私の経営するアパートに住んでいる娘さん。その部屋に一泊されたご両親。私や妻と挨拶を交わしてから車で出発。新潟小千谷への帰路につかれた。
「3年前の中越地震の時は、娘さんも一晩連絡が取れなくて、心配してましたよ。大変でしたよね」なんて話をしたばかりなのに、出発から5分後の地震。テレビを付けると、震源が中越だという。なんということだ。
長岡、柏崎が震度6強という。小千谷も相当なものだろうと思われた。
2004年10月23日の地震では、山古志村が全村避難となり、土砂や水に浸かる家屋が放映され、気の毒でならなかった。
義援隊を出すことになり、息子も参加した。
息子は役立たずだった。到着早々、怪我をした。却って、付き添いで送り返してくれる人の分、邪魔をしに行ったようなものだ。むろん、残念無念だった本人だが、送ってくれた人に「うちの息子は役立たずで‥‥‥」と言えば、「おやじのムスコは、とっくに役立たずだろう」と反論された。
翌年の年賀状で詠んだ狂歌(替え歌)が、まだ記憶に新しいのに、3年も満たずに、大地震。
今回の地震で、特に印象に残ったのは、柏崎原発の火災。変圧器の火災なのに、燃えるに任せている。ヘリからの画像でも、消火している様子がない。ホースは何本か見えるが、放水はしていない。だいたい、周辺に人が見えない。
「放射能漏れの危険を察知して、原発所員は逃げちゃったんじゃないだろうな」
周辺の住民に知らせる前に、逃げてしまった訳はないだろうけど、なぜ、自前の消防隊の活躍が見られないのだ。変圧器火災なら絶縁油が燃えているのだろう。水で消えないなら、化学消火剤があるだろう、と思って注目していたが、周辺で消火の努力をしている様子が、まったく見られないまま時間が過ぎていく。
逃げてはいなくても、怖くて近寄らないのかな。幹部は、なにをしてるんだ。昔の関東軍の幹部のように、自分たちは安全なところに避難しちゃったのかな?イライラして見ていた。
後の報道だと、「配管が壊れ、水が出なかった」そうだ。なんと、おそまつ!!!
「想定外の大きな揺れだった」と言い訳をしているが、大きな被害で、確かに倒壊した家屋が多い。しかし、木造家屋でも外見上は無事な建物がたくさんある。
原発の耐震性は、一般家屋がほぼ全滅状態でも、放射能漏れなど起こさない、そのぐらいは耐える構造だと思っていた。姉歯さんが、設計した訳じゃないだろうに。
以前、「原発は安全だ!」と言ってのけ、「反対する人が無知だ」と言わんばかりだった、当時の山東昭子科学技術庁長官。
「おい、おい、大丈夫かいな、この人」と思った。「こんな認識の人が、原子力行政のトップでいいのかい?」というのが当時の想いだった。
「原発は危険です。だから万全を期して、さまざまな安全策を講じています」ぐらい言うなら、まだ信頼できるのだが。もう一度、原発を語って貰いたいものだ。
原発は火力・水力発電よりコストが安いと思っている人がいる(その根拠は燃料が再利用できるかららしい)が、核燃料の保管、周辺自治体への援助・補償、環境保全等、直接発電に関わらない費用が莫大で、安全管理にも膨大な費用がかけられている。
それでも、「想定外」とおっしゃる。「安全」と確信が持てるようにするには、いったいどのくらいの費用がかかるのだろうか。当事者でも、見当が付かないのではないだろうか????