金属中毒

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プロポーズ小作戦92

2009-08-09 10:08:31 | コードギアス
プロポーズ小作戦92

ナナリーは死に際の兄に『(ギアスに繋がりのある)この力を使うな』と言われてから、一切力は使っていない。代わりに盲目だったころに得た勘がさえてきた。視覚情報と情報機関からの報告を加味して、総合的に判断する。それでも迷いがあるときナナリーは相手の手に触れる。触れた時自分がどういう感覚になるか、温かいか、冷たいか、寒いか、最終的にナナリーは身体感覚を判断基準とした。
過去、それで間違えたことはない。
皇帝ナナリーの人物鑑定眼は宰相シュナイゼルを始め、世界の指導者が認めている。

天子に対しては敬愛と忠誠のみを捧げつくしている星刻さえも、ふとした折につぶやいた。「ブリタニア皇帝の鑑定眼が天子様にあれば・・・私がいなくなった後も安心なのだが」と。
最近は天子も朱禁城で謁見する。その時の空気が星刻に言わせれば問題なのだ。礼儀や形式はきっちり守っているのだが、天子がいるだけで空気がふわふわ、ほわほわ、ほんわか、ほよほよ・・・などひらがなでしか表現できないものになる。
「天子様のお人柄がお優しいから」と皆言う。
その声を聞くたびに星刻は思う。顔には出さないが。(天子さまは優しい。愛らしい。清浄で美しい。当然ではないか。天子様なのだから)
だからこそ心配だと星刻は思う。万が一にも誰かが、天子様を傷つけたり汚すようなことがあれば。
殺す。
こういうとき無意識に星刻の手は剣を探すのである。