俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

味噌糞

2011-07-29 14:26:26 | Weblog
 味噌の樽と糞の樽が並んで売られているとする。誰も糞の樽は買わずに味噌の樽だけが売れる。最後には糞の樽だけが並んで誰も近寄りさえしなくなる。
 民主党という政策綱領さえ無い政党は味噌の樽と糞の樽が一緒になっていた。自民党崩れ、社会党・社民党の残党、その他の新興・弱小政党が付和雷同して作った党だ。敢えて色分けをするなら半自民と反自民の勢力が自民党から権力を奪うことだけを目的にして集まった烏合の衆だ。民主党に投票した人は半自民と反自民がほぼ半分ずつだろう。
 先に権力を握ったのは半自民の小鳩グループだった。しかし半自民どころか自民党以上に金権体質だということが分かって表舞台を去った。糞の樽が無くなったのだから味噌の樽が残ったと誰もが思った。清潔でリベラルな党になると期待して支持率は高まった。しかしとんでもない糞の樽だった。
 菅首相さえ退陣すれば今度こそ味噌の樽が現れると国民は期待している。しかしもし次の総理も糞だったら民主党政権の元での日本の復興はあり得ない。
 現在の法律では首相だけが衆議院の解散権を持っているが国民にも解散権を与えてはどうだろうか。たった1度の勝利のせいで支持率15%の首相が居座り続けるのは不合理だ。これでは詐欺師集団に無条件で4年間権力を預けるようなものだ。

稲わら

2011-07-29 14:11:03 | Weblog
 稲わらと腐葉土が広く放射能汚染されていることが明らかになった。マスコミは汚染された稲わらを食べた牛にばかり注目するが農作物はどうなっているのだろうか。育成機関の短い野菜で4月以降に植えられたものなら比較的安全だろう。一方、3月初め以前から育てている野菜や果物なら稲わらと同じくらい危険だろう。稲わらよりも安全なのはハウス栽培の野菜だけで露地栽培の野菜や果物は同程度汚染されていると思われる。
 8日付けの「汚染度偽装」で指摘したことだが検査されるのは「よく洗った野菜」で出荷されるのはよく洗わない野菜だ。後者が稲わらと同程度汚染されている可能性は決して低くない。稲わらは「よく洗わずに」検査したのだろうし、牛肉の汚染は内部まで染み込んでいるのでよく洗っても汚染度を誤魔化すことはできない。検査と出荷は同レベルでなければならない。つまりよく洗った野菜を検査して出荷するか、よく洗わない野菜を検査して基準値未満の物だけを出荷するかだ。このどちらかでなければ偽装だ。ほぼ確実に危険と思われる野菜・果物を安全と偽って出荷させている政府は殺人未遂罪または傷害罪に値する。
 現政府は中国共産党と同じくらいの隠蔽体質だ。そのことは中国漁船による衝突事件以来一貫している。政策はぶれ続ける民主党政権だが秘密主義だけは見事に貫かれている。これだけが党の共通理念のようだ。

予防医療

2011-07-29 13:54:10 | Weblog
 病気になってから治療をするよりも病気になる前にその兆候を見付けて比較的健康なうちに治療をするのが予防医療の考え方だ。しかしこの予防医療が国民の健康を蝕んでいるように思える。
 血圧や血糖値やコレステロール値が高ければ医師は薬を処方して下げさせようとする。なぜ低過ぎるほうも問題としないのだろうか。高過ぎるのも低過ぎるのも異常値だ。本来なら両方共に病気になる恐れがあるとして対処すべきだろう。
 実際には正常値とされているよりも少し高いぐらいが健康値であることが多い。「未病」という言葉が独り歩きをして健康な人まで病人予備軍と見なして、毒でもある薬を投与しているなら恐ろしいことだ。
 もし血糖値が1000を超えていたら完全に病人の状態だ。薬品を使ってでも無理やり下げなければ命に関わる。しかし130の人に血糖値を下げる薬を飲ませ続けるのが予防に繋がるとは到底考えられない。血糖値が高ければ軽度の糖尿病の可能性があるが、血糖値を下げるだけならただの対症療法であって治療とは言えない。病人は医師によって作られているとさえ思える。
 予防医療という考え方を否定する気は無い。しかし予防医療という言葉を利用して健康者が病人予備軍として薬漬けにされているなら、これは人権問題であり医療費=税金の無駄遣いだ。予防医療というからにはエビデンス(根拠)に基づかねばならない。エビデンスに基づかない予防医療など本来あり得ない。大幅な見直しが急務だろう。この国では予防医療によって救われた人よりも殺された人のほうが多いのではないだろうか。

