芋焼酎が好きなので、初めての銘柄だが、買ってみた。そこそこ旨い。で、ある日つくづくとパッケージを見た。すると何とそこには、芋焼酎が50%、残りの50%は甲類の焼酎だとあるではないか。
甲類とはあの酎ハイに使う焼酎の事だ。私は滅多に甲類は飲まない。甲類などと名前だけは一人前だが、無味無臭の、いわばアルコールを水で薄めただけの物だ。原料用アルコールとか、醸造用アルコールとかもっともらしい名前で呼んでいるが、医療用アルコールにも使われていると言う。
結局は様々な酒を薄める、あるいは何倍にも増やすための材料である。無味のアルコールで薄めるのだから、当然に味付けが必要になる。日本酒なら、糖類とか酸味料で味付けがしてある。私の買った芋焼酎にはそうした物が入っているとの表示は無い。日本酒も焼酎も、味付け無しで薄める事が出来ているのは、元々の酒の味が濃厚だからだろう。薄めても旨いと言うのだから、元々の原酒の旨さは計り知れない事になる。
でもパッケージをよくよく眺めてみても、大きく書いてあるのは「芋焼酎」の文字。一番下に「焼酎乙類甲類混和」とあるが、小さい上にそれが水増しだと分かる人は多分、数少ないはずだ。大体、甲類、乙類の違いがある事も、それがどのような違いなのかを知る人も少ない。
そしてラベルの言う事が振るっている。「芋焼酎をベースに焼酎甲類をブレンドすることによって、まろやかでふくよかな旨味のある味に仕上げてあります」。
なるほど、言葉とは便利な物だと思う。薄める事を「まろやかにする」と言うのだ。ブランドはある城の名前である。そう言えば、同じ城の名前の日本酒もある。幾つも同じ名前のある「鬼殺し」と言う日本酒だ。これだけでは銘柄は特定出来ないので、商売の邪魔にはならないはずだ。
まあね、おいしい味を作り出すのだから、純粋だとか偽物だとか言っている場合ではないのかも知れないが、こうした事に慣れてしまうと、次には甲類焼酎だけで、様々に味付けした乙類焼酎まがいが出て来るかも知れない。それは日本酒とて同じだ。純米酒など、臭食らえ、とでも言うかのように、醸造用アルコールを主体にして様々に味付けした酒が堂々と出回るかも知れない。
現に第三のビールがそうなのではないのか。私は発泡酒よりも第三のビールの方が旨いと感じてしまう。第三のビールは発泡酒に大麦で作ったアルコールを入れてある。
そして安いアルコールを主体にする事で、酒造メーカーは大もうけをする事が出来る。そうした事をさせないためにも、我々は本物を追求する事をやめてはいけないだろう。
骨董の世界では、常に本物だけを見ていれば、偽物は簡単に分かると言う。酒も食べ物も同じはずだ。いつも本物だけを飲み、食べていれば、容易に偽物が分かるだろう。
今日本では、政治も裁判もどうも偽物だらけになっている。偽物の中で育ってしまっているから、今更、本物と偽物の区別は付かないのだと思う。だからこそ、せめて自分で選べる物だけでも本物志向と行こうではないか。
とは言っても、甲類焼酎が駄目だなどとは言っていない。純粋と言う点では甲類とて立派な酒である。それに梅酒とか果実酒を作るには甲類が無ければどうにもならない。ブランデーで作る人も居るが、果実の味を生かすにはやはり無味無臭の甲類でなければ。
もしもこうした偽物がこれからの食品の主流になるのだとしたら、魚や肉もどんどんそうした方法で旨くて安い物を作るべきだろう。そうすれば、食べるために牛や豚を育てると言う事をしなくて済む。もしかしたら、酒だから我々を騙す事が出来ているのかも知れない。酒って、自分自身を騙すために飲んでいるようなものだものね。少なくとも私はそうである。
甲類とはあの酎ハイに使う焼酎の事だ。私は滅多に甲類は飲まない。甲類などと名前だけは一人前だが、無味無臭の、いわばアルコールを水で薄めただけの物だ。原料用アルコールとか、醸造用アルコールとかもっともらしい名前で呼んでいるが、医療用アルコールにも使われていると言う。
結局は様々な酒を薄める、あるいは何倍にも増やすための材料である。無味のアルコールで薄めるのだから、当然に味付けが必要になる。日本酒なら、糖類とか酸味料で味付けがしてある。私の買った芋焼酎にはそうした物が入っているとの表示は無い。日本酒も焼酎も、味付け無しで薄める事が出来ているのは、元々の酒の味が濃厚だからだろう。薄めても旨いと言うのだから、元々の原酒の旨さは計り知れない事になる。
でもパッケージをよくよく眺めてみても、大きく書いてあるのは「芋焼酎」の文字。一番下に「焼酎乙類甲類混和」とあるが、小さい上にそれが水増しだと分かる人は多分、数少ないはずだ。大体、甲類、乙類の違いがある事も、それがどのような違いなのかを知る人も少ない。
そしてラベルの言う事が振るっている。「芋焼酎をベースに焼酎甲類をブレンドすることによって、まろやかでふくよかな旨味のある味に仕上げてあります」。
なるほど、言葉とは便利な物だと思う。薄める事を「まろやかにする」と言うのだ。ブランドはある城の名前である。そう言えば、同じ城の名前の日本酒もある。幾つも同じ名前のある「鬼殺し」と言う日本酒だ。これだけでは銘柄は特定出来ないので、商売の邪魔にはならないはずだ。
まあね、おいしい味を作り出すのだから、純粋だとか偽物だとか言っている場合ではないのかも知れないが、こうした事に慣れてしまうと、次には甲類焼酎だけで、様々に味付けした乙類焼酎まがいが出て来るかも知れない。それは日本酒とて同じだ。純米酒など、臭食らえ、とでも言うかのように、醸造用アルコールを主体にして様々に味付けした酒が堂々と出回るかも知れない。
現に第三のビールがそうなのではないのか。私は発泡酒よりも第三のビールの方が旨いと感じてしまう。第三のビールは発泡酒に大麦で作ったアルコールを入れてある。
そして安いアルコールを主体にする事で、酒造メーカーは大もうけをする事が出来る。そうした事をさせないためにも、我々は本物を追求する事をやめてはいけないだろう。
骨董の世界では、常に本物だけを見ていれば、偽物は簡単に分かると言う。酒も食べ物も同じはずだ。いつも本物だけを飲み、食べていれば、容易に偽物が分かるだろう。
今日本では、政治も裁判もどうも偽物だらけになっている。偽物の中で育ってしまっているから、今更、本物と偽物の区別は付かないのだと思う。だからこそ、せめて自分で選べる物だけでも本物志向と行こうではないか。
とは言っても、甲類焼酎が駄目だなどとは言っていない。純粋と言う点では甲類とて立派な酒である。それに梅酒とか果実酒を作るには甲類が無ければどうにもならない。ブランデーで作る人も居るが、果実の味を生かすにはやはり無味無臭の甲類でなければ。
もしもこうした偽物がこれからの食品の主流になるのだとしたら、魚や肉もどんどんそうした方法で旨くて安い物を作るべきだろう。そうすれば、食べるために牛や豚を育てると言う事をしなくて済む。もしかしたら、酒だから我々を騙す事が出来ているのかも知れない。酒って、自分自身を騙すために飲んでいるようなものだものね。少なくとも私はそうである。