近所の美容室に行く途中、「お茶だけでも」とナンパされた。
夕方5時半の出来事。いったい何年ぶりなのか、記憶も遡れない。
時間といい場所といい、ギョッとしたけど、わりと普通の青年に見えた。
もしかしたら、すぐそばの大学生かも。イヤ、そうであってほしい。
多少気分を良くして、足どりも軽く美容室にたどり着いたはいいが、
お兄さんが何やら、我が町の”アウトローっぷり”について語り出した。
ちなみにお兄さんは他府県出身で、今も他の町から通っている。
「すぐそこのドブ川で、じいさんがどざえもんで見つかったらしい」とか、
「そんな事はこの辺じゃ、珍しくもないらしい」とか、
「ついさっきも、何でかヘリコプターが回ってたし」とか、
「ホンマ、気をつけた方が良いで」とニヤニヤしながら言う人に、
「実はたった今、すぐそこでナンパされました」なんて言おうもんなら、
爆笑されるに違いない。だから言わずにおいた。
もしも生まれ変わるなら、もっとまともな町が良い