好投手

2011-07-26 15:02:43 | Weblog
 好投手に最も必要な条件は剛速球でも凄い変化球でも針の穴を通すようなコントロールでもない。「打ちにくい球を投げる」ことだ。
 打ちにくい球とは何か。手元で微妙に変化するクセ球やタイミングのとりにくいフォームなどだ。これはテレビで見ていても分からない。実際に打席に立った打者だけが正しく評価できる。
 昔、巨人に角という投手がいた。変則的なフォームから繰り出す速球は威力があった。誰もが速球投手だと思っていた。ところがスピードガンで測定すると130km台だった。全然速くなかったが速く見えた。投手にとって重要なのは物理的な速さではなく打者が感じる速さだ。投手の評価を決めるのは打者だ。打者が打ちにくいのが好投手だ。
 同様に善人かどうかは本人ではなく他者が決める。本人は善意のつもりでも他人には余計なお節介でしかないかも知れない。滅私奉公に励んでいるつもりでもスタンドプレイにしか見えないかも知れない。良かれと思ってやったことが誤解されることもある。誤解するほうが悪いのではなく誤解されるような行為が悪いのだ。意志さえ正しければそれで良いという考えは速い球さえ投げていれば打たれないと信じる投手と同じ間違いを犯している。相手がどう感じるかということが大切だ。このことを理解しない人は周囲から「独り善がりの人」と評価される。

共産主義

2011-07-26 14:47:15 | Weblog
 私は共産主義を評価しない。それは人を等しく貧乏にするシステムだからだ。最も能力の乏しい人でも不自由なく暮らせるようにするために能力の高い人の生む付加価値を没収するのは一見公平な仕組みのようだが、これはイチロー選手の年収を300万円にして草野球の選手全員に300万円を支給するようなものだ。ベストセラー作家の著作権を取り上げてブロガーに金をバラ撒くようなものだ。画期的な発明の特許権収入を錬金術師に配布するようなものだ。
 これは付加価値を生む仕事を冷遇して付加価値を生まない仕事を厚遇する仕組みだ。有意義な仕事が生む利益を無価値な仕事のために費やす行為だ。
 寝たきり老人や重度障害者などの最弱者が生きるためには支援が欠かせない。つまり余剰を生む人がいて初めて支援は成立する。もし成果が報われないなら誰も苦労をして余剰を生もうとはしない。成果を残した人に正当に報いた上で税として徴収するなら彼らもnoblesse oblige(ノブレスオブリージュ=高貴な者の義務)として受け入れるだろう。正当に評価されないのなら馬鹿馬鹿しくてやっていられない。
 高い能力を持つ人がその能力を発揮することで初めて余剰が生まれる。この余剰があれば福祉は成立する。余剰が無ければ福祉は成立せずその結果として全員が貧しくなるだけだ。全員が貧しくなることによって実現される格差解消は悪平等でしかない。

年金

2011-07-26 14:31:54 | Weblog
 年金は最も有利な金融商品だろう。私の積立額は1300万円だが、60歳から64歳までの年金は約130万円/年、65歳以上になれば約200万円/年だ。69歳まで生きれば採算が合う。こんな有利な金融商品は他に無い。民間の生命保険や医療保険など総て解約してでも最優先に納めるべきだろう。年金がこんなに有利になるのは国民年金の半額を国が負担しているからだ。
 なぜこんな有利な制度を利用しない人が少なくないのか不思議でならない。多分、外資を含む保険会社が情報を歪めているからだろう。消えた年金問題が大騒ぎになったのは当時の野党と保険会社による陰謀だろう。年金の信頼性を損なうことによって民間の保険会社は事業を拡大した。税金によって補助される国民年金と民間企業による保険とでは最初から勝負にならないからイメージダウンを狙ったのだろう。
 年金よりも有利な戦略が1つだけある。生活保護だ。年金を一切納めず無収入・無年金の人が生活保護を申請する。奇妙なことに生活保護費は最低額の年金よりも高額だ。こんな変なセーフティネットがあるから年金など納めずに最初から生活保護を狙う人が跡を絶たない。健康な人には生活保護ではなく強制労働を課するべきだと私は考えるのだがどんなものだろうか。

商品券暮らし

2011-07-22 14:36:14 | Weblog
 私は4月4日以来、商品券暮らしをしている。その間一度も銀行から預金を引き出していない。
 格安チケット店で近鉄グループ券の1万円券50枚を495,000円で買ったことが始まりだった。それ以来クレジットカードでの買い物以外は商品券と釣銭だけで暮らしている。
 1万円券で39円のもやしを買えば釣銭は9,961円だ。この内9,770円を使ってチケット店で1万円分の百貨店共通商品券を買う。手元には191円残る。
 つまりこの時点で、9,900円の現金が1万円の商品券になり、それが39円のもやしと1万円分の商品券と現金191円になったということになる。330円の儲けだ。
 次に千円の共通商品券でまたもやしを買えば釣銭は961円だ。これに手持ちの16円を加えればまた千円の共通商品券が買える。
 理想としては1万円券では100円未満、千円券では23円未満のものばかり買っていれば資金は増え続けることになるが、さすがにそれは不可能だった。
 1万円券ではそれを実行した。1万円券で買ったのは39円のもやしと59円の菓子パンと99円の第三のビールと99円のチンゲン菜だけだったから儲け続けた。百円以上の「高額品」を買う時には一旦安い品を買ってその釣銭で買った千円券を使った。
 私は主に近鉄百貨店系の近商ストアというスーパーを使っているが共通商品券が使える店が身近にある人なら釣銭がどんどん貯まることに驚くだろう。我ながら馬鹿なことに大真面目で取り組んでいると呆れている。

