雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺のエッセイ「心霊者テスト」

2016-10-18 | エッセイ
 数日前、猫爺が興味津々になるテレビ番組を視た。録画を逃したのでうろ覚えではあるが、思い出してみよう。ご覧になった方々も多いであろう。

 ある不動産屋が担当している「事故物件」がテスト会場(?)である。ここでいう事故物件とは、この家に住んでいた人が、ここで事故や殺人、自殺などで亡くなった物件でである。

 その家に三人の「霊能者・心霊者・霊媒師」といった幽霊を扱うプロ(?)を呼んで、事故物件となった原因を当てさせるという軽率というか、罰当たりというか、めっちゃ面白いプログラムであった。
 
 当てるのは、
   ● 死んだ人が男か女か?
   ● 年齢はどのくらいか? 
   ● その場所は、この家のどこか?
   ● 死んだ原因は何か?
 この程度だったと記憶する。

 若い女と答えた人が二人。そのうちの一人の心霊者は、女の幽霊の「似顔絵」まで描いていた。場所は、それぞれ分かれて、風呂場、ベランダ、部屋のクーラーの下と答えていた。原因は、自殺と他殺。

 さて、答えは、独り暮らしの60歳なかばの男で、酒に酔って風呂に入り、溺死したのだという。当たったのは、二人で、風呂場と答えた人と、別の人が男と答えて当たったが、その他の答えは外れであった。

 若い女の似顔絵まで描いた人は、風呂で事故死した男のずっと以前に死んだ女の幽霊が見えたのだと、聞き苦しい言い訳をしていた。


 「霊能者・心霊者・霊媒師」と名乗ってそれらしい恰好をして、それらしい姓名を付けて金儲けをしているプロでも、全くの素人にあて推量をさせても、正解の確立は何ら変わらないのであろうと感じた。違うのは、プロには言葉で誤魔化す術が備わっているということ。

 幽霊はこの世に存在するか?と問われて、そんなものはないと一番よく知っているのは、「霊能者・心霊者・霊媒師」等と名乗る人々であろう。何故なら、自分の発言が出まかせであることを知っているからである。


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