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眼鏡は、冷蔵庫で冷やして保管

2009-10-13 12:10:23 | 日記・エッセイ・コラム

 音楽演奏家には、呆けてしまった(認知症になった)人が少ないと思う。演劇家、俳優、作Photo_4 家、画家などでは聞くことがある。台詞が覚えられなくなって自殺した往年の名優もいた。
 
 そう言うと「どこの誰々は、演奏家だったけれど、呆けちゃったじゃないか」と具体的な名前を挙げられることがあるが、元々、演奏家とは言えないような人だった。一流とは言えないまでも、上手な部類の人で、そのような人を聞いた記憶がない。その記憶がないのが認知症の前触れかも?

 一般的に、音楽はメロディーを理解するために、右脳を使うと言われているが、一流演奏家は、左脳も相当使うそうだ。リズム、曲構成、テンポなどは左脳が使われるそうだ。左右の指を使う事によって、さらに右脳・左脳を活性させるのかも知れない。
 即興で演奏する。暗譜して演奏する。それを、ほぼ毎日しているのが、一流演奏家のチェロのカザルス証だ。
 さらに、演奏しながら歌うことで脳をフル活動させる。

 一応、音楽演奏家に名を連ねる私はどうだろうか?
 忘れっぽいのは自慢じゃないが、相当なものだ。若いときからである。大好きな歴史、古典、宇宙のこと。そして音楽での記憶力は、すぐれている方だと思う。暗譜などは音楽仲間たちと比べても、かなりできる部類に入るが、普通の生活では、「今、私は何をしようとしていたのだ」というのが年中だ。どこに置いたか。隠したか。他人に見つからないように隠したものは、もう、自分でも探せない。

 一番多いのが,老眼鏡の所在が分からなくなること。
 次に多いのが、車のキーがどこにあるのか、分からなくなることだ。出先で、いざ車に乗ろうとした時に、キーを探し回るのは日常茶飯時。友人間でも有名になっている。家に電話して、スペアキーを持ってこさせたことも一度ならず。
 また、よくやるのが、駐車場の券を探し回ることだ。キーが見つかっても、駐車券がなくて、車を出せないことがある。キーを探すのに?分。券を探すのに、さらに?分。30分近くになることもある。

 以前、ライブハウスの演奏終了後に大騒ぎを起こしたことがあった。
 どこを探しても駐車券が見つからず、聴きに来ていた妻やバンド仲間たちには
 「財布の中に入れた。いつも探し回るから、今日は意識して、ここに入れた。キーをかけてから再び確認した」と自信満々、説明した。
 財布はもとより、ポケット、バック、手帳の中まで探したが見Photo_6 つからず、仕方なくライブハウスに
 「駐車場の券、落ちていなかった?」と聞きに戻った。店長達が懸命に探してくれたが見つからず、
 「駐車場の管理会社に連絡をしましょう。どこの駐車場ですか?」と聞かれたので
 「店の真ん前の駐車場だよ」と答えたら
 「えっ、店の前?あそこはコインパーキングですから券は出ないですよね。出庫するときに番号を入力して精算する方式ですから」
 確かに、その通りの駐車場だった。車の位置番号を入力して精算したが、出庫が30分以上遅れたので、その料金も加算されてしまった。
 発券する機械がないのに、券を受け取り?、財布に入れた?、あの明快な記憶は何だったんだろう。
 妻には馬鹿にされるし、それを聞いた息子はため息。元々、無かった信用を、取り返し不可能なほど低下させた。

 数日前から、妻が
 「老眼鏡がない」と騒いでいた。
 私の騒ぎはめずらしくないが、妻の「老眼鏡‥‥どこだ?」は、めずらしい。
 どこを探してもない。「庭に落ちてないか」とまで探し回った。
 そして今日。
 冷蔵庫から野菜を取り出そうとして、やっと、老眼鏡が見つかった。
 冷蔵庫の野菜ボックスへ、かぼちゃを入れる時に、邪魔な老眼鏡を、ふと置いてしまったと思いだしたそうだ。
 冷蔵保管した眼鏡を取り出すと、レンズが霜で真っ白になった。冷え切った眼鏡の曇りが取れるまで、数分かかった。


納豆、あきらめの納得。

2009-10-10 00:46:12 | 日記・エッセイ・コラム

 王維の漢詩「相思」。Photo_4
 紅豆は、南国に生まれ育ち、
春になると何本かの枝に花をつける。あなた、お願いだから、どうかたくさん摘み取ってほしい。これが一番、愛しいものだ。
 紅豆「相思子(=思いを寄せる)」とも呼ばれるそうだ。紅豆に自分の恋心を託している。
 
 紅豆
はカッコ書きで「アズキ」とも紹介されているが、私がイメージする「お汁粉」や「ぼた餅」「おはぎ」のアズキとは、ちょっと違う。
 
 私は、王維に対抗して、納豆を詩に託した。作品は、こじつけの文字使いだが、一応、韻は踏んでいる(つもり)。

 大好物だった納豆を食べることができなくなって、10年近くが経った。
 心房細動による不整脈が起きてから、心臓に血が澱むため血が固まりやすくなっている。すなわち、血栓ができやすくなったのだ。万が一、血栓が脳に飛べば脳梗塞を起こす。だから、毎日、
血栓防止剤(凝固防止剤)を飲んでいる。これは、血液の凝固因子を作る作用があるとされるビタミンKを体内で作らないようにする薬だ。

