人生の勝ち組にコメントさせるな!
派遣社員の契約解除(契約不履行)が、まかり通っている。新卒の採用取り消しも「会社が苦しい時は当然だ」とばかりに行われている。労働契約の軽視が甚だしい。正社員の首切りも平然と行われているようだ。
一般に、社員として採用したり、される時、契約書は取り交わしていないので、「労働契約」の認識が薄い。社員として従事している人は、契約を結んでいることになる。労働条件が変わるときは、本人や労働組合の承諾を得る必要があるのに「社命だから仕方ない」と思っている人が多い。
まして、首切りは、切る必要のある合理的な理由がなければならない。「不景気だ」「赤字だ」は理由にならない。人員整理をしなければ会社の存続にかかわるほど経営が悪化したことに加え、それを回避するために、あらゆる努力をしたかどうかが問われている。必須条件となっているのだ。
企業は、派遣社員を、もっと気楽に解雇している。契約途中の契約破棄。
「企業も労働者も、派遣会社と契約を結んでいるのだから、派遣会社と話し合え」などと言う意見も聞いた。派遣元も派遣先も契約を結んでいるのだから、派遣会社は派遣先会社に異議を申し立てるべきなのに、請け負っている弱い立場だからか、契約不履行を言い出さない。労働者に押しつけて知らん顔だ。
経団連が、雇用確保を「努力目標」に後退させたが、会長が、数年前から、派遣・偽装請負などで雇用に関して悪名高いCA○○Nの出身だから、当然と言えば当然だ。
経済界が推し進めた派遣法改悪で、ほとんどの業種で派遣が可能になった。とってつけたような「3年後には正社員登用の道がある」かのような内容。それを偽装請負でごまかそうとした会社が○○NONだったことは記憶に新しい。
不景気になって
「簡単に首を切れる派遣社員が多くて助かった」と、多くの経営者が、派遣法に感謝していることだろう。好業績を、安い人件費で支えてきた派遣社員に感謝なんかしていない。
こんな状況の中、みのもんた氏が
「派遣とはそういうものだ。分かっているはずで、そんな選択をした者が悪い。自業自得」
という趣旨の発言をしたそうだ(怒り狂って友人が電話してきた)。
確かに、
「正社員より気楽で、働きたいとき働き、遊んだり旅行をしたりして、金が無くなりゃまた働く」
という人間もいる。しかし大多数の人は、仕方なく派遣社員として働いている。年齢や学歴の壁。技術・技能などが足りないので、スキルを磨いて正社員にして貰う目的で働いている人などが、はるかに多い。
派遣法があるから、満足できる収入で働く希望は、ますます狭まっている。
みの氏は、求人倍率は低くないと言い
「働くところがない、なんてうそだ」
などとも話したようだ。
仕事も収入も多く、成功者であり、勝ち組の典型である「みの」氏ような、弱者の気持ちも分からない奴に、世相のコメントをさせるな、と言いたい。「みのもんた」でなく「みのほどしらず(身のほど知らず)」と言われるようなことにならないと
は限らない。
それに引き替え、「報道ステーション」の古舘伊知郎氏が、
「解雇・契約破棄で、住居もなくなった労働者に、災害時のように公共施設を開放すべきだ。これは災害です」と訴えていたのを聞いて、それに共感するとともに、久米さんの後釜に、みの氏の名が噂されたことを思いだした。
とんでもないことだ。ニュースのコメントをするような人物ではない。まして弱者の話などする資格なんかない。
古館さん、意外といいね。最近、見直している。