数日前、電波時計の電波マークが表示されているのに気づいた。
二ヶ月ほど前、時計の電池を交換して、日付・時刻を合わせるために受信のボタンを押し たのに時間が狂ったままだった。最初は時計の故障と思ったが、我が家の電波時計全てが、電波受信中のマークが消えていた。調べると、電波の発信所は、福島第一原発の近くで、保守職員が避難していること分かった。電波が発信されていないのは、その所為だった。その電波が復活していることに数日前、気がついたのだ。
しかし、原発事故が良い方向に向いている証ではないことがつらい。
原子力に頼らない現代生活が可能か?私など原始力がないから不安だ。
本も道具も、なにも持たず、タイムマシンで古代に行ったとしよう。古代人に、文明の利器を知らせようにも、作り方を教えられるだろうか。
「電気というのがあって、灯りとして使える。遠くの人と会話ができる。料理ができる。暖が取れる」
などと説明して
「それを作ってくれ」
と言われても、いったい、何が作れるだろうか?基本となる材料・部品だって作れない。
普段の生活では「餅は餅屋」と、専門家に依存している生活では、一般の人は万能を要求されないし、必要がない。
原子力発電は、原子力の専門家、時代の先端を行く科学者たちが万全を期して運用していると思っていた。
「原子力発電は安全だ」ということが大きなウソだとは知っていた。
「原子力発電は安い」。これも眉唾と思っていた。発電量に対して燃料費が格段に安いというだけで、建設・運用・地元対策費、そしてなにより使用済み燃料の廃棄・保存に巨額の費用が必要だからだ。
核処理最先端???のフランス・アレバ社でさえ、そんな技術は持ち合わせていない。安全な保存・保管・処分方法は、未来の技術に依存するというのが現実だそうだ。
古くなった発電所を廃炉にする費用は驚くほどの巨費だ。今回のような事故が起きれば想像を絶する国家予算並みの費用が必要になる。火力発電用の石油が有り余るほど買える。
先のアレバ社。その再処理工場では、大量の放射能放出が続いている。大気汚染も多いが、地下水の汚染は桁違いという情報もある。「ラ・ア ーグ使用済核燃料再処理工場」では、放射性廃棄物を『合法的』に大気や海洋に放出」しており、独立機関ACROが政府に調査を訴えている。フランス政府の対応は鈍い。このあたりはNHK・BS1「世界のドキュメンタリー・シリーズ放射性廃棄物はどこへ!終わらない悪夢」で、詳しく放送された。汚染水をパイプで沖合に放出するのは規制外、すなわち合法だということだ。
今回の事故で、東日本の残留放射能が心配されているが、ヨーロッパの放射能量の多さは、チェルノブイリの影響だけではないことを知った。
そんなアレバ社に汚染水処理を任せる頼りなさ。フランスの国内法通りに沖合数キロにパイプ流送するだけじゃないだうね。1トンの汚水処理に1~2億円かかると聞くと、原子力科学者も、原始の時代では、なにも作ることができない人が多いのだろうと思う。
現代文明を古代に紹介することができないだけではなく、私と同じように、狩猟ができない、石器・土器も作れない、衣服・住居も作れない、原始の落ちこぼれとなるのではないか。
私も木を利用する楽器。笛ぐらいは作れるだろう。弦楽器も、弦は羊の腸(ガット)が手に入ればなんとか可能だろうが、接着剤はどうする。「にかわ」って、どうしたら手に入るんだっけなどと迷うだろう。
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