草彅剛君の「公然わいせつ」事件については、私の周囲でも、依然、話題になっている。
草彅君に同情する意見ばかりだ。鳩山総務大臣のように、口汚く非難する意見は皆無だ。
近隣に迷惑をかけた。大人気なかった。だらしがない。それらは共通している。しかし、そんな例はいくらでも見ている。自分にも近い経験がある。みんながそう言った。私も別なブログに書いた。
そして、納得できない思いも共通している。
その要点は
1,「公然わいせつ」といっても、真夜中の公園だ。子供や未成年はいない(と思う)。人通りの多い道路、駅などでのストリーキングや女性の前で性器を露出したのではない。人に「性的興奮、又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する」のが「わいせつ罪」の定義だそうだ。全裸の男性を見たら、同性でも羞恥心を覚えるだろうし、不愉快でもあろう。しかし、真夜中の公園だ。見たくなければ目をそらせ、通り過ぎれば良い。わざわざ逮捕する必要があるだろうか。むしろ、泥酔で心身喪失状態なのだから、注意して保護すべきではないか。
2,全裸になった「公然わいせつ罪」で、なぜ家宅捜査が必要なのか。猥褻ビデオなどを持っていたのなら、「もっと他にもあるだろう」という家宅捜査も納得できるが、「裸・大声」で、家を調べる必要があるのだろうか。
3,釈放理由は「逃亡と証拠隠滅の恐れがない」だが、逃亡はともかく、どうやって証拠を隠滅するのだろうか。超が付く有名人だ。逃亡出来るわけがない。その理由だけで充分だ。
以上3点が、皆、共有する納得できない「こじつけ理由」だ。
確かに、「公然わいせつ罪」は成立するだろう。
「警官に、かなり抵抗したから逮捕されたんだろう」と言う人もいたが、警察発表でさえ「手足をばたつかせた」なのだから、酔いつぶれていて、子供の「いやいや」程度だったと推測する。抵抗したのなら、警察発表の決まり文句「抵抗して暴行してきた。危害を受ける可能性があった」となるだろう。
とにかく、公平さに欠ける扱いと、針小棒大の捜査方法と発表の仕方が問題なのだ。
マスコミも騒ぎ過ぎる。釈放されたとき、記者の一人が「みんなが心配してますよ」と声をかけていたが、それまでは、大きなニュース源として、喜び、張り切っていたくせに。
「公園で騒いでいる男がいる」という通報で駆けつけた警察官は、相手が芸能人だったので、すぐに覚醒剤を連想したのだろう。SMAPの一員だ。抜群の話題とニュース性で、待ちに待った大手柄と張り切っただろう。
酒の臭いで泥酔状態だと分かると思うが、保護するより前に
、身柄確保を考えた。すぐに家宅捜査の手続きに入る。無論、覚醒剤・麻薬の捜査だ。本人の薬物反応の結果を待たずに、家宅捜査が出来るということは、「こじつけ」で、警察がなんでも出来るとということだ。
建前は
「家宅捜査で、公然わいせつの常習性を捜査」などと発表していたようだが、外で裸になる癖は、なにを見つけたら分かるのだろうか?
家宅捜査は30分で終わり、押収物は無かったという。捜査直前か捜査開始後、直ぐに薬物反応が出なかったことを知らされ中止したのだろう。
最近の警察は、捜査のやりやすい事件への執着心が目立つ。過剰反応による捜査の行き過ぎ、弱者への不公平が目立つ。
それでいながら、桶川の女子大生ストーカー殺人、栃木の連れ回しリンチ殺人、坂本弁護士
の行方不明(オウムによる殺人)など、ちょっと思い出しただけでも、腰を上げなかった事件が列記できる。面倒な事件は、事件として扱わない。
ストーカー被害者など、保護を求めた人が殺される事件も多い。保護を求めた人には24時間の気配りが必要なのに、やらない。やれない。警察に訴えた直後に殺され、挙げ句、「落ち度は無かった」と言い訳する姿勢は「警察に保護を求めても筋違い」と言っているに等しい。
警察官による不祥事・犯罪をあげつらっても仕方ない。警察官も人の子だ。芸能人だって普通の人間だ。酒も飲み過ぎ、羽目も外すだろう。
「罪を作ろう」「罪人を生もう」が、昨今の警察の姿なのか?もっと悪質な犯罪。強制わいせつなどを見過ごすな。訴えには耳を傾け、まじめに本気で捜査してくれー!!!!