リッスン・トゥ・ハー

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金字塔/中村一義

2008-07-17 | 若者的図鑑
ファーストアルバムが金字塔て!
ロックに衝撃与えとるがな!

ただのオタクですからね。当時の中村さんなんて、音楽オタクですよ。
宅録で、ちまちま、とってたのが金字塔!
でなんちゅうメロディか、まったく。天才か、ただの天才か。

どうしようもなく泣きたくなるアルバムです。
違いと、何にも変わらない部分と、絶妙に混ぜ合わせてあって隠されているものが露になったとき、いざ露になったときに爆発する音、響いてくるんです。

その後のアルバムとは、また100式でのバンドとは全く違う、別次元と言うほど違う、中村さんがまだ誰も届かない場所にいた頃の記念すべきアルバムです。

デビューシングル、犬と猫。

まいった、これはまいった。

スーパーボール/スパノバ

2008-07-16 | 若者的図鑑
もう何年も前ですけれどユニクロでバイトしてましてそのレジ上にモニターがあってスカイパーフェクトTVの音楽番組をガンガンに流してましてVIBEですかでたしかくるりの虹がヘビーローテーションで流れてたかなその頃ですが、スパノバのサーフィングが同じぐらい流れていました。なんかの番組のテーマソングだったのかな、あ、コイルも番組をもってて宅ロックだったかな、ライブ映像やら、スカイパーフェクトすげーとあの充実度はすごかった。

そんななかで妙に印象に残っているのがサーフィングです。
このアルバムに入っています。

この兄弟ユニットも宅録というか、自宅にスタジオを作って録音していると言う音楽好きです。宅録といえど、サーフィンは轟音でエモーショナル、きみがさーふぃんできるなんてしらなかった、と言いたいだけの弱々しい男の歌なんですが、轟音に乗せると切ない。
切なさが止まない。ひたすら単調なコーラスが詩を引き立てます。
秀曲。

さてサーフィング512mbデすぐに入れ替わるわたしのMP3プレーヤーに常に入れてます。
機会あれば一度お聞きあれ。いい曲ですよ。

「その12(3年B組編)」

2008-07-09 | リッスン・トゥ・ハー
「その12(3年B組編)」


土手。
らくだ中学に登校する生徒で渋滞している。自転車、徒歩、女子、男子、先生も生徒も混じり、それぞれおしゃべりで賑わいを見せる、まるでシンジュクのようであった。
そこに、長い髪をかき上げマグロが歩いてくる。土手にのぼり、空を見上げた。すぐに切れてしまいそうな飛行機雲が残っていた。
ふいにマグロは「3年B組-!」というプラカードを掲げた。すると、歩いていた生徒は「しゃちせんせー!」と叫んで押し寄せる、マグロを中心に波が四方から押し寄せてきた。
マグロはとぎきりの笑顔であった。自分を慕ってくれる生徒の多さに満足していた。
もういつ刺身にされてもかまわない、と感じた。
本能かもしれない。押し寄せる波に逆らわずに入り込んで、するすると泳ぎ、マグロはある生徒の、姓は西田、名は雛菊、の中に入り込み、マグロはその生徒、姓は西田、名は雛菊そのものになって、気づけばしゃちせんせーと叫ぶひとりであった。
雛菊は、大変現代的な風貌の14歳の女子であった。
マグロはとたんに漠然と不安になり、ひな、と呼ばれてもそれが自分だと気づかずにいた。何度も呼ばれ続けてから自分のことだと気づき、振り返ると、ある生徒が笑っていた。姓は中村、名はサイクルというやはり現代的な風貌の男子であった。ふたりは恋人らしかった。今は雛菊であるマグロは深いため息をつき、サイクルはそれを気にせずに手をとってマグロの唇を奪った。喧騒に紛れての行為だった。

