雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

鳩の卵

2012-06-08 | 日記
 餌を与えている訳でもないのに、近頃我が家のベランダに鳩がよく来るとなあ思っていた。 もしやと思い乾燥したプランターを調べてみたら、案の定卵を二つ生んでいた。 鳩の卵は、うずらの卵よりやや小さめで、真っ白だった。 小鳩が巣立ちするまでそっとしておいてやりたいし、洗濯物に糞を付けられても困る。 公園に集まる鳩たちの糞害が自治会で問題になっている時だから、鳩の出入りを近所の人に観られたら、苦情が来るだろう。 困ったものだ。 一番厄介なのは、自分である。 有精卵と判っているのに、捨てたり潰したりできない性格なのだ。 無論、鳩を殺すことは出来ない。 自分が殺せるのは蚊とごきぶり、そして、あさりとしじみくらいのものだ。 

 昔、巣から落ちて怪我をした小鳩を、飛べるまで育てたことがある。 餌は市販のすり餌だったと記憶する。 お湯で練って、小鳥の餌やり器て口に入れてやっていたが、すぐに自分で食べるようになった。 たしか記念にVHSで撮って置いたと思うが、真っ白な鳩だった。 
 飛べるようになったので放してやると、一旦屋根に止まって辺りを見回していたが、すぐさま振り返りもせずまっしぐらに山の方に向かって飛んで行った。 その後、童話の中のつばめのように、お礼の金貨を持ってきたことは一度もない。 

 と、いう訳で、もし苦情が来たら、手作りの孵化箱を作り、孵化したら部屋の中で自分が育ててやろうと思う。 

 こんなことを書いていたら、近くに鴬が来て盛んに鳴いている。 もしや、どこかに卵を生んでいるのではないだろうか。 まさか… 。  

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