俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

危ない人

2016-07-28 09:55:15 | Weblog
 知的障害者大量殺害事件の植松容疑者が大島衆議院議長に宛てて提出した文書が公開された。これは危険思想ではなくただの駄文だ。論理が全く整合していない。肝腎の部分を繋いでいるのは「神のお告げ」と称する妄想でありこれこそ典型的な「意思疎通できない人」による無内容の文章だ。読むに値しない。彼こそが「生きるに値しない重複障害者」だろう。
 私は植松容疑者を精神障害者と考える。犠牲になった知的障害者よりも彼のような精神障害者のほうがずっと「意思疎通は困難」であり「生きるに値しない」のではないだろうか。知的障害者を有害物扱いする前に自らが精神障害者であることを知るべきだっただろう。
 マスコミは彼を精神障害者扱いしたがらない。それは彼を有罪にしたいという願望に基づいている。刑法39条は「心神喪失者の行為は、罰しない」と定めているから彼を精神障害者扱いすれば無罪を訴えることになってしまう。しかし過去の凶悪犯罪で、精神障害と疑われないような犯人などいただろうか。狂人であることを認めて刑法の問題点を問うべきだと思う。いつまでも誤魔化してはいられない。
 世の中にには誤ることを個性だと思っている人がいる。2+3=6と主張して悦に入っている人だ。こんな人が現れる度に事実は1つで誤りは無数だと誤解しかねなくなる。実際には無数の事実と無数の誤謬がある。たとえ山頂は1つであってもそこへと至る道は無数にある。幸福な家庭は相似ているが幸福な関係は様々であり得る。
 事実が1つではないからこそ危険思想があり得る。最も危険な思想は第二次世界大戦後の虚構を暴く思想だろう。戦前・戦中・戦後史は連合軍によって徹底的に歪められた。この嘘を守ることが戦後秩序でありその嘘を暴くことが現代社会ににおける最も危険な思想だ。
 ヒトラーの「わが闘争」はドイツでは今尚禁書扱いされている。これは決してさほど危険な書物ではない。単に偏狭な思想に基づいて書かれた本に過ぎない。同盟国である日本人に対する差別的な発言も多数あり、正直な話、なぜ連合軍がこの程度の文書の公表を恐れるのか理解し難い。
 戦前・戦中・戦後史は対ドイツ以上に対日本の嘘のほうが著しい。それは日本の勃興が白人至上主義に対する強烈なアンチテーゼであり、植民地支配を継続するために何としても歴史から抹消したかったからだろう。
 戦後アメリカによる史観の捏造を全面的に受け入れた進歩的文化人は白人至上主義も受け入れた。当時の彼らの主張を読むと余りにも偏見に満ちていることに呆れる。
 原理主義が危険であるのはそれなりに筋が通っているからだ。そこが植松容疑者の駄文とは異なる。イスラム原理主義にせよキリスト教原理主義にせよ、世俗主義よりずっと首尾一貫している。但し一貫しているから正しいという訳ではない。一貫しているからこそ一層酷く歪んでいる・