夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

日本の平和度指数が世界第3位だって

2010年06月28日 | 政治問題
 確かに日本は平和である。と言うか、平和ぼけしている。だからすぐ隣に怖い国々が控えているのにも拘わらず、相変わらず脳天気である。そして近隣諸国の事もよく知らない。だいぶ前にビルマがミャンマーと国名を変えた。日本は最後まで「ビルマ」を使っていた。それを新聞が、よその国ではとっくの昔にミャンマーに変えているのに、日本だけ遅れている、と非難するような書き方をした。そして一斉に「ミャンマー」になった。
 ところが、そのミャンマーは民主主義などくそ食らえの独裁軍事政権だった。「ミャンマー」の国号はその独裁軍事政権が名乗った名前だったのだ。つまり、日本のマスコミはその独裁軍事政権を公認し、その肩を持ったのだった。アウンサン・スーチーさんが軟禁状態に置かれているのを知っていながら。
 そうした日本が世界第3位の平和国家だと言うのである。犯罪率が低い事と、防衛費の占める割合が国内総生産の1%にも満たない事が評価されたのだと言う。では、犯罪率は置くとして、日本と総人口がほぼ同じで、国内総生産が10倍もある国がその1%にも満たない軍事費だったら、やはり平和度が高いと言うのだろうか。軍事費の絶対額は日本の10倍もあると言うのに。

 アメリカが85位で、「ああ戦時国家なのだと改めて思う」と読売新聞の「編集手帳」は書いている。以下はその要約である。

 アメリカはテロ組織の根絶を図ってアフガニスタン戦争に突入している。その戦争をオバマ大統領は「必要な戦争、正しい戦争」と位置づけ、兵力を10万人に増強した。その戦いが思うようにいかない。戦死者は千人を越し、ベトナム戦争を上回る最も長い戦争になった。
 政権批判の発言をした駐留米軍司令官を解任した。「平和は犠牲を伴う」という大統領の言葉が重く響く。

 流れで読むと、司令官の政権批判はアフガン戦争に対する批判で、解任されたと言うからには、その戦争が無意味である、と言ったと思われる。それが何で、「平和は犠牲を伴う」と言う大統領の言葉と関係があるのだろうか。
 平和は犠牲を伴う、との言い方は、尊い犠牲があって、やっと戦争が終わり、平和になった、と言う事だと思う。つまり、アフガン戦争での千人以上の戦死者と言う犠牲があって、戦争が終結した場合には、そう言える。しかしまだ戦争は続行している。更には兵力を増強している。だからこの先犠牲者が何人増えるか分からない。
 それなのに「平和は犠牲を伴う」と言えるのか。そんな言葉が何で「重く響く」のか。私は編集手帳氏の言っている事が全く分からない。