こんな夢を見た080705

2008-07-07 | 若者的白夢
こんな夢を見た。老女、細長い顔で狐のような目をした、わたしは彼女を介護した。施設に帰る、と彼女は歩いていく。忘れ物(毛布)に気付き、車で届に行く。施設は山の上の方の病院、寺院の要素が強くあり、様々な宗教的な像、造りがわかる。その広大な駐車場の一角に車をとめて、病院に入る。すぐに老女は見つかるが、毛布を渡すと機嫌を損ねたのか、少し怒った顔をして走っていく。その理由をわたしは聞きたくて、追いかける。病院の中は入り組んでいて非常に広い、東京ドームで言うなら20個ほどだろうか、中庭があって、その向こう側はかすんでいるほど。キャンパスみたいなものだ、やはり教育施設となっているようで、医学を学ぶ学生諸君がいる。実習などしているのか。ある部屋では人間が一人は入れるぐらいの大きさのカプセルをのぞきこんでいる人、キョロキョロしながら老女を探す。ある部屋に入った気がする。入ろうとすると看護婦に止められる。「その部屋は入ってはいけません」もう一人の看護婦が言う「いや、別にかまわない」腕をつかまれ、機材を当てられガチャと何かされる。「はい、いいですよ」看護婦は言う。ドア(自動だった)が開く、2、3人中にいた人がわたしを見る。老女はいない。とたんに怖くなってくる。意味もなくわたしは逃出す。誰に追いかけられるわけでもなく、急いで外にでたが、車がどこにあるのは忘れてしまう。その施設がある地域の祭があるらしく、人は多く歩いている。お面が飾ってある。わたしは車を探す。後ろから歌う男が歩いてくる。なんとなく怖い。竹が切り倒されて作られたような道に出る。抜ける、その先にある駐車場にも車はない。駐車場の横にみぞこがある。疲れてふとそのみぞこを見下ろすと前回やってきた時に隠しておいた本やらパンフレットやらがある。そこでわたしは確か前回もここに来て車を探し本を隠した。ということを思い出す。目覚め(前回見た夢の中で行った事を、今見た夢の中で思い出した。つまりストーリーはつながっていて、わたしはみぞこを覗き込むまで前回の夢でそこに隠したと言う事を忘れていた)。

ジョナサンはかもめですか

2008-07-06 | 掌編~短編
 キュるるキュるると鳴いているかもめが空から一直線に落ちてきた。
 羽はもげ、力なくふらふらと落ちてきたのではなく、明らかな意図を持ってぐんぐんと勢いをつけて羽ばたき落ちてきた。今ぶつかればその鋭いくちばしによって致命傷は避けられそうになかった。
 かもめが落ちてくるそのちょうど下にいたのがジョナサンであった。

 ジョナサンは未亡人の機嫌をとりながらその未亡人の髪をセットしていた。
 ジョナサンは美容師だった。正確には美容師見習いだった。まだ髪を切ることは許されていない。先輩美容師が髪を切った後、その髪をセットする役割を担っていた。彼女は早く一人前の美容師になりたいものだと思いながら未亡人の髪にスプレーを吹きかけた。

 未亡人はいらいらとしていた。
 今日がはじめてのセットです、という美容師見習いの手際の悪さがいちいち癪に障った。あたくしはお得意様ですことよ、この美容院ももうダメねと感じていた。この晴れ渡った屋外で髪を切って欲しいという希望は叶えてくれるのはいいけれど、こんな見習いにやらせるようじゃ台無しじゃない、と腹の中で悪態をついた。それでも、口に出さなかったのは、自分に対する穏やかで美しいという評判を落としたくなかったからで、そのために未亡人はいらいらがたまりにたまっていた。未亡人は昨日のことを思い出す。
 あれは久しぶりに胸の躍るような夜だった。遡ること約12時間。

 紳士は未亡人の手を取って何かつぶやいた。
 なんとつぶやいたのか、興味のある方は直接未亡人に聞いてもらいたい。二人はパーティー会場を後にした。停まっていた馬車に乗る。馬がひひんと鳴いて、馬車は進みだす。適度にゆれる車内で未亡人は有頂天だった。

 馬車を操る男は客である二人を見てため息をついた。
 なんと素敵なふたりなのだろう。こんな風にパーティーに参加し、二人で抜け出し、どこかへ行きたいものだ。と感じた。馬に鞭を打ち速度を上げる。早く下ろしてしまいたかった。ふたりのこれからを思えば思うほど早く下ろさなければならないような気がした。馬は悲鳴を上げた。

 馬が上げた悲鳴を聞きつけたパン屋のおやじは「あのやろうまたやってやがる」とつぶやいた。
 パン屋のおやじは馬を愛していた。家族よりも自分よりもパンよりも馬を愛していた。馬を愛しているだけで生活ができるはずない、だからおやじは父親が築いたパン屋を継ぎ、パンをこねながら休日は馬を見にでかけた。馬車の男はいつもパーティ会場で客を受け、馬に鞭を入れる。それがいつもお決まりのコースであった。なんでもよかったのだ、あの男にかかれば自分以外のすべての幸福を呪っている、とパン屋のおやじは解釈した。性根の曲がった風貌をしているに違いない。おやじは馬車の男の顔を見たことがなかった。それでもあの馬の悲鳴を上げさせる元に対して深い憎しみを持っていた。殺意に近い憎しみだった。俺は馬のためなら命すら投げ出すことができる戦士だ、とおやじは年甲斐もなく鏡を見ながらつぶやく。上半身は裸で、たるんだ肉体をそれでも引き締めて鏡に映る。強そうな気がした、その自分が好きだった。馬がまた悲鳴を上げる。いつか、いつか仇を取ってやるからな、待っていろよ、とおやじはつぶやいたとき、客が来て愛想の良い顔をしなければならなかった。うまくいかなかった。ただでさえ無愛想だという評判なのに、その評判をなんとしても覆したかった。

