リッスン・トゥ・ハー

春子の日記はこちら

ベアハグ/アポロチーム

2008-07-03 | 若者的図鑑
アポロチーム、男3割女7割のツインボーカル。

癖のあるソングライティングをしよるわい。
ナンバーガールなんかともよく競演してたみたいですね。

決して上手くない女性ボーカルがたいへん生々しいんです。
息づかいやら、声の質、張り上げる時のかすれ具合となんか
いや、上手くないからこそ、アポロチームとしての存在感を醸したのであります。

アルバムを聞きますと、当時ナンバーガールスーパーカーくるりが巨大な勢力の台風としてがんがんに進み始めた頃の、アポロチームここにあり!的な存在感を感じます。
それはほんの少しの差でした。ユーチューブでも見れますね、サマーソニックのステージすごい3ピースバンドだ。

とりあえずのポイント、男のボーカルはめがね。

現在の消息知れず。音楽業界!

ワルツ

2008-07-03 | 若者的詩作
ため息で答える君は雨降りの街に立っている
雨音の調べに合わせてどこかの誰かを想う

街並みちょっぴり壊して
濁った水たまり跳び越えて
そばにいて、と言えたなら

悲しみを隠して僕は雨降りの街に立っている
雨音の調べに合わせてとびきり陽気に歌う

指先伸ばしたら触れそうさ
なんとなく黙ってしまうんだ
そばにいて、と言えたなら

届くかな、届かないんだろうな、うかない笑顔の君は
雨音の調べに合わせてかすかなステップを踏んでいる

その11(参観日編)

2008-07-03 | リッスン・トゥ・ハー
その11(参観日編)

最初からざわついていた。参観日というものはそういうものだから。
あれは三並くんのお母さんで、あのパーマは吉田くんのお母さんで、おばあちゃんがいるで。と授業が始まっても、収まることのないざわつきはあった。
授業が始まり、ようやく落ち着いた頃、教室の扉は乱暴に開けられ、マグロが入ってきた完全なる我が物顔だった。
マグロは他のお母さんと同じく煌びやかに着飾っていた。これは鱗のきらきらか、貴金属類のきらきらか判断しかねた。
当然、騒然となった。
マグロの子供はいないはず、まるで魔女狩りのようにひそひそと子供たちは耳打ちをした。誰のお母さんでもなかった。
しかし、マグロは前の方を見てしきりにうなづいていた。自分の子供が振り向いて、かあさんおれやるよ、とつぶやいているのを聞いているかのように。当然そんな子はいない。
教師は立派であった、時価にして300万はするであろう立派な黒マグロの出現に対しても動じず、予定通り授業をすすめたのだから。
しばらくしてマグロは飽いたのか、身体をゆすり始めた。また騒がしくなる。
ゆらゆらと揺れてマグロは掃除用具が入っているロッカーをあけて、そこに入っている柄の長い箒を取り出し跨った。あいている窓に向かって走り、誰もがまさかとは思ったが、マグロは飛んだ。飛び方を忘れていた魔女みたいにぎこちなくとんだ。
全く動じずに、マグロに全く触れずに授業を進めた教師は立派であった。