まさかの大逆転

昨日は後半大逆転の日だった

ヒデミさんが早々と休みを伝えるメールを寄越してきた

一昨日、結構酔っ払っていたから休肝日なのかも

月曜日に休みだったゴマメさんに休まないように念押しメールを送る


今週末は連休が待っている

しかも給料日前と重なって、今週の平日は厳しいと踏んでいる

火曜日は特に暇なことが多いので出勤前から気が重い

更に追い討ちをかけるように電車に乗ったら

途中から激しい雨が窓を叩く

傘を持って来なかった事よりも

店の周辺の天気が気にかかる

この時間に降られると帰宅を急ぐ人が増え

夜の商売には大打撃なのだ


新宿で乗り換えた総武線を下りたら路面が濡れている

やはり通り雨があったようだ

駅前のスーパーで買い物をして店に入る

いつも早々と店に来てメイクと着替えを終えたゴマメさんが

９時の開店を待たずに店前でキャッチ

私もカウンターの中を整えてからゴマメさんと交代

今夜は涼しい

いつも首に巻いている保冷剤は必要ない

ここの処の暑さが嘘のようだ


キャッチを始めて１０分くらい経った頃

通りを歩いて来た女性が差している傘に嫌な予感

帰宅を急ぐ人が頭に鞄を乗せて小走りになっている

降って来た

徐々に雨足が強くなっている

ずぶ濡れの女性が何とも可哀想だ

交代で出て来たゴマメさんも路面を叩き付ける雨に溜息

この調子で何度かキャッチを交代して既に時計は１時を半分も回っている

この時間までにお客さんが居ないとかなり気落ちする

さらには有線から流れる歌が“さくらと一郎”だったりして

益々気分は低下する


その時だった

私のケータイにナディアから着信があった

「モシモシ～」

ルーマニア人の彼女は友達のニコラと吉祥寺でお店をやっている

「まあナディア！おはよう！！

　あんたとこ忙しいの？ウチはヒマで潰れそうよ

　遊びに来てよォ～！」と懇願

「フジカワさんに聞いてみるわ」

ナディアを贔屓にしている社長さんだ


それから２０分位して通りの向こうから賑やかな声がして来た

あの声はフジカワ先生だ

良かった～、ナディアありがとう

そこからがもう大変

ナディアと一緒に来たニコラがもの凄い大暴れ

きっと彼女達の店もヒマで

フジカワ先生からさんざっぱら飲ませていただいたのだろう

ニコラは私の胸や股間を執拗に攻撃

キャ～！店に響く野太い悲鳴


その後来店した若い男女３人組は

私とニコラの醜態をショータイムと勘違いしたようだ

ひとしきり大暴れしたニコラは

彼女のパパと一緒に先に帰ってしまった

ナディアとフジカワ先生はラブラブモード


そしてそこへ今度は駅の反対側にあるフィリピンパブから

５人の男女が来店

陽気でテンションの高いフィリピーナは勿論大はしゃぎ

このフィリピンパブにはオープン時にお客様と遊びに行った事がある

みんなとっても元気でノリが良いのだ

私は何故かフィリピン人と相性が良いので

ここから更に大盛り上がり

気付いたら時計は５時だ


フィリピーナのミラとアリサがメリージェーンを歌って店はクローズ

あ～ぐったり

でも良かった、まさかまさかの大逆転だった

それもこれも招き猫のナディアとフジカワ先生のお陰

ありがとね～

オバサンスタッフ

最近、近所のマックを度々利用しているのだが

昨日の朝こんな光景を見た


若くてやり手と思しきチーフクラスの女性が

彼女よりもかなり年上の女性スタッフに

細かく注意をしていたのだ

私の耳に聞こえてきたのは

「○○さん、解らない事は

　きちんと聞いてもらった方が良いです」

言われた方のオバサンスタッフは

萎縮した感じで小さく「はい」と答えていたが

きっと人に物を聞くのが苦手なタイプなんだろう


その後、チーフ格から「よく絞った○○で綺麗に拭いて下さい」

と命じられていた

何かを吹く時、よく絞るのは当たり前の事だ

それを念押しされていたのは

きっとオバサンスタッフが以前

よく絞っていなかったか適当にやっていたかだろう

傍目にはドＳの上司がとろい部下を苛めているようにも見えたが

決してそんな事はないのである

現にそのチーフ格は

フィレオフィッシュのセットを席で待っていた私に

「大変お待たせして申し訳ありませんでした」と

