俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

ナウス! アンドルフとちゃうで!

2016年03月12日 23時44分10秒 | 考察
 本来「オイッコニー艦隊」と呼ぶべきところを、ナウスが「アンドルフ艦隊」と呼んでいる……。

 全く違和感を感じなかったので、気にも留めなかったが。
 このセリフを残したのは、わざとだろうか?

 もしかして、深い理由があるの?

 『アサルト』の冒頭、アンドルフ軍の残党を、オイッコニーが率いて反乱を起こしたのだが。
 オイッコニーに率いられる兵士たちが、彼に心からの忠誠を誓っていたか?と考えると、そうではない気もする。

「人格的にも、能力的にも、オイッコニーは皇帝にふさわしくない。アンドルフ様に代わって主人とするにふさわしい御方が見つかるまでの、オイッコニーは仮初めの主だ」
と、考えている者がいたかもしれないし。

「アンドルフ様は死んではいない。あの御方こそ、われら種族の救い主だ。いずれ必ず復活し、我らを再び導いてくださる!」
と、信じていた者だっていたかもしれない。(実際に、彼は幾度も復活したのだし)

 兵士たちの心の中心にいたのは、オイッコニーではなくアンドルフだったかも……。

 ナウスはその実態を見抜いたうえで、彼らを「アンドルフ艦隊」と呼称した!
 の、だったら凄い。

ペパーでもペッパーでも

2016年03月08日 03時32分25秒 | 考察
 ドクターペッパー(Dr.Pepper)もペパー将軍(General Pepper)も、英字のつづりはおんなじPepper。

 「ペパー」と「ペッパー」、活字にすれば違うけど。口に出して言ってみ? ……大して違わないよ。

 将軍本人も気にしてないと思うな。
 「ペパーでもペッパーでも好きに呼んでくれ。私は気にせん。」たぶんこう言うんじゃない?

 なので、あんまり気にしないことにしよう。

また『コマンド』の話だけど

2016年02月28日 20時43分52秒 | 考察
 私の考えたことが、おおむね正しいという前提で話をするけど。

 よく考えたら、本当のことが明かせるわけないな。

 『スターフォックス』は実はアンドルフをめぐる物語で、アンドルフの善の側面が悪の側面を倒すことで物語が完結するんです……だなんて。
 言えるわけない。ファンが口を揃えて「なんだそりゃ!」って言うのが目に浮かぶ。

 もしも『コマンド』がマルチエンディングじゃなくてたった一つのエンディングしかないゲームで、それが『アッシュの選択』と同じ内容だったとしたら……スタフォのファンは皆ひっくり返っちゃう。
 スターフォックスを終わらせる気なの!?って言っちゃう。私も含め。
 ネットで「コマンドをなかったことにする嘆願書」の署名運動とか始まっちゃうかも。

 9つのエンディングのうちの一つに過ぎないんですよ、たくさんあるスターフォックスの世界の運命のうち、ひとつの可能性でしかないんですよ、という形でしか、あの物語を提示することはできなかったんだ。

 ……。


 『コマンド』のストーリーをここまで考えて作ったのは凄いと思うんだけど。ゲームとしての総合評価、ってことになると、ううむ。いろいろ難点があるよね。

 アッシュでしか聞けないセリフを確認しようと思って『タイタニア/アッシュ』を遊んでみたけど、難しくて何度も撃墜された。

 やっと、ボスのモナーク・ドドラまでたどり着いたが、アッシュもフォックスもダウン。残ったのはファルコだけ。
 「シールドの少ないファルコじゃ無理だろー!」と思ったが、マルチロックとの相性が良くて意外に倒せた。……あぶなかった。

 『アサルト』のブロンズ、シルバー、ゴールドのように難易度調整ができたら良かったのにな。難易度を下げると、被ダメージが減ったりシールドが増えたり、回復アイテムが出やすくなったりするのだったら、遊びやすいのに。
 ただでさえ『コマンド」の操作法は難しい。タッチペンで擦ってローリングしつつ敵を狙い撃つのって大変。
 それに加えて、シールドなくなって撃墜されたり、時間切れでアウトになったりする頻度の高いこと。
 ターン制で、のんびりしてられないし。敵の基地からどんどんミサイル発射されるし。心が折れるよ。

