サコ姐から久々に電話があった
「エドナちゃん、元気ィ~」
相変わらず間延びした喋り方だ
一昔前、志村けんと売れない年増の芸者コントをやっていた柄本明のよう
そう言えば風貌も似ている
サコ姐は地方専門のジプシーガマだ
ダンサーを目指してたらしくショータイム命で
長身を活かした華やかな舞にはウットリさせられる
齢60を越えてるだろうにキレもある
格好も、後ろから見れば学生の様だ
キャップを被り、夏はTシャツに短パン
勇気があるその出で立ちは
店以外では誰もが振り返るモノだった
一時期同じ店で働いていて、途中まで電車が一緒だった
格好も凄いが声も大きく
「オネエさん、もうちょっとボリューム下げて」と何度注意した事か…
ところで彼女は、都心以外のニューオープン店に鼻が利く
オカマネットワークを持っており
新しい店の情報はとても早い
今回の電話も2軒のオープン情報だった
「岡山なんだけどさァ、オカマが居ないのよォ
誰か行く人居ないかしらァ
飛行機代とか全部むこう持ちだから良いと思うのよォ」
「サコ姐は行かないの?」
「アタシはさァ、今の店が離してくれないのよォ」
彼女は小さな居酒屋風のオカマバーで働いている
ジプシーガマなので一つの店にしがみ付かないタイプなのに
今回は長続きしている
「じゃあ誰かに訊いてみるわね」
「あと、もう一軒あんのよォ」
100年に一回の不景気だとか言われているが
オカマの世界はまだまだ底ではないのかも…
サコ姐と言えばこんな事もあった
ある時にママを任されていた店で
後から割り込んできた性悪ガマにその座を奪われた
Nと言うそのオカマは
オーナーに取り入ってサコ姐の悪口を吹き込んだらしい
実力で敵わないのなら諦めもつくが
汚いやり方で人を陥れたNは最低だ
「全く油断も隙もありゃしない
あの女には色々良くしてやったのに…」
電話の向こうで悔しさと腹立たしさをを露にするサコ姐
「アタシもそろそろ隠居したいんだけどさァ
ダンナの稼ぎが悪くてねェ…」
最後にそう言って笑っていたが
まだまだオネエさん、引退なんて早いわよォ
「エドナちゃん、元気ィ~」
相変わらず間延びした喋り方だ
一昔前、志村けんと売れない年増の芸者コントをやっていた柄本明のよう
そう言えば風貌も似ている
サコ姐は地方専門のジプシーガマだ
ダンサーを目指してたらしくショータイム命で
長身を活かした華やかな舞にはウットリさせられる
齢60を越えてるだろうにキレもある
格好も、後ろから見れば学生の様だ
キャップを被り、夏はTシャツに短パン
勇気があるその出で立ちは
店以外では誰もが振り返るモノだった
一時期同じ店で働いていて、途中まで電車が一緒だった
格好も凄いが声も大きく
「オネエさん、もうちょっとボリューム下げて」と何度注意した事か…
ところで彼女は、都心以外のニューオープン店に鼻が利く
オカマネットワークを持っており
新しい店の情報はとても早い
今回の電話も2軒のオープン情報だった
「岡山なんだけどさァ、オカマが居ないのよォ
誰か行く人居ないかしらァ
飛行機代とか全部むこう持ちだから良いと思うのよォ」
「サコ姐は行かないの?」
「アタシはさァ、今の店が離してくれないのよォ」
彼女は小さな居酒屋風のオカマバーで働いている
ジプシーガマなので一つの店にしがみ付かないタイプなのに
今回は長続きしている
「じゃあ誰かに訊いてみるわね」
「あと、もう一軒あんのよォ」
100年に一回の不景気だとか言われているが
オカマの世界はまだまだ底ではないのかも…
サコ姐と言えばこんな事もあった
ある時にママを任されていた店で
後から割り込んできた性悪ガマにその座を奪われた
Nと言うそのオカマは
オーナーに取り入ってサコ姐の悪口を吹き込んだらしい
実力で敵わないのなら諦めもつくが
汚いやり方で人を陥れたNは最低だ
「全く油断も隙もありゃしない
あの女には色々良くしてやったのに…」
電話の向こうで悔しさと腹立たしさをを露にするサコ姐
「アタシもそろそろ隠居したいんだけどさァ
ダンナの稼ぎが悪くてねェ…」
最後にそう言って笑っていたが
まだまだオネエさん、引退なんて早いわよォ