ハキハキした言葉と笑顔で

これぞマックと思われる応対だったのだ

　
この店舗は交通量の多い通りに面しているので

車でドライブスルーを利用する客も多い

なのでスタッフは他店に比べていつも慌しく動いている

つい余裕がなくなって無愛想になる事もあるだろう

しかし健気にも此処のスタッフは感じ良く応対するのだ

さきほどのオバサンスタッフは何ヶ月か前に入ったと思われる

朝マックする時に何度かレジを打って貰ったが

陰気で声も小さくあまり感じが良いとは言えない

マックスタッフは明るく元気で爽やかなイメージがあるので

この女性には正直「朝から暗いオバサンね」と言う印象を持った

しかも言葉足らずなのだ


すぐそばのロイヤルホストでも朝は

オバサンスタッフがフロアを廻っている

女性としてのキャリアを積んでる分

とても感じが良く、ちょっとした心遣いに感激する

男性には若くて可愛い女性スタッフの応対が嬉しいだろうが

私の様なオバガマ（オバサンガマ）には

近所の主婦がパートで頑張っています的な方が

とても安心するし、心地良いのである


マックのチーフ格の女性がオバサンスタッフに

少しキツめに教えるのも当たり前だと思う

この店舗の他のスタッフは

男性も女性も２０代で若々しい

しかもこちらが気恥ずかしくなるくらいのスマイル全開だ

勿論、とても感じが良いので

つい利用したくなるのである


きっとあのオバサンもその内

マックのスタッフらしい明るい笑顔で

感じよい応対が出来るようになると思う

是非そうなって欲しいと願うのである

洋服よりも…

むし暑い日曜日だった

夕方、地元の繁華街にコンタクトレンズを取りに行った

いつも二箱ずつ求めるのだが

行く度に在庫がなくて後日取りに行く羽目になる

しかも結構待たされるのである

それほど混み合っているわけでもないのに…

一分でも惜しい出勤時ならイライラしている所だ


店を出てその足でブックオフを覗いてみた

夕方のタイムサービスとかで

ＣＤやＤＶＤ、それに本も２０％引きだと

スタッフが声高に叫んでいる

エスカレーターで地下のフロアに下りると

こちらでも盛んに２０％オフの連呼だ

演歌や歌謡曲のコーナーを覗くと

氷川きよしの新曲「虹色のバイヨン」が２枚並んでいた

きっと大量買いしたファンが売りに来たのだろう

中古なのに８００円（マキシシングル）とは強気だ


因みにこの曲はよっぽど事務所も力を入れているらしく

有線の演歌チャンネルでもしきりに流れていた

そのチャンネルは懐メロや少し前の演歌専門なのに

何故か氷川の新曲をヘビーローテーションしていたのだ

耳に残る覚えやすいメロディーなので

久々の大ヒットになるかも…


ブックオフ→ディスクユニオン→レコファンを廻り

途中“ステーキのくいしんぼ”で夕食

この店は昔からのお気に入りだ

私の住んでる町は学生が多いので

ライスのお代わり自由のこの店には

いつも食べ盛りの高校生がたくさん居るのだ

彼らを眺めているだけでも目の保養になる


それにしても私の様なオカマは珍しい

何でファッションに興味がないのだろう

駅前の丸井やマルキューなどもっと頻繁に覗くべきなのだが

全く足が向かないのである

お洋服はサイズがないからニッセンでも良いけど

せめてアクセサリーとかバッグとか化粧品とか

見るべきものはたくさんあるのに

ホント変わっている

服とか買うお金があれば新しいパソコンの購入を検討する

あ～やだやだ

ところで今日買った演歌のＣＤ

ホントに欲しかったの？

優先席で

昨日の出勤時

新宿から総武線に乗り換えて

運良く座席に腰掛けられたので

ヘッドフォンから流れる懐メロを聴いていた

優先席だったのだが周囲にお年寄りや

具合の悪そうな人も居なさそうだったので

すんなりそのまま腰掛けていた


右隣にはうつらうつらしている女性

もう片方には足を組んでいる中年サラリーマン

電車の揺れに応じて右隣の女性の身体がこちらにぶつかる

かなり疲れているのだろう

もし私の肩に彼女の頭が乗っても我慢しよう

そんな気持ちで目を閉じて音楽を聴いていた


途中の駅で左隣の男性が座席を立った

私のおしりが彼のジャケットの上に乗っていたようで

さりげなくジャケットを引き抜く彼