 ビタミンKを多く含む食物の代表が、納豆なのである。
 「納豆は血をサラサラにする」とか「血栓を溶かす」と思われているが、実際はどうなのか。血液中のドロドロ成分を分解するという実験データーはあるそうだが、あくまでも試験管でのデーターで、食事として摂ったナットウキナーゼなどの成分が、どの程度、血液中に溶け込むのか、はっきりしない。むしろ疑問だとする見解も聞いている。

 私の父は、心臓病で私と同じ薬を飲んでいた。納豆は厳禁であったはずなのに、テレビで見た「納豆が血栓を溶かす」を信用して、こっそり食べていた。
 腸閉塞を起こし、緊急入院。その原因は腸内の血管に血栓が詰まり、腸の血流が止まった事による腐食が原因の腸閉塞。それが誘因となり死亡した。
 主治医がレントゲン写真を見ながら「おかしい。血栓だらけだ」と言っていた。
 後に父の遺品から、隠してあった納豆の空容器が、たくさん出てきたので判明した。心臓や血管に疾患があり、血栓防止剤(ワーファリン)を服用している人には、納豆は怖いのだ。
 ただ、納豆が、健常な人には、健康食品の代表であることに疑問の余地はない。

 暑いご飯と納豆の朝食は、簡単で、しかも格別にうまかった。
 マグロ納豆、イカ納豆は、酒の肴として定番だった。納豆は二日酔い防止にも良いと聞いていた。

Photo_2
 それが、今、食べられない。
 妻が、納豆の朝食を食べていると、その匂いを嗅いだだけで、ヨダレが出てくる。最近は、私に気を遣い、食べなくなった。従って、ほとんど買わない。納豆嫌いの娘達は喜んでいる、というより、無関心
だ。
 
 血栓防止剤は、飲み過ぎると出血のリスクが増し、いったん出血したら止血が困難になる。ひげそり、歯磨きでも出血しやすくなる。脳梗塞の恐れに変わり、脳出血の可能性が出てくる。
 この血栓防止剤を、誤って2日分飲んでしまったことがある。ただでさえ、目が充血し、鼻血
が出やすい体質なので焦った。
 そこで、血栓防止剤の逆効果を狙って、「納豆を食べよう」と考えついた。「少しなら大丈夫だろう」と勝手に解釈した。
 たとえ、半パックでも、そこで食べた納豆のおいしかったこと。
 
 「この世の最後に、何を食べたい?」と問われたら、絶対に「納豆」だ!
 


傲慢知事のオリンピック

2009-10-07 23:40:26 | 日記・エッセイ・コラム

1964  2016年のオリンピック開催地がリオデジャネイロに決まった。
 私が高校3年生だった1964年以来の、東京での開催は「まぼろし」に終わった。
 最近は、IOC視察や書類審査での評価が高かったこともあり、有力情報が流れていたが、そんなことはなかった。
 国内立候補地を福岡市などと争い、東京に決まった頃から「無理だ」との観測が流れていた。

1,北京大会の8年後に、再びアジアでやる事に賛同が得られるか?
2,差別発言を繰り返した石原知事に、アジア近隣諸国からの反発はないのか?
3,運動のトップに立つ石原知事への支持率低下もあり、国内での招致運動への冷めた世論が、盛り上がることはあるのか?しかも、「宮内庁の木っ端役人」発言もあったほどで、我々、下々の都民は数々の傲慢さと公私混同ぶりを見せられている。

 オバマ大統領が乗り込んだのに、シカゴが真っ先に落ちたことは意外だったが、次の東京落選は、私の予想通りだった。上記の3点が解決されたとは思えなかったからだ。
 
 開催地決定当日の朝。会場に向かう石原知事に、記者が、現在の状況(心境)について質問をした。それに対して
 「うるさい。だまれ」
と怒鳴った。
 記者は
 「うるさい‥‥ですか」と、唖然とした様子だった。
 この一部始終を見てPhoto
 「この横柄きわまりない知事様の手柄にならなくて良かった」と、「落選も仕方ない」と納得することにした。

 ブラジルのルラ大統領は開催決定後の記者会見で、人目もはばからず泣き出した。
 一方、我が英雄(になりそこねた)知事は
 「政治的な動きがあった」「裏取引があった」と、往生際が悪く、相変わらず責任転嫁の姿勢を貫く。

 自画自賛。 「東京が一番良かった」というプレゼンテーションは、英国の企画会社に発注したそうだ。競争国に漏れていたとの噂もあるそうだ。機密も保持できないプレゼンテーション作成。この費用も馬鹿にできないだろうが、招致運動には150億円もかけたと言う。
 「無駄遣いではなかった」ということを説明するために外部の監査委員を入れると発言している。これもきっと法外な費用を請求させるのではないだろうか。なにしろ「妥当な金額だった」との結論付きで発注するのだから。