 任天堂のゲームらしからぬ、初心者への配慮不足、磨き込みの甘さを感じる。

 時間も人員も労力もかかることだから、限界があるのは分かるんだけど。



 『ゼロ』は、どうだろう。

 磨き込みは順調だろうか。
 発売のどれくらい前に、マスターアップ(完成)を迎えるものなんだろうか。もう、世に出る形は決まっているのかな?

 ……あと、2か月か。
 長い長い2か月。

ヒントは散りばめられていた

2016年02月25日 21時08分26秒 | 考察
 『スターフォックス コマンド』のストーリーって、考え抜かれた設計のもとに作られたんじゃないか?って思えてきた。

・クリスタルのセリフ。
 「危険分子と判断された上 ベノムに追放されて 孤独の極致に陥ったのよ」
 「純粋だっただけだわ! ただ研究を続けたかった 彼は何も見返りを求めていなかったわ」
・ベノムの硝酸の海を浄化する装置を発明した、という設定の追加。
・『タイタニア/アッシュ』のボス戦にアッシュで出撃すると聞ける、「やめろ! 私の孫だ 攻撃するな!」というセリフ。

 『コマンド』で新たに追加された設定は、アンドルフの善の側面を感じさせるものばかりだ。
 それまでは「悪のマッドサイエンティスト」でしかなかったアンドルフに、『コマンド』が善の側面を与え、彼は両面性を獲得する。(私はそれを「トリックスター」と呼んでも差し支えないと思っているけど、まあそれはどっちでも良いことだ)


 『アッシュの選択』で突然にジェームズが参戦することも、物語が『64』の冒頭へと巻き戻るのだと考えれば、腑に落ちるところもある……。
 『64』のプロローグと、まったく逆のことが起きているんだよ。


 善と悪の両面を兼ね備えていたアンドルフ。
 彼の悪の部分は、ジェームズを罠にはめて殺す。そして暴走し、ライラット系を混乱に陥れる。それが『64』の物語の発端。
 『アッシュの選択』では、アンドルフの善の側面の化身であるアッシュが、悪の側面の化身であるアングラー皇帝を倒す。かつて悪の側面が殺した、ジェームズと共闘して……。

 アンドルフによって動き出した物語が、やはりアンドルフによって幕を引かれるんだ。
 そして、善の側面の化身のはずだったアッシュも、数十年後には悪の化身へと変貌する。物語は永遠にめぐる輪廻へと突入する。

 巻き戻されるテープのように。表が裏になり、裏が表につながる、メビウスの輪のように!


 ……きっと、『コマンド』を作った今村さんたちの頭の中には、こういう物語の設計図が描かれていたはずだ。


 こうして考えてみると、物語を動かしているのは最初から最後までアンドルフ。主人公であるはずのフォックス達は、彼が動かす物語の中で、必死で闘い、生き抜こうとしているだけ……。


 緻密に計算された物語も、大っぴらに明かされることがないのは、ゲームにとっては物語は背景に過ぎないからだろう。
 演劇でいえば舞台裏。家でいえば土台。お客さんであるプレイヤーには見えてはいけない部分。

 けれど、クリスタルのセリフや、アッシュだけが聞けるセリフ、それらは「気づけるものなら気づいてみよ」という、製作者からのヒントであり、挑戦状だった――と言ったら、想像を飛躍させすぎかな。

 エラリー・クイーンが、自らの推理小説中で、読者に突きつける挑戦状のように――


  ――さあ。賢明なるプレイヤー諸君。必要な手掛かりはすべて与えた。
    9つあるエンディングのなかに、たった一つだけ、特別な意味をもつものがある。
    我々がこの作品に埋め込んだ謎を、解き明かせるものなら見事、解き明かしてみよ。
    気づくものが現れる日を、我々は楽しみに待つ。



