高い天井のウォーターパーク。その高い所から「絶叫」が舞い降りてきた。しかも右に左に回りながら。3年前のスパリゾートハワイアンズでのことだ。
その時は、デパートの懸賞当選による招待客としての宿泊だった。
10年ほど前までは、古い呼称「常磐ハワイアンセンター」から受けるイメージで、八王子のサマーランドのスケールアップした程度の認識だったが、4,5年前から「ひと味もふた味も違うらしい」と思うようになっていた。
各地のテーマパークなどが、じり貧になっていく中で、客足を延ばしているのが、東京ディズニーランドとスパリゾートハワイアンズと聞いていたからだ。
ターミナル駅から無料バスを出すなどの営業戦略が当たり、ハワイブーム、フラブームも始まっていたから、ホテルは満室状態だった。
率直に「楽しい」と思った。これならリピーターも多いだろう。
そして、映画「フラガール」の公開で、今や、予約は半年先までいっぱいと聞く。平日とはいえ、なんとか予約を取って出かけた。
妻のフラの仲間7人と私たち夫婦。男は私一人だ。
「よく予約が取れたね。コネでもあるの」とフラ関係者から聞かれた人もいたそうだ。幹事役が半年前に予約を取ってくれた。
もう紹介することもないだろうが、色々な温泉・プールがあり、回りきれないほどだ。
そして、なんといっても、ショーが最高だ。
昼間のトロピカルフラショー、夜のグランドポリネシアンショー。フラとタヒチアンとファイアーダンスのショーだ。
ハワイアンミュージシャンの端くれに連なる私だ。同行の8人は「フラガール」とは言い難いが、フラを愛する「フル(古)ガール」達だから、全員が夢中でショーを観た。
フラ、タヒチアンの技量は、国内トップクラスであろう。バンドも上手だ。毎日やっているショーだから、踊り・演奏のメンバーは交代で休んでいるのだろう。バンドメンバーは、いくつかの楽器をこなせなければ交代で休むことは不可能だ。何ヶ月もやるのはきついが、1,2ヶ月なら楽しいだろうなと、うらやましさ半分で演奏を聴いていた。
スチールギターを弾いていた人が、私のバンドに一時所属していた人に似ているなと思っていた。その人は、転勤で1年前にバンドを辞めたのだが、そ
の時、「いわき市の方へ転勤」と言っていた。少し、太っている印象だったので、確信は持てなかったが、もしやと帰ってきてからホームページで調べた。やはりその人monome氏だった。スチールギターも弾ける人だとは思っていたが、びっくりした。声をかけてくれば良かった。若いono氏がスチールギターを弾くのだと思っていた。ono氏は、カノウプスのスチールギター使用者として知っていたが、ギターを弾いていた。
泳ぐのは数年ぶりで、連続で100m泳げなかった体力の衰えに驚いた。なにしろ最初は下半身が沈んで、プルの底を蹴ったくらいだ。
3年前、妻が、全館に響き渡るような悲鳴でウォータスライダーで滑り降りた話をした時、フラの仲間たちは、私のいつものオーバーな表現と思っていたようだったが
「本当だった。絶叫がプール中に響き渡っていたわよ」
と言っていた。プールや風呂では女性陣と別行動を取ったので、私は3年前の恥ずかしさを味わうことはなかったが、悲鳴が、上から下へ、くねくねと周りながら響き渡った様子は想像できた。
遊んで、くつろいで、ショーを満喫。それでいながら、料金が安い。
妻と出かける温泉の旅はグルメが目的でもあるから、高いのは仕方ないが、昨年の旅行で比較しても、一人分の料金より、ハワイアンズの二人の料金の方がずっと安い。交通費が新宿までの電車賃だけだから、旅行総費用は伊豆で一泊した時の五分の一以下だ。
食事は贅沢を言えないが、バイキングだから、楽しむことは出来る。一泊二食で一人13,000円は、近所のクアガーデンで食事も含めた費用の4回分以下だ。
今度は2泊しようと決めたが、予約が取れるかどうか、それが問題だ。