ハーモニー

2011-07-22 14:20:38 | Weblog
 音楽の3要素はリズム・メロディ・ハーモニーだ。日本人の音楽で最も欠けているのはハーモニーだ。大勢で歌っても合唱にはならず斉唱になる。
 日本のデュエットソングの多くは斉唱か輪唱だ。合唱と言える歌は「世界中の誰よりきっと」と「愛が生まれた日」の2曲ぐらいしか思い付かない。
 ビートルズの歌はかなり複雑な和音で構成されている。滅多に使われない和音が自由自在に駆使されている。
 ここでの立役者はジョージ・ハリスンだ。ジョン・レノンとポール・マッカートニーが主旋律と副旋律を歌いその補助役を担うのがジョージだ。
 普通なら主旋律と副旋律でハーモニーは充分に成立する。しかし彼らはそれでは満足しなかった。主旋律と副旋律で欠けている音をジョージが埋めた。そのためジョージが歌うパートはとんでもないメロディになる。
 ビートルズはもともとリヴァプール芸術大学生(どういう訳か昔はリヴァプール・カレッジ・オブ・アートが「リヴァプール美術大学」と訳されていた)のジョンとポールが作ったバンドだ。新参者で年少のジョージは脇役とならざるを得なかった。しかし素晴らしい名脇役だった。あの素晴らしいハーモニーはジョージという黒子がいたからこそ生まれたと言える。

ユダヤ人

2011-07-22 14:04:36 | Weblog
 ナチスはユダヤ人という人種を滅ぼそうとしたのではない。ユダヤ教徒を滅ぼそうとしたのだ。
 ユダヤ人という人種は存在しない。英語ではユダヤ人もユダヤ教徒もJewryだ。つまりユダヤ教を信仰する人がユダヤ人だ。これはイスラム教を信仰する人をムスリムと呼ぶのと同じことだ。ムスリムはアラブ人だけではなくイランなどのアーリア人や黒人なども含まれる。ナチスが行ったのは人種差別ではなく宗教弾圧だ。
 ユダヤ教は旧約聖書だけを聖書と認める宗教だ。従ってナザレのイエスをキリスト(救世主=メシア)とは認めない。このことはキリスト教徒にとっては許し難いことだ。
 一神教のキリスト教は偏狭な宗教だ。新教と旧教の間でさえ殺し合う。そんなキリスト教にとってイエスをメシアと認めないユダヤ教は憎悪の対象となる。キリスト教の価値観を否定するユダヤ教を殲滅しようとしたのがナチスだ。
 ナチスが否定されていることもあり、今のところはキリスト教徒はユダヤ教徒には寛大だ。しかしこれは時限爆弾を抱えているようなものだ。これまでに何度も宗教戦争を起こしたキリスト教徒はいずれイスラム教徒およびユダヤ教徒に対する弾圧を強めるだろう。
 フランスやドイツやアメリカにおいてイスラム教徒に対する差別が広がりつつある。根本的な価値観が違えば共存は難しい。
 女性に顔を隠すことを強制する宗教が弾圧されるのは性器を露出することを強制する宗教が弾圧されるのと同じようなことかも知れない。文化の違い以上に宗教の違いは埋め難い。

養殖

2011-07-19 15:27:04 | Weblog
 哺乳類などの恒温動物は食物から得たエネルギーの3%しか体に蓄積されないそうだ。一方、変温動物なら30%が肉になるそうだ。恒温動物は体温を維持するために大量のエネルギーを使うからだ。
 このことを考えるなら牛や豚などの哺乳類や鶏などの鳥類を飼育しているのは非常に無駄なことだ。変温動物を飼育すれば肉を得るための餌代は1/10で済む。
 勿論私はイナゴやカエルを養殖すべきだと言うつもりではない。文句なしに最適の動物がいる、魚だ。マグロやウナギなどの養殖は経済性を考えれば最も有利な動物性食資源だろう。
 かつて日本では蚕をウナギの餌にしていた。蚕の繭を茹でて生糸を取ったあとのゴミとなる幼虫が餌だったから非常にエコロジカルでエコノミーな仕組みだった。餌に群がるウナギの姿は壮観だ。お互いに押し合い圧し合って団子状態になって餌を漁る。
 ウナギは不思議な魚だ。形態も奇妙だし生態も奇妙だ。ウナギは元々は深海魚だったらしい。深海の魚が浅瀬どころか川や池のような淡水でも生きている。物凄い生命力だ。これほど生命力のある魚なのだから栄養価が高いのも当然と言えよう。明後日(21日)は土用の丑の日だ。今年は随分値上がりしているようだがやはり夏のスタミナ食の定番だろう。ウナギには未知の栄養素があっても不思議ではないとさえ思える。