 …………9年かかった。気づくのに。
 私が気づくくらいだ。もっと早く、気づいた人もいるに違いない。


 しかも私は、バカをやらかして落ち込んで、「自分はいったい、何なんだ?」と考え込んだそのついででないと、気づくことができなかった。


 やっぱり私は、気づくのがいつも遅い。

正と邪に分かれて

2016年02月21日 18時33分42秒 | 考察
 『64』のラストで滅んだはずのアンドルフだけど、ダイナソープラネットのクラゾアの力を借りて復活したり、アングラー皇帝として蘇ったりする。

(『コマンド』の『アステロイド/ミサイルの脅威』のあとの、ベルツィーノとの会話でフォックスが、「バイオ兵器の中にアンドルフのDNAが組み込まれていて その生命体が再びヤツの意思を反映してしまった…と言うことですか?」と言ってる。ベルツィーノは「そこまで断言できないが、(中略)かつてのアンドルフ軍に酷似している」と答えてる)


 しかし蘇った彼の姿は邪悪に満ちていて、理想郷を創ろうとした科学者の魂は宿していない。
 正と邪を兼ね備えていたアンドルフの、邪の部分だけが増幅してしまったものが、クラゾアと融合した彼であり、アングラー皇帝なんだろう。

 かれらは野望を果たすことができない。必ずフォックスたちに打ち砕かれる。

 彼の夢を引き継ぐのは、彼の正しい部分の化身であるアッシュだ。


 『コマンド』以降の時系列の『スターフォックス』が制作されることはもう無いだろうし、作られたとしても蛇足にしかならないだろう。
 『コマンド』の売り上げが振るわなかったから、という理由だけではなくて……、
 アンドルフの生まれ変わりであるアッシュが、彼の夢を引き継いでベノムを再生させる、というエンディングが用意された時点で、「アンドルフをめぐる物語」である『スターフォックス』は終焉を迎えているからだ。


 さらに。アッシュがベノム帝国の皇帝となるラストは、物語をふりだしへと戻してしまう。
 お互いの尻尾に食らいつく二匹の蛇のように、物語は大いなる円環を閉じ、永遠の存在となる。

 アッシュが「特別」だった理由がやっと分かった。
 なぜ、関わりのないストーリーのエンディングにまで顔を出すのか。なぜ『アッシュの選択』が最高難易度なのか。なぜ『アッシュの選択』にだけ、ジェームズが現れるのか。

 アッシュはアンドルフだ。邪悪な姿でしか戻ってこれなくなった彼に代わって、物語にピリオドを打つために生み出された、彼の正しい部分。

 『スターフォックス ゼロ』でまた巻き戻された物語が、同じ輪廻をくり返すことになるのか、それとも違った運命をたどることになるのか?
 それはまだ、きっと誰も知らない。

系譜につらなるもの

2016年02月21日 13時08分42秒 | 考察
 『トリックスターの系譜』が、Amazonから届いた。

 難しく、謎めいていてなかなか解き明かせないが、それでもときどき、脳裏に鮮やかにイメージが浮かぶことがある。
 トリックスターが何者か考えるうえで重要と思われる部分をいくつか抜き出す。

・トリックスターはあてどもなくあちこちを歩き回る。トリックスターたちは皆「旅をしている」。彼らは仲介を司る者であり、境を越える者である。
・トリックスターは中心に属しているのでなく、周辺に属している。
・トリックスターは汚れに対してこだわりなく自由な動きができる。そして水や火(新しいエネルギーや新しい策略、新しいテクノロジー、新しい心的洞察、新しい歩き方、それらを象徴する)を獲得できる。そして世界に根本的な変化をもたらす文化的英雄である。
・トリックスターは境界を越え、その区別を混乱させる。トリックスターは正でも邪でもある。曖昧と両面価値、二重性と裏表、矛盾と逆説の、謎に満ちた体現者である。



