人は私利私欲に基づいて私益を追及する。しかしそれを表立って表明すれば誰も味方をしてくれない。だから「公益」というタテマエを使う。同じ私益を持つ人が集まれば途端に「公益」になるのは実に奇妙なことだ。「私の米が売れない」が「日本の農業が滅ぶ」に化け、「工場をやって行けない」が「工業が衰退して雇用機会が失われる」に化ける。
しかし元々が私益なのだから当然逆の私益を持つ人と対立する。農産物を安く購入するために消費者は徒党を組んで市場開放を求める。これも「公益」であり公益と公益が対立することになる。双方が「公益」を通り越して「国益」と主張すればこれが国益と国益の対立という妙な構図になってしまう。
誰かの利益は大抵の場合誰かの損害に繋がるからこれらが政治問題になってしまうが元々は「私益」だ。
国益の対立を防ぐ方法が1つだけある。他国あるいは他国民の利益を奪えばそれは他国の「国益」を損なうことにしかならない。自国の「国益」は安泰だ。
クリミアに関するロシアの利益はウクライナにとっては大きな損失であってもロシアにとっては100%の国益になるからロシア国民は熱狂的にをプーチン大統領を支持する。国民は「国益」という言葉に欺かれて侵略を支持する。ウィグルやチベットの利益を奪っても国民の大半を占める漢民族の公益に適うのであれば「国益」と評価される。他国民や他民族に対する侵害はそれが我儘で身勝手で理不尽なものであればあるほど「国益」に適ったものになる。
他国の無人の領土を奪うことは文句無しに国益に適う。スプラトリー(南沙)諸島を奪えば周辺の海洋資源や領海まで手に入るのだから中国政府はこの国益を広く告知してそれを実現する共産党を讃えさせようとする。中国には国益を否定しようとする異常な新聞社は無いから、何が何でもこの国益を守らなければ共産党の権威が失墜しかねない。
中国は独善的な「九段線」に基づいて南シナ海の大半を自国領と主張している。それを既成事実にするために満潮時には水没する「岩」の周囲を埋め立てて「領土」と主張している。この国際法を無視した暴挙に対して国際司法裁判所は12日頃に判断を示す予定だ。中国側の敗訴がほぼ確実な情勢だけにどう対応するかが注目される。
国内秩序を守るためには共産党が正義でなければならない。共産党が正義であり続けるためには国際司法裁判所を悪と位置付けなければならない。中国は共産党の権威を守り国内秩序を維持するためなら、国際的に孤立することも厭わないだろう。それ以外の選択肢は無かろう。戦前の日本とどこか似ているような気がする。
しかし元々が私益なのだから当然逆の私益を持つ人と対立する。農産物を安く購入するために消費者は徒党を組んで市場開放を求める。これも「公益」であり公益と公益が対立することになる。双方が「公益」を通り越して「国益」と主張すればこれが国益と国益の対立という妙な構図になってしまう。
誰かの利益は大抵の場合誰かの損害に繋がるからこれらが政治問題になってしまうが元々は「私益」だ。
国益の対立を防ぐ方法が1つだけある。他国あるいは他国民の利益を奪えばそれは他国の「国益」を損なうことにしかならない。自国の「国益」は安泰だ。
クリミアに関するロシアの利益はウクライナにとっては大きな損失であってもロシアにとっては100%の国益になるからロシア国民は熱狂的にをプーチン大統領を支持する。国民は「国益」という言葉に欺かれて侵略を支持する。ウィグルやチベットの利益を奪っても国民の大半を占める漢民族の公益に適うのであれば「国益」と評価される。他国民や他民族に対する侵害はそれが我儘で身勝手で理不尽なものであればあるほど「国益」に適ったものになる。
他国の無人の領土を奪うことは文句無しに国益に適う。スプラトリー(南沙)諸島を奪えば周辺の海洋資源や領海まで手に入るのだから中国政府はこの国益を広く告知してそれを実現する共産党を讃えさせようとする。中国には国益を否定しようとする異常な新聞社は無いから、何が何でもこの国益を守らなければ共産党の権威が失墜しかねない。
中国は独善的な「九段線」に基づいて南シナ海の大半を自国領と主張している。それを既成事実にするために満潮時には水没する「岩」の周囲を埋め立てて「領土」と主張している。この国際法を無視した暴挙に対して国際司法裁判所は12日頃に判断を示す予定だ。中国側の敗訴がほぼ確実な情勢だけにどう対応するかが注目される。
国内秩序を守るためには共産党が正義でなければならない。共産党が正義であり続けるためには国際司法裁判所を悪と位置付けなければならない。中国は共産党の権威を守り国内秩序を維持するためなら、国際的に孤立することも厭わないだろう。それ以外の選択肢は無かろう。戦前の日本とどこか似ているような気がする。