 パンが嫌いなのにパンを買わなければならない。
 頼まれたのだから仕方がないそのうえ、おやじは無愛想だときた、すくわれない、そう思いながらジョナサンはパンを買った。それも仕事の内だから、と店長に言われた。見習であるわたしに逆らう事などできるわけがない、そう考えた。奴隷か、見習であれば言うとおりに動き、なんでもしますの姿勢を崩さない奴隷か、と考えた。
 そう考えているにちがいない客を憎らしく想った。こんな客はぞんざいに扱って言いにちがいない神様はそうおっしゃっているのだ。

 神様は首をひねる。
 確かに見習を奴隷だと考えている客ではある。だからと言ってジョナサンのその短絡的な考え方が気に入らなかった。それを受け入れてぞんざいに扱ってよい事になったら、怒られるのはわたしだからな、とひとりごとをつぶやいた。
 つぶやいた、その時に唾が一滴垂れた。
 ほんの一滴であったが、地球規模からすれば大きな一滴で、大きな塊として隕石のように、地球に向ってきた。約12時間が経過し、地球に到達し、その速度のままで降り注いだ。

 運悪く飛んでいたかもめにあたる。
 かもめはたまらず気絶、それはほんの一瞬で次の瞬間には、神の意思を受け継いだ鳥として落下した。下にいるのはジョナサンで、つまり神が与えた審判であった。

ベアハグ/アポロチーム

2008-07-03 | 若者的図鑑
アポロチーム、男3割女7割のツインボーカル。

癖のあるソングライティングをしよるわい。
ナンバーガールなんかともよく競演してたみたいですね。

決して上手くない女性ボーカルがたいへん生々しいんです。
息づかいやら、声の質、張り上げる時のかすれ具合となんか
いや、上手くないからこそ、アポロチームとしての存在感を醸したのであります。

アルバムを聞きますと、当時ナンバーガールスーパーカーくるりが巨大な勢力の台風としてがんがんに進み始めた頃の、アポロチームここにあり!的な存在感を感じます。
それはほんの少しの差でした。ユーチューブでも見れますね、サマーソニックのステージすごい3ピースバンドだ。

とりあえずのポイント、男のボーカルはめがね。

現在の消息知れず。音楽業界!

ワルツ

2008-07-03 | 若者的詩作
ため息で答える君は雨降りの街に立っている
雨音の調べに合わせてどこかの誰かを想う

街並みちょっぴり壊して
濁った水たまり跳び越えて
そばにいて、と言えたなら

悲しみを隠して僕は雨降りの街に立っている
雨音の調べに合わせてとびきり陽気に歌う

指先伸ばしたら触れそうさ
なんとなく黙ってしまうんだ
そばにいて、と言えたなら

届くかな、届かないんだろうな、うかない笑顔の君は
雨音の調べに合わせてかすかなステップを踏んでいる

その11(参観日編)

2008-07-03 | リッスン・トゥ・ハー
その11(参観日編)

最初からざわついていた。参観日というものはそういうものだから。
あれは三並くんのお母さんで、あのパーマは吉田くんのお母さんで、おばあちゃんがいるで。と授業が始まっても、収まることのないざわつきはあった。
授業が始まり、ようやく落ち着いた頃、教室の扉は乱暴に開けられ、マグロが入ってきた完全なる我が物顔だった。
マグロは他のお母さんと同じく煌びやかに着飾っていた。これは鱗のきらきらか、貴金属類のきらきらか判断しかねた。
当然、騒然となった。
マグロの子供はいないはず、まるで魔女狩りのようにひそひそと子供たちは耳打ちをした。誰のお母さんでもなかった。
しかし、マグロは前の方を見てしきりにうなづいていた。自分の子供が振り向いて、かあさんおれやるよ、とつぶやいているのを聞いているかのように。当然そんな子はいない。
教師は立派であった、時価にして300万はするであろう立派な黒マグロの出現に対しても動じず、予定通り授業をすすめたのだから。
しばらくしてマグロは飽いたのか、身体をゆすり始めた。また騒がしくなる。
ゆらゆらと揺れてマグロは掃除用具が入っているロッカーをあけて、そこに入っている柄の長い箒を取り出し跨った。あいている窓に向かって走り、誰もがまさかとは思ったが、マグロは飛んだ。飛び方を忘れていた魔女みたいにぎこちなくとんだ。
全く動じずに、マグロに全く触れずに授業を進めた教師は立派であった。

リッスン・トゥ・ハー

2008-07-01 | リッスン・トゥ・ハー
時々俺は夜中に目が覚めると、自分ひとりしかいなくてみんなほんとは幻で、心地よい夢を見ていただけなんじゃないかって思う時がある、みんなもそんなことある?ないか、やっぱ俺天才だからそういうナイーブな部分ての、持ってるんだよね必然的に、ああ、辛いわあ、そんな心境死ぬまでわからんだろうさあ愚民どもよ聞くがよいぐわはははははははリッスン・トゥ・ハー