熱い夜

昨夜は女王様がお友達のＫ嬢を伴って一番乗り

「ベイビー、今日は素敵なレディーを紹介するわ」
傍らのＫ嬢はキリッとした顔立ちの美人だ

聞くと駅前のショッピングセンターの婦人服店で働いていると言う

私もたまにそのフロアには足を踏み入れるが彼女が店長を勤める店を覗いた事がない

「アタシいつもすっぴんだしオヤジ丸出しだから中々敷居が高くて」

「あら今度是非声かけてよ～」

気さくなＫ嬢は何と私と同い歳だがとても若々しい

ノースリーブから伸びる腕は弛みもなく締まっている

「サーフィンとフラダンスが趣味なの」

なるほど一回り下に見えるのも頷ける


仕事や恋愛の話で盛り上がっている所へ女装家のＲさんが登場

オレンジのトップスが鮮やかだ

Ｋ嬢は彼女に興味を示し根掘り葉掘り質問攻めにしている

心優しいＲさんはデリケートな質問にも嫌な顔ひとつ見せず答えている


その後には酔っ払いのクマちゃんが焼鳥を土産に現れた

女王様には前回、熱烈な歓迎を受けたクマちゃん

昨日以前の事は自然に記憶が抹消されるらしく何も覚えていない

またまたこの夜もクマちゃんは女王様のハードな攻撃にタジタジだが

嫌いじゃないらしい

「この甲斐性なし！アタシの足でも揉みなっ！！」
力任せに女王様のふくらはぎをマッサージさせられているクマちゃん

「あいたた、そこじゃないわよ、この唐変木！！」


ロンドンに負けないくらい当店でも熱い戦いは明け方まで繰り広げられたのだった