夫婦ゆとり旅が、夫婦ふとり旅
夫婦で時間がとれそうな数日間があるので、どんな予定も入れないで、東北か、九州かと、旅行を計画していたら、「阪急交通社」の「夫婦ゆとり旅 錦秋の東北」の新聞広告を見つけた。10月28日から31日の4日間。
一度は行ってみたい「奥入瀬渓谷(おいらせけいこく)」がコースに入っていた。
好きな場所に気ままに出かけ、温泉と海の幸の豪華な夜を楽しむのが私の旅行だ。だから、ツァー旅行は行きたいと思ったことがない。初めての経験だ。
経験しての収穫は、ツァー旅行でも、楽でゆったりの企画もあることを知ったことだ。忙しく観光地を回って、お風呂に入る時間もなく夕食。朝風呂にゆったりつかる時間もなく、慌ただしくホテルを後にするのがツァーだと思っていたからだ。
東北新幹線で盛岡へ。そこから四日間がバスの旅となる。
「ゆとり旅」と銘打つくらいだから、それは、ゆったりスケジュールだった。
初日こそ4時過ぎのチェックインだったが、二日目、三日目は3時台のチェックイン。体を休めてからゆっくり入浴。入浴後もゆっくりくつろいでからの夕食。食事は、最終日のホテルのバイキングは平凡だったが、他は大変おいしくて、山の幸がこんなに美味とは思いも寄らなかった。
食べ過ぎで、誰かが言っていた。
「夫婦ゆとり旅じゃない、夫婦ふとり旅だ」
きりたんぽとカニと牛ステーキ
初日「湯瀬温泉」のホテル。部屋や施設は安価なツァーでも使われそうな所だったが、料理はおいしかった。元々、きりたんぽは好きな食べ物ではなかったが、ここでは満足して食べた。焼いたきりたんぽ。鍋のきりたんぽ、すべておいしい。ここで出た牛ステーキはやわらかく、特筆に値するおいしさだった。カニや刺身は海浜近くのホテルには及ばないが、きのこ、野菜を使った山の幸料理も良かった。
二日目「浅虫温泉」」のホテル。部屋、施設はかなり良くなってほっとした。料理も良い。量も豊富で食べきれないくらい。別注文で頼んだ馬刺しが美味だった。
三日目「奥入瀬渓流」のホテルは、設備、部屋、お風呂など、すばらしい。奥入瀬川が裏庭の一部のようだった。ホテルの庭を散策するだけでも紅葉を充分味わえる。
問題は料理だ。バイキング形式で量も種類も豊富だが、ちょっとしたホテルなら、どこでも味わえる平凡な味。まずくはないが、もう一度おかわりを取って食べようというものはなかった。
囲炉裏で焼くきりたんぽ
八幡平(はちまんたい)で
山頂まで登った八幡平では、岩木山がよく見えた。
八甲田ロープウェイ
山頂が霞んでいる。この日、早朝は雨。ホテル出発時には陽が出てきたが、八甲田ロープウェイに乗車するとき、上を見ると濃い霧が出ていた。山頂が見えない。
山頂は、濃霧に覆われていた。霧で体が濡れるほど。10メートル先がやっと見える程度。ほとんどのツァー仲間は山頂駅の中で、映画「八甲田山」の撮影資料や放映されている映画を見ていた。私たち夫婦は寒い中、外に出た。映画の原作になった新田次郎の「八甲田山 死の彷徨」で描き出されている横の兵士の顔も見えない猛吹雪が、映画では全く表現できていないことに失望したものだが(映画は、観客に見せるものだから、自分以外が見えないシーンの連続は無理だろう)、この山頂の濃霧の方がすごい。
いよいよ奥入瀬渓谷だ
何百枚、いや、何千枚の写真を見てきただろうか。新緑の奥入瀬。紅葉の奥入瀬。雪の奥入瀬。
写真で想像すると、車から降り、かなりの距離を歩いて入っていくのかと思っていたら、車道と並行して奥入瀬川が流れていた。小一時間、遊歩道を歩いた。普通のツァーでは、バスから見るだけか、ほんの少しだけ歩くと聞いていたが、このツァーでは、写真を撮りながら、散歩する感覚で歩いた。
前日、八幡平を歩いていたから、この程度なら楽だ。行くまでは、「奥入瀬渓谷」を歩いたら「老いらく警告」が出るのではないか心配したが、筋肉痛を感じる前に温泉三昧で、体はリラックス。
ちいさな川が奥入瀬川に流れ込んでいる。小さな滝も多く、奥入瀬川の水量が増していく。主流は十和田湖からの水だ。枯れ落ち葉が多い。プロの写真では滅多にないシーンだ。
川の両側の紅葉。かなりの葉が枯れ落ちていて、山の見通しがよくなっていることもあり、バスからでも、滝や流れがよく見えた。
激しい流れと穏やかな流れが交互に見られ、飽きることのない、小一時間の散策だった。
下の写真のように、自動車道路のすぐ脇を奥入瀬川が流れ、散策の遊歩道もすぐ脇にある。写真で見る奥入瀬には、こんな画像はないので、驚きだった。
ホテルの紅葉
3日目のホテルは、すぐ裏に奥入瀬川が流れ、庭の紅葉が見事だった。
十和田湖
カルデラ湖特有の水のきれいな湖。日本で3番目に深い湖だそうだ。
十和田湖畔の乙女の像
高村光太郎作の「乙女の像」。顔は智恵子。体は別な女性モデル(17歳と聞いた)。
とても、乙女の裸像には見えない。「おとめの像でなく、ふとめの像だ」というのが分かる。像が実物大より大きいとしても、写真の妻の方がスマートに見える。像の写真も、頭を欠いてお尻を強調されているが、わざと、そうしたわけではない。
展望台からの十和田湖
青森のりんご
青森といえばりんご。少し寂しい実りだが、記念に撮影。
バスツァーの出発・終着駅「盛岡」
東京・盛岡間の行き帰りは新幹線グリーン車。バスの漆館akemiさんの名ガイドで、この旅が、とてつもなく楽しいものになった。ゆったりのんびり、笑いの絶えない旅行が終わった。また会いたい。ツァーで知り合った人たちとも!
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