写真になった。


 奈良廻りだと、接続が悪いのもあって到着が午後2時を過ぎてしまうので、大阪廻りで向かった。大阪府内に入ると、先日の台風21号の被害で屋根にブルーシートがかかっている民家を何軒も車窓から見た。台風の日は有給を取ったけど、大阪他の外の様子をテレビで観ていて、怖かった。大阪環状線は323系に替わっていた。「関空・紀州路快速」に乗ったけど、「関空快速」は連絡橋に船がぶつかって損傷した関係で、りんくうタウン行きだった。滑走路が高潮で浸水し、飛行機も便数が少ないので、飛行機に乗る様なカバンを持った乗客は少なかった。僕は「紀州路快速」の方に乗ったけど、空いていた。できるだけ「青春18きっぷ」を使いたいから、阪和線三国ヶ丘駅で南海電鉄に乗り換えた。南海は準急までしか同駅に停まらないんだけど、どうしてだろう?
  高野山までの終盤区間の鉄道(ケーブルカー含む)が台風21号による災害で不通となっていて、橋本駅から代行バスに乗った。なお、ここまで列車撮影をする時間の余裕は無かった。南海は色々な車両があり、方扉車があるので面白いんだけど。バスは乗って十数分後に発車した。やがてくねくねした登り道となり、反対から来る車とのすれ違いや後ろの普通車に道を譲るために度々停車した。途中から霧がかかってきた。大門のそばを通ったので、そこで降りれたらなあ。1時間20分位で高野山駅前に到着した。路線バスに乗り換えて、先程通った大門に向かった。
 大門に到着。仁王門、三門と同じ役目の門だから、ここからスタートした。どっしりとした構えで、結界感がすごい。参拝客は少なかった。霧が門に立ちこめたり、薄くなったりした。いや、これは霧ではなく、雲であろう。橋本駅~極楽橋駅 間に観光列車「天空」が運行されているけど、平地から1時間位かかる高地にある、天空の宗教都市である。


 少し歩いて壇上伽藍へ。開創としての重要な場所である。ここも人が少なかった。やはり、天気と鉄道の不通区間があるせいか?中門。焼失、再建を繰り返していて、現在の門は3年前に再建されたそうである。門の中央を境に両側に背を向けて各2体像があり、四天王が安置されている。




 金堂。無人で、拝観料は箱に入れることになっている。御本尊は薬師如来像だが、秘仏で厨子の中に入っているそう。脇侍として計6体の仏像が安置されているそうだが、黒い講師に囲まれていて見辛く、両側各1体の明王(降三世明王立像、不動明王坐像)しかはっきり見れなかった。また、厨子に向かって両側に両界曼荼羅があるけど、両方を格子越しに遠くから見た。


 次に御朱印をいただいた。金堂、根本大塔の御本尊のものがあるけど、僕は基本1箇所で1つしかいただかないので、金堂の方にした。書いてもらっている間に「台風の後に来ていただいて大変でしたね」と言われた。とにかく風が強くて、近くの道が通行止めになったそうである。
 根本大塔に入ろうとしたけど、三鈷の松で葉が3つに分かれた松葉を探している人達を見たら、すぐ探したくなってしまった(苦笑) 弘法大師(空海)が遣唐使から帰国の際、明州の港から「密教を広めるのにふさわしい地に飛んでいけ」と法具の三鈷杵を日本に向かって投げ、それが飛んでいってこの松にかかっていたそうである。なかなか見つからず、見つけられても枯れたものだった。保険としてとっておいて探し続け、ようやく短いながらも3つ分かれの松葉をゲットできた。財布の中に入れた。幸福になれるとか、お金が貯まるとかいうご利益があるそうである。


 そして、根本大塔に入った。拝観料の納め方は金堂と同じだった。中央に大日如来像、四方に金剛界四仏が安置されており、周りの16本の柱には大菩薩が描かれている。東寺で見たのと同じく、立体曼荼羅の世界である。金剛界四仏はぐるりとまわりながらお姿を拝んだ。


 その他、多くのお堂がある。全部は紹介できないので、一部のものを。六角経蔵。下に取っ手があって、「ぶっちゃけ寺」で芸能人たちが回していたけど、「使用禁止」の紙が貼られていた。台風のせいか?まあ、1人では回せないけど。一回りすれば一切経を一通り読んだときと同じ徳をえることができるといわれているそうである。


 御社。やはりここにも神社が。


 西塔。東にも東塔がある。


 孔雀堂。覗き窓があり、覗くと孔雀に乗った孔雀明王が見えた。他にも覗き窓があるお堂がいくつかあり、覗いても真っ暗なところもあれば、うっすら中の様子が分かるものもあった。また、花祭りのざぜちの様な切り絵が貼ってあった。後で団体さんに付いているガイドさんの解説を盗み聞きしたら、「宝来」というそうである。花祭りは修験者が伝えたとされるので、宝来とざぜちは共通面があるのかもしれない。


 御影堂。


 蛇腹道の方向を見る。


 不動堂。平安期住宅様式を仏堂建築に応用したそう。


 雨が降ったりやんだりで、折りたたみ傘をカバンから出し入れしながらの参拝であった。
 今日は行けてあと1箇所なので、すぐそばの霊宝館に入った。高野山の多数の文化財が保存され、展示は随時入れ替えしているそうである。また、日本最古の木造博物館だそうである。企画展で高野山に伝わる戦国武将に関係する文化財が展示されていたけど、時間が無いのでそれらはさっと見学し、仏像を中心に見た。新館の仏像がよく、椅子に座って眺めた。愛染明王坐像、四天王立像が特によかった。


 これにて今晩泊まる宿坊に向かった。

※②に続く

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