瞑想と精神世界

瞑想や精神世界を中心とする覚書

自分が「自分」になる★心理療法と成長①

2004年10月10日 | シリーズ精神世界の旅
生きていれば、辛く厳しい現実にでうることは、誰もでもある。厳しい現実のなかでのたうちまわり、ますます落ち込んでいく人がいる。一方で、それを乗り越えて成長していく人もいる。何かへのこだわりや執着から自由になれず、ますますがんじがらめになっていく人と、こだわりや執着から解放されて成長していく人と。では、どうすれば束縛やこだわりを手放しに出来るのか。 云いかえれば、どのようにすれば苛酷な現実を悲観的に受けとめず、前向きに生きていけるのか。

たぶん、自分を受け入れることができればできるほど、 それに応じて周囲の現実をも肯定的に見ることができるようになるのだろう。では、どうすれば自分を受け入れることができるようになるのか。

ひとつは、自由に自分を表現することが許される場で、あるがままを表現し、あるがままの自分が受容されたと感じることを繰り返すこと。 安心して自己探求し、表現することが許されること。

それは、「自分が"自分"になる」というプロセスであろう。その真意は、ロジャーズの次の言葉に端的に示されている。 「私が自分自身を受け入れて、自分自身にやさしく耳を傾けることができる時、そ して自分自身になることができる時、私はよりよく生きることができるようです。‥‥‥言い換えると、私が自分に、あるがままの自分でいさせてあげることができる 時、私は、よりよく生きることができるのです」

では現実の、あるがままの自分を心の底から認め受け入れた時、どのよう な変化が生じるのか。ロジャーズの言葉では、次のように表現されている。

1)自分で自分の進む方向を決めるようになっていく
2)結果ではなく、プロセスそのものを生きるようになる
3)変化に伴う複雑さを生きるようになっていく
4)自分自身の経験に開かれ、自分が今、何を感じているかに気づくようになって いく
5)自分のことをもっと信頼するようになっていく
6)他の人をもっと受け入れるようになっていく  

こういうあり方自体が、きわめてスピリチュアルな方向を指し示している。しか もロジャーズは、来談者中心のカウンセリングでの、クライエントの変化そのもの から、こうしたあり方を学んでいったのだ。(続く)