ゴメンナサイと謝ろうと目を開けたら

とっくに彼は電車から下りていた


男性が腰掛けていた場所にすかさずスライド

左右に大きく揺れてる右隣の女性から逃れる事に成功

この後真ん中に腰掛ける人はちょっと可哀想かも…


相変わらず私は目を閉じて音楽に耳を傾けていた

阿佐ヶ谷あたりで誰かが隣に腰掛けた

たまに乱暴に座席に腰を落とす人が居て

安眠を妨げられる事もあるが

隣に配慮した座り方だったので

てっきり女性だと思っていた


荻窪を出た辺りで隣で何か言い争いが聞こえて来た

男性の声で何か注意している感じだ

イヤフォンをしていても聞こえてくるので

周囲には気付かれていたかもしれない

さり気なく薄目を開けて目の前の人を見ると

やはり私の隣で起きているらしい諍いに注目している


私の隣に腰掛けたのは初老の男性だった

さきほどからうつらうつらしていた女性に注意しているのだ

「此処はシルバーシートで若者が座る処じゃないんだよ

　それとも妊娠しているのか？」

妊婦はこの席に優先的に腰掛けられるからだ

女性は何か反論しているが聞き取れない

もしかしたら逆切れしたのかも

おじいさんはムッとして更に何か彼女に言っている

その口調はやや厳しくなっている

“やだわ、私もこの優先席に腰掛けるには不合格かも

　こちらにもとばっちりが来るかしら？”


電車は終点に着いた

女性とおじいさんはバトルのフィナーレに

お互い捨てぜりふを吐いて席を立ったようだ

私はタヌキ寝入りしていたが

辺りに誰も居なくなったのを見計らって電車を下りた


よくケータイを注意するオジサンは見かけるが

優先席に腰掛けた若い女性に注意する人は初めてだ

私もこれからは気を付けようっと

早く値下げして

昨日はやはり店が臨時休業となった

週の真ん中で休みがあるととても嬉しい

外は雨なので何処かへ遊びに行く事も出来ないが

元々インドア派なので休みを家で過ごす事に

全く抵抗はない

むしろ家でボーっとしている方が

私にとっては何よりの薬なのだ


テレビでバラエティ番組を見ながら

時折天気予報をチェックする

いつもなら、そろそろ営業開始の時間だ

既に台風は熱帯低気圧に変わっているが

雨風はまだまだ強い地域もあると言う

いつもは飲み歩く人たちも

きっと早めに帰宅した事だろう


夜９時前に近所のサミットへ買出しに出かけた

冷蔵庫に何かあったと思うのだが

ご飯を炊くのが面倒だったのだ

外は雨が小降りで多少風がある

傘を差しても横から霧吹きされたような状態だ

こんな日に外出する事ほど嫌な事はない


サミットのお惣菜コーナーは

従業員のオジサンが時間の経ったパックに

値下げシールを貼るところだった

キャ～！ラッキ～！！

オジサン、こっちこっち

このお寿司にも早く貼ってェ～

１２貫ほど握りが入ったパックに私の目は釘付けだ

しかしオジサンは中々そちらに来ない

揚げ物やてんぷらを真っ先に値下げしているのだ

そちらも買うけど先ずはこの御寿司よ


よく見ると端の方の２パックだけ半額シールが貼ってある

黄色いシールに“夕方４時に作りました”と書いてある

既に５時間経過したそれは

まぐろの色がすっかり紫がかっている

その横には“夕方５時に…”“夕方６時に…”

のシールが貼られた商品がかなり売れ残っているのだ

オジサンがこっちにやって来た

待ってましたと擦り寄ると

隣の刺身コーナーへ行ってしまった

「まったくフェイントかけやがって

　何時まで焦らすつもりなの

　もう９時半よ」

私と一緒に寿司が値下がりするのを待っていた中年男性も

ガッカリして何処かへ行ってしまった


もう私も限界だ

仕方ないから６時に作った寿司パックをカゴに入れて

レジへ向かったのだ

時々後ろを振り返りながら…

オジサンがこの間にもシール貼るかもしれないから


サミットを出てアパートへ帰る道すがら

焼肉屋の横を通ったら大きなガラス越しに見える店内はガラガラだ

さすがにこんな日は客足が悪かったようで

スタッフもいつもの元気がない

それでも窓際の若いカップルが楽しそうに肉をつついているのが見える

つい口をついて出たのが

「ごっめんなさ～い、どうせ私はスーパーの寿司よ」だった