 ……『スターフォックス』ファンの私には、彼の姿がちらついて仕方がない。


 彼は超次元空間やバイオテクノロジー、多岐にわたる分野を探求し、新たなテクノロジーをもたらす。境界を越える。
 科学研究所主任を務め、世界の中心に属していたはずが、辺境へと追放される。
 硝酸の海がひろがり、酸素濃度も低く生物の生息には適さない、犯罪者の追放先としか思われていなかった汚れた場所を、命のあふれる楽園に変えようとする。汚れにこだわらず、世界に根本的変化をもたらす。
 偉大なる頭脳で世を治める救世主、神のような存在を目指しながら、悪魔へと変貌する。犯罪者であると同時に皇帝である。両面性を持つ。


 彼もきっと、トリックスターの系譜につらなる者だ。
 意図されたものなのかどうかわからないけど。
 「硝酸の海を浄化しようとする」という設定は『コマンド』ではじめて登場したものだから、少なくとも最初から意図されていたわけじゃない。きっと設定を積み重ねる上で偶然に、トリックスター的な性格を帯びてしまったんだろう。


 『コマンド』に登場するアッシュは「アンドルフの孫」という設定で登場してはいるが、実際は、若いころのアンドルフそのものだ。
 理想を胸に抱き、世界を変えることを夢見ていた彼。
 元々『スターフォックス』世界の中心だったアンドルフがいなくなったあとの世界に、新たな中心、彼の生まれ変わりとして創り出されたのがアッシュなんだ。
 アッシュもまた、「スターフォックスに憧れるコーネリア軍パイロット」から「ベノム帝国の皇帝」へと変貌する両面性を持っている。


 ……。

 スマブラの世界なら、『MOTHER』と『スターフォックス』のキャラが出会っても問題ないんだから、
 私がポーキーの姿を借りて彼に謁見し、トリックスター的な生き方について意見を交換することもできるんじゃないかな。

 ベノム帝国の皇帝に会って、親交を深めようなどとは畏れ多いようだが、ポーキーだって過去と未来を自在に旅し、すべてを操り、大勢のブタマスクたちを従える王だ。
 見劣りはするまい。

AはアンドルフのA

2016年02月19日 18時06分19秒 | 考察
『ライラット系第4惑星コーネリア…………
 かつては宇宙平和のリーダー的存在だったこの星も、Dr.アンドルフの恐ろしい発明により、絶滅の危機にさらされた。』
(『スターフォックス64』メインゲーム導入部より)


 『スターフォックス』の物語に、誰よりも先んじて登場するのは、アンドルフなんだな。
 フォックスでもジェームズでもペパー将軍でもなく。

 まるで、創世記に登場する神のように。

 彼は『スターフォックス』の世界の秩序を乱し、変革を迫る。物語の起点となったのは、間違いなく彼。

 彼以外のキャラクターは、彼に付き従う者、彼に殺される者、彼を利用しようとする者、彼と戦う者……立ち位置も思惑も様々だが、誰もが彼への反応のひとつとして創られ、配置されている。

 初代の『スターフォックス』から始まって、『スターフォックス64』『64 3D』『ゼロ』。
 シリーズの登場から何年経っても、スターフォックスは「アンドルフをめぐる物語」に回帰してしまう。
 それはきっと必然で、彼を起点にしないと、物語をはじめることができないんだ。

 『さらば愛しのファルコ』『アドベンチャー』『コマンド』、彼が物語から退場した後のはずの物語も、彼の影から逃れることができない。

 『アサルト』だけが唯一、彼から比較的自由になってはいるが、それでさえ、「アンドルフの残党どもめ!」というセリフから物語がはじまる。


「ヤツとの闘いは いつまで続くんだ……」

 フォックス。きみの感じたことは正しい。
 きみは彼への反応のひとつとして創られたキャラクターだ。彼から逃れることはできない。
 世界の中心にいるのはきみではなく彼だ。
 『スターフォックス』はそもそも、アンドルフをめぐる物語なんだ。

 耳を澄ませば聞こえるはずだ。彼の笑い声。
 世界の中心に座するものの高笑いが。
 
 

クロスセクション

2016年02月07日 23時50分47秒 | 考察


 G-ディフューザーシステムは、左右の青いところに入ってたのか。

 『64 3D』の販促の小冊子より。

 こういう、メカの中身が透けて見える図のことをクロスセクションって言うんだってことは、とある方のツイートで知った。
 日本語だと断面図とか、内部図解とか、かな。

 ……私、その「とある方」の制作されたアーウィンの考証本(同人誌)が欲しいんだけど、どうやって入手すりゃいいのかわからない。

 製作者に失礼な入手の仕方はしたくないし。

 ご本人に聞けば早いんだろうけどな。手間をおかけする気がするから聞きづらい。

 まぁよいわ。チャンスを待つ。

トリックスターについて

2016年02月06日 11時17分53秒 | 考察
 タロットカードは、一般的に78枚で一組。
 56枚の小アルカナと、22枚の大アルカナより成る。

 小アルカナは棒、剣、聖杯、硬貨の4つのスートにそれぞれ14枚のカードがあり、14×4で56枚。
 これがトランプの元になったとか、いやトランプとは無関係だとか、いろいろ言われるけど私にはよく分からない。

 占いでは、大アルカナよりも小アルカナのほうが重要らしいが、その理由もよく分からない。
(それなりの資格と覚悟を持つ者しか、占いには手を出してはいけないと思っている。私にはどちらも無い)

 22枚の大アルカナには、それぞれ寓意画が描かれている。
 魔術師、皇帝、戦車、隠者、太陽、月、星……などなど。
 『ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダーズ』に登場するスタンドのモチーフにもなってますね。

 ここで話題にしたいのは大アルカナのうちの一枚、『愚者』について。

 『愚者』の番号は0だったり22だったり、21だったり番号なしだったりする。タロットにより違う。
 私が持っているウェイト版のタロットでは、愚者は0番になっている。

 描かれているのは、棒の先に荷物をくくりつけ、太陽の下を呑気に歩く一人の若い男。
 男のあとには一匹の犬が、彼の足にじゃれつくようについてきている。
 荷物をくくりつけた棒を右手に、野で摘みでもしたのだろうか、一輪の花を左手の親指と人差し指で摘まんで持っている。のどかな空を見上げながら、なんの心配もない様子で歩いている。もうあと数歩先の足元に、断崖が迫っていることも知らずに。

 『タロット教科書 第1巻』(魔女の家BOOKS)によると、このカードに込められたイメージは、
「カバンひとつ肩に掛けた青年は、様々な経験を通し人生の糸口を求めています」
「彼はミシシッピ川を放浪するハックルベリーです。はかない人生をあてどもなく探し求めています」
「彼はさまよえる王子であり、吟遊詩人です。普通の人と違ったことをするので、世間の笑い物になっています」
「カードの人物の若さによって表現されているものは、力とダイナミックな意志です。人生における冒険が、旅行したいという欲望に不意に襲われた青年のイメージによって表現されています」
 ……だ、そうだ。

 タロットカードは正位置(通常の向き)と逆位置(上下逆さま)により、その解釈が変わる。
 正位置の解釈:大きな決心、好ましい偶然、自由、型にはまらない、無邪気、純粋、可能性、発想力。
 逆位置の解釈:おろかな決心、自己中心的な行動、軽率、わがまま、落ちこぼれ、焦り、注意欠陥多動性。

 この『愚者』のカードが持つイメージが、『トリックスター』と重ねられることがある。
 トリックスターとは、神話や物語に登場するキャラクターのタイプのひとつ。

 平凡社の世界大百科事典の『トリックスター』の項には、こう書いてある。

『策略や詐術(さじゆつ)を駆使して活躍する〈いたずら者〉がヒーローとして登場する神話や民話は世界各地にみられる。そのような登場人物をトリックスターという。トリックスターは,策略を用いる狡猾さ・賢さを賞賛される一方,欲望を制御できずに失敗する愚かさ・滑稽さを笑われる者であり,また人間に火や文明をもたらす文化英雄的な神であると同時に,単なるいたずら好きの反社会的な破壊者でもある。そこでは,善なる文化英雄と悪しき破壊者,あるいは賢者と愚者という,法や秩序からみれば一貫性を欠いた矛盾する役割が,一主人公の属性として語られる。』

 世界の秩序を破り、物語を引っ掻き回すいたずら者。それがトリックスター。

 『愚者』は、己を探求したいという欲望にかられて別なる世界に踏み出すが、自分自身の未熟さを制御できずに挫折してしまう……そういう点でトリックスター的なのかな、と思う。

 ↓たぶん、こいつらもトリックスター。

●ポーキー(MOTHER2、MOTHER3)
「もう このへんのいきものは ぜんぜんダメ。 
 もっと かっこよくしてやらなきゃ。 
 テーマは
 ・もっと つよく! 
 ・もっと わるく! 
 ・もっと らんぼうに! 
 アレとアレをくっつけて  みたこともないアレをつくるんだ。 
 なづけるならば みわくのキマイラけいかく。 
 じみちにコツコツと かいぞうしてやろう。」
「みらいと かこを じゆうに いききしてきた たびびと」
「すべてを おもいのままにしてきた」
「いまでもフェアに おしえてあげているんだ。 やっぱり そのほうが ゲームが おもしろくなるからね」
「りかいしてくれるね? かみのような そんざいになった ポーキーさまの かなしみを」

 ポーキーがギーグの側について策略をめぐらせなかったら。平和なノーウェア島の生き物を、キマイラに改造してしまわなかったら。きっともっと事は穏便に済んだはずなんだ。

 ……ところが一方で、UFOが墜落した夜にポーキーがネスの家のドアを叩かなかったら、あるいはドラゴやクラウスを改造してしまわなかったら、MOTHER2も3も物語が始まってさえいない。なんという皮肉。

●仮面ライダーディケイド
 平成ライダー10周年として制作された、同名の番組の主人公。
 「仮面ライダークウガ」から「仮面ライダーキバ」までの、9つの平成仮面ライダーの世界を旅して、おのおのの世界を救っていく。(それぞれの仮面ライダーの世界は、パラレルワールドという設定。ちなみに後半では平成ライダー以外の世界にも訪れる)

 なぜだかディケイドは、どこの世界に行っても歓迎されない。「世界の破壊者」「悪魔」と呼ばれて忌み嫌われ、排除の対象になる。

 どこの世界にとっても異物。己の属する世界を探して、遍歴する仮面ライダー。

 しかして一方で、忘れられかけた平成仮面ライダーの物語をふたたびよみがえらせ、バラバラだった各世界をひとつに繋ぐという役目も担っている。



 ……何事にも良い面と悪い面がある。
 トリックスターは神にもなれる反面、単なる破壊者に堕する危険性も秘めている。

 力を良い面に向けることができれば、複数の世界を往還する者、自由なる越境者、架け橋をつくる者、異なる世界同士を接続する存在、物語を発生させる者になれるかもしれない。

 無関係に存在していた二つの世界が交わる時が、物語の生まれる瞬間だから。
(ゆえに、『愚者』の番号は0なのかもしれない)

 正位置を保てるのか、逆位置へと落下するのか。

 未来はまだわからない。

セリニアってなんやねんな

2016年02月01日 22時14分49秒 | 考察
 『スターフォックスアドベンチャー』の英語版の説明書に、クリスタルは「惑星セリニアの唯一の生き残り」だって書いてある。

 セリニアなんて名前も、ダイナソープラネットの事件との関係も、『アドベンチャー』本編では一切語られないのにな。

 とってつけたような説明文で、クリスタルに過酷な運命を背負わせすぎじゃね??って思う。

 もっとなんか。キャラを幸せにしてあげてよ。
 見てるこっちが辛いんだよね。


 ……あ。人はこうして、キャラを幸せにしたくて二次創作をしてゆくのか?
 じゃあ私が幸せにしてあげないといけないのか。。なんとまあ。

スタフォ世界の女性たちのこと

2016年02月01日 22時06分17秒 | 考察
 アンドルフの奥さんってどんな人だったんだろ。
 どