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瞑想と精神世界

瞑想や精神世界を中心とする覚書

アーノルド・ミンデル『昏睡状態の人と対話する』を再読

2025年03月19日 | 読書日誌
アーノルド・ミンデルの『昏睡状態の人と対話する』を再読した。再読と言っても読んだのは2003年、22年も前だ。再読して『臨死体験研究読本』の改訂版を書くにあたっても重要な本であることを確認した。

Coma: key to awakening. Boston: Shambhala.(1989). (翻訳書『昏睡状態の人と対話する』2002年)は、ミンデルの活動の中期から後期に属する著作である。彼はこの著作のなかで次のように言う。
「過去二十年間、死の過程にある人とのワークは、私の日々の心理療法の比較的多くを占めていたが、最近まで臨死体験について書くことを控えてきた。正直にいうと、ここで提示されるワークのあまりの特異さのために、私のさまざまな体験と死のプロセスを関連付けることをためらってきた。」

さらに「つい最近まで、人生の終末期におけるプロセスに、私は、あまりに衝撃を受け、驚き、感動し、物も言えぬほどびっくりしていたために、疑心に満ちた反応を受けることを恐れ、そういった体験を記することができずにいた」とも言う。

しかし、この本で示されるような昏睡状態の人々とのワークや臨死状態の人々とのワークにおける一連の出来事によって臨死について本格的に調査、研究をせざるをえなくなったという。

心理療法家としての彼の中心的な関心は、「人間に備わったプロセスにしたがうこと」「私自身や他の他の人々が自分自身を実現するのを援助すること」であった。そのためのワークに日々取り組む中で彼は、さまざな宗教が死後の生に属すると考えてきた「永遠の体験」が、「間違いなくこの生で経験することができる」と考えるようになったという。

彼は、アメリカ合衆国マサチューセッツ工科大学の大学院で理論物理学を学び、追ってスイスのチューリッヒ工科大学で学んだ。それゆえ彼は物理学者として理論的には世界の相対性、つまり空間・時間等の概念の相対性を理解していた。しかしプロセスワークの実践によって、とくに昏睡や臨死の状態にある人々とのワークによって終末期のプロセスに深く関与するにつれ、時間空間概念の相対性や非局在性といった現代物理学の概念が、実践で得た知見と結びつくようになったという。

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