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ハイ・ミスというのはたいへん、生きにくい。
第一、どこを見てたらいいか、わからない。
やたらなとこを見ていて、偶然その先に男がいたりすると、その男はすぐさま、
「アッ、オレに気があるのか?!」
という顔をする。その男ばかりでなく、周囲もそう思う。
全然、誰にも視線を合わさないようにしていると、
「おたかくとまってる。だから貰い手がないのだ」という。
愛想よくニコヤカにしようものなら、
「男狂いだ」というし、
キッと顔を引き締めれば、
「ヒステリーだ」というのだ。
どないせえ、いうねん。
田辺聖子の「愛してよろしいですか?」は、出だしから笑える。悲しいかな。
夜中に読む本は、よくよく選ばないと、よけい目が冴えるという事態に。
田辺さんの本は、30年以上前に書かれたものでも、まるで古さを感じさせない。
当時、こんなに生き生きと暮らすハイ・ミスがいたという事に驚くし、
職場でオバハンよばわりされながらも、自分を曲げず、海外旅行を楽しんだり、
美味しいものを食べたり、恋愛にゆれる姿には共感の嵐、大変勇気づけられる。
因みに、田辺さんご自身も晩婚で、とても興味深い人生を送ってらっしゃる。
38歳まで独身で、母親と二人暮らしだったのが、妻に先立たれた医師と再婚、
突然4人の子の母となり、両親、義弟、義妹という大所帯に入る事になり、
毎朝早起きして子供を送りだし、執筆もし、全員の夕食を作っていたという。
その後の人生もまた、すごい。浪速のマリア様。
エッセイの方も色々と考えさせられ、目が冴えてくるので、昼間にどうぞ。