夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

日航の再建。まだそんな事言っているのか

2009年09月21日 | 社会問題
 日航つまりJALが再建に苦しんでいる。航空業界のグループを越えて、デルタ航空に提携を呼び掛けた。しかし再建はもっとずっと前から目指されていた。2年前の07年1月に既にJALの再建策が問題になっている。新聞の見出しには「リストラ〈不十分〉の声」とある。その記事には「JALは05~06年に相次いだ安全トラブルなどで、06年9月中間連結決算で航空事業が34億円の赤字となった。07年3月期は資産の切り売りなどで30億円の最終黒字を確保する見込みだが、安定的に黒字を出す体質にはほど遠い」とある。
 そこで、人員削減、不採算路線の廃止、子会社約15社の再編、などが盛り込まれ、数百億円のコスト減を目指した。
 しかし国交省はそれでは足りない、人員削減は5千~6千人は必要だ、との意見も出している。主力銀行からは「最後は国に頼るという意識があるなど、民営化以前の意識が抜けていない」と批判もされた。
 結局、2年半も経ってまだ、そのリストラが出来ていない事が明白となった。

 リストラでは機長職などの給与の引き下げが出来ない事も問題視されていた。一般職は簡単に解雇出来るし、給与も下げられるのに対して、機長は人材がいない事もあって、現状のままなのである。確かに、腕の悪い機長では困る。しかし、替えが無いからと、野放図な厚遇を与えていた事は無いのか。
 民営化した国鉄が大きな黒字を出しているのに、なぜ民営化したJALはそれが出来ないのか。そこには小学生も老人も乗らなければならない鉄道と、そうではない航空機の性格の違いがあるだろう。JRは客が一般庶民だから真剣になれた、と言うか、それだから、簡単に金儲けが出来た。しかしJALはそれが出来なかった。それだけの違いだろうと私は思っている。
 以前の事を覚えていない人にとっては、そうかJALが経営が苦しいのか、で済んでしまうが、マスコミはそうであってはならない。なぜ2年以上も前からの問題がいまだに解決出来ていないのかをきちんと追及すべきである。

 大体、公共の交通機関などを民営化するのがおかしい、と私は思っている。庶民の足なんだから、それは当然に国が守って当然ではないか。民営化などするから、不採算路線だからと言って、安易に廃止してしまう事が出来ている。庶民の足に採算などは無関係なのである。健康の面で靴が重要である事は誰もが知っている。安かろう悪かろうでは駄目なのだ。生活が苦しいから裸足でいなさい、などとは誰もが思わない。
 それなのに、足である公共交通機関は、裸足になりなさい、靴は安全よりも見た目や対経済効果を重視しなさい、などと無責任に安易に言うのである。国民に必要な足は赤字でも、それは国が補助すべきである。国の政策とはそうした事ではないのか。