なんくる、なくない?

浪花節だよ、人生は。

嘘つきアーニャと真っ赤な真実

2012-11-13 23:15:59 | 

今日一日かけて、一気に読破。
今日一日で、いろんな感情が押し寄せた。
読み終えた今、ただただ涙が溢れてくる。

うまいこと言おうとするときっと失敗するから、本の解説はしたくない。
でもどうにも眠れなくて、こうして書いてる。

最初は、絵本かと思った。でも何とノンフィクション。
何でこんなに評価が高いのか不思議だったけど、想像も出来なかった真実。
中学生くらいで読んでたら、どんなに刺激を受けるだろう。
今からでもぜひ読んでほしい。想像力を育てるには、知ることから始めよう。



嘘つきアーニャと真っ赤な真実

仕事をつくる 安藤忠雄

2012-09-04 17:52:33 | 

去年の3月、日本経済新聞朝刊に載った「私の履歴書」が本になった。

今までなんとなく、「安藤忠雄」に良いイメージがなかった。
でも、震災をまたいで書かれた本であること、
あの安藤忠雄の「仕事をつくる」方法とは?自然に興味が湧いた。

読んでいると、安藤さんの人間力に圧倒された。
建築を独学で学んだというのはやっぱり本当、それを成し遂げたパワーも、
70歳を超えた今なお衰えていない事が、その文章から強烈に感じとれる。
驚いたのは、パワーだけじゃない。とても謙虚な人だった。

本の中には、たくさんの著名人が登場する。まったく無名の頃から。
大阪の下町育ち、大学も出ておらず、コネもなく正に裸一貫の安藤さんが、
それらの人々と繋がっていったのは、安藤さんの人としての魅力がすべて。

誰かと出会うたびに何かを学び、一人一人との繋がりを大事に育てて、
「気力、集中力、目的意識、強い思い」を仕事に結集させることで、
また新たな仕事につながっていく。そうか、これが「仕事をつくる」って事。

でもその実、「連戦連敗」だという。
実際に負けた京都駅ビルの事も書いてある。そして素直に評価している。
負けても尚、何度でも挑戦する。建築家には、その覚悟が必要だという。

ほかにも、客員教授で招かれたイェール大学、ハーバードで刺激を受けた話、
MOMAや、ポンピドーの展覧会では事務所のスタッフだけで取り仕切った話、
それだけ聞けば自慢の様だけど、当時の気持ちが率直に書かれているから、
すごく近く感じられて、読んでいる方もドキドキワクワクしてくる。

安藤さんと言えば、大きい仕事ばかりのイメージがあるけれど、
植樹活動や、子供たちに向けた活動など、実に色んな活動をされている。
そこには、ボランティアという言葉はない。あるのは、ただ熱い思いだけ。

日本と、日本の子供たちの昔と今、未来への思いも、とても感銘を受けた。
力強く生きてきた人の叱咤激励は、日本の未来を温かく照らしてくれている。
こんなすごい人が、大阪人であることを誇りに思って、
大阪に住み続けてくれている。まだ大阪も捨てたもんじゃないな。
世界中の安藤建築を巡ってみたくなった。

それでも建てたい家 宮脇壇

2012-05-01 18:08:35 | 

壇と書いて“まゆみ”。住宅建築の神様、と言われる人らしい。

読書好きだという木曜日の先生が、毎回、オススメの本を紹介してくれる。

早速、アマゾンで中古本(34円)を取り寄せ、夢中になって読んだ。
そしたら今日、別の先生も、「ちょっと本の紹介を…」またも宮脇さんだった。

昨日もわざわざ心斎橋アセンスまでいって、建築関係の本を探してたのに、
建築とあまり関係なさそうな、宮脇さんの「旅を俗悪がいい」を買っちゃった。

宮脇さんの文章は面白い。今日の先生いわくは、全て読む価値があるらしい。
家を建てる人、もう建てちゃった人、建築に興味がある人、さほどでもない人、
どんな人でも楽しめると思うので、ぜひ読んで頂きたい。

しょっぱな驚かされたのは、外国では、男子は家のメンテナンス、家電の修理、
女子はインテリアコーディネーションの基礎を高校までにほとんど習っていて、

「フィンランドの小学生の建築の教科書なんか、国土と建築の様式、生活道具、
公営住宅、都会に住むことと田舎に住むことの違い、ギリシャの桂頭の様式、
図面の書き方読み方…なんていうのがみんな絵入りで書いてある・・・」

ううむ、すごい。でももしかして、一番大事な知識、教養かもしれない。
日本人よ、ヒップホップなんか踊ってる場合か?

宮脇さんは、小難しそうな事を軽快に、面白くわかりやすく教えてくれるし、
ちょっと辛辣な様でも、その豊富な経験に裏打ちされた見解は、
ナルホドナルホドと、納得せずにはいられない。もう目からうろこ。
でも「初期クレイムの爆発」なんか見てると、何故そうまでして住宅建築に
こだわるのかと不思議に思うけど、やっぱりそれは、愛なんだ。

では奥様方にちょっとだけ、ご参考に。
2X4は避けて、子供部屋は4畳まで、男に書斎はいらないそうですよ。

眠れぬ夜のお供は

2012-04-03 12:56:28 | 

ハイ・ミスというのはたいへん、生きにくい。
第一、どこを見てたらいいか、わからない。
やたらなとこを見ていて、偶然その先に男がいたりすると、その男はすぐさま、
「アッ、オレに気があるのか?!」
という顔をする。その男ばかりでなく、周囲もそう思う。
全然、誰にも視線を合わさないようにしていると、
「おたかくとまってる。だから貰い手がないのだ」という。
愛想よくニコヤカにしようものなら、
「男狂いだ」というし、
キッと顔を引き締めれば、
「ヒステリーだ」というのだ。
どないせえ、いうねん。


田辺聖子の「愛してよろしいですか?」は、出だしから笑える。悲しいかな。
夜中に読む本は、よくよく選ばないと、よけい目が冴えるという事態に。

田辺さんの本は、30年以上前に書かれたものでも、まるで古さを感じさせない。
当時、こんなに生き生きと暮らすハイ・ミスがいたという事に驚くし、
職場でオバハンよばわりされながらも、自分を曲げず、海外旅行を楽しんだり、
美味しいものを食べたり、恋愛にゆれる姿には共感の嵐、大変勇気づけられる。


因みに、田辺さんご自身も晩婚で、とても興味深い人生を送ってらっしゃる。
38歳まで独身で、母親と二人暮らしだったのが、妻に先立たれた医師と再婚、
突然4人の子の母となり、両親、義弟、義妹という大所帯に入る事になり、
毎朝早起きして子供を送りだし、執筆もし、全員の夕食を作っていたという。
その後の人生もまた、すごい。浪速のマリア様。

エッセイの方も色々と考えさせられ、目が冴えてくるので、昼間にどうぞ。



DIVE!!

2012-03-21 10:02:48 | 

毎日ヒマなので、本ばかり読んでいる。
読人と書いて、よみんちゅ。とは読まないよ。

最近のお気に入りは、「しゃべれどもしゃべれども」の佐藤多佳子と、
DIVE!!」「カラフル」の森絵都。
因みにこの3つは、どれも映画化されている。

佐藤多佳子の「黄色い目の魚」しかり、今読んでる「DIVE!!」しかり、
中高生が主役なんだけど、中高生が読むだけじゃもったいなすぎる。

森絵都ファンの私だけれど、「DIVE!!」だけはなんとなく敬遠してきた。
スポ根ものかと。爽やかで、泣けて、怒って、胸キュン(古)するやつねと。
でも、読みだしたら止まらない。夢にまで出てきた。
スポーツ全般苦手で、スポーツ観戦にも特に興味のない私が。

この本の面白さ、スゴさは、とても私には伝えられない。
まだの人は、とにかく、だまされたと思って読んでみてほしい。

因みに、映画の方はまだ見てないし、見る予定もない。怖すぎる。
知季はたぶん彼。じゃ飛沫は?要一は?・・・気になるけど、やめとこう。