金属中毒

心体お金の健康を中心に。
あなたはあなたの専門家、私は私の専門家。

プロポーズ小作戦97

2009-08-14 22:51:51 | コードギアス
プロポーズ小作戦97

神経性胃炎を経験した人にはわかってもらえるだろう。
痛み始めると神経がそこに集中する。結果、脳は痛みをストレートに感じることになる。
こういうときの対処は2種類。気を失うか、意識を他にそらすかである。

星刻の場合、何度も視界がブラックアウトしかけた。その度に必死で取り戻した。
意識を失うほうが楽なのはわかっている。しかし、そうできない理由がある。
星刻が意識を失った時点で、白虎部隊は戦闘力を失う。
なぜか。
第12世代である白虎はたとえ1機でも軍艦百艦に値する戦闘力を持っている。(参考までに。ランスロットは三百軍艦単位である。ガニメデは8軍艦単位と推定されている)
そんな危険な機体を傭兵上がりに操縦させる。
もしも、裏切ったら。   世界はどうなる。天子さまは!
その危険を防止するために星刻は自分自身を安全装置として組み込んだ。最悪の場合、星刻が頭を撃ち抜けば白虎は停止する。永遠に。
いずれはその部分もプログラムに代行させるつもりではいたが・・・。

全てが裏目に出ていた。

プロポーズ小作戦96

2009-08-14 19:16:21 | コードギアス
プロポーズ小作戦96 2021年2月10日


ナナリーはインド公式政府に通信を送る。
選んだのはオープン回線。
通信の内容は、今世界の注目を集めている両諸島においてのトラブルにゼロが世界平和を守るために動く。ついてはブリタニアがゼロの正義を共に携える友好国として、中華との話し合いを提案する。

同時に裏ルートでインドに教える。赤い水は危険で経済的にも価値がない。

インドがナナリーの提案に公式に応じる。



続いてナナリーは私的通信を送る。
「天子様。もうすぐあなたの大事な人は帰ってきます」
そう伝える。
また戦争になるのかと不安を抱えていた天子の顔に笑みが戻る。
大事な妹(のような存在)を喜ばせた後、ナナリーは宰相に命じて中華に公式通信を申し入れる。
しかし、中華にはそれに応じる立場の者がいない。

中華最大の弱点が露呈する。
改革を最大限効率的に進めるために権力をただ一人に集めた。同時にその人物が最強の軍人でもある。
それが中華の現状。本来なら、神虎の通信システムで解決するはずだった。
今のシステムなら世界中どこにいても指示・命令はできる。そのはずだった。この時点まではうまくいっていた。
しかし、中身の星刻が痛みで動けず意識を保つことさえかろうじて・・・この状態ではどうにもならない。

プロポーズ小作戦95

2009-08-14 18:43:27 | コードギアス
プロポーズ小作戦95

かくして、ルーズベルトは呼び出された。
ナナリーの命令に法的な根拠を付加するための有能な道具として。
そういう点、ナナリーの感覚は兄と同じである。相手の感情面より、能力面で評価する。
人を道具としてしか見ていないのか、と非難する向きもあるだろう。しかし、生まれ(血筋)で激烈な区別のあるブリタニア・ヨーロッパ園ではむしろ革新的で人道的な思想である。

ナナリーは皇帝である。皇帝の行動には国の為の意味がある。
今回は≪ブリタニアは今でもこれからも世界の中核である≫これを世界に知らしめる効果がある。



ナナリーはゼロ・スザクに連絡を取る。
自分の作戦に沿って動いてもらうために。
このところ、ゼロが中華よりになっているから、それを是正する意味でもゼロには動いてもらう。

星刻が胃の痛みで停滞している間に物事は動きだした。

プロポーズ小作戦94

2009-08-14 18:11:33 | コードギアス
プロポーズ小作戦94

話は少しさかのぼる。
天子がナナリーに相談したのは、『好きな人がご飯を食べてくれないの。
ナナリー様から頂いた本に書いてあったの。
好きな人の手料理ならなんでもおいしいって。
それでね、…私も星刻に手料理を作りたいの。』
天子は気が付いていない。2つの文章に分かれているが、≪星刻が好き≫と言っていることを。
『それなら、以前私が体調を崩した時の・・・』
ナナリーは亡き兄が作ってくれたたくさんの料理を思い出し、その中から一番簡単に作れそうなスープを天子に教えた。たぶん、野菜を煮込むだけのそのスープなら天子でも作れる・・・失敗していても星刻ならそれを指摘することはないだろう。

 
星刻の体調不調をナナリーは天子に聞く前から知っていた。ブリタニアの情報網は世界中に張り巡らされている。
まわりに気づかれないよう、星刻が細心の注意を払っていることもナナリーは知っている。
しかし、天子は気がついた。
それだけ悪いということだろう。



ナナリーの視点から見ると星刻という存在は、亡き兄が残した世界平和の為の柱。
それが、揺らいでいる。

『この戦いは早く終わらせます』
ナナリーはチェス盤を前にひとり語る。
チェス盤にはただ一つの駒。
黒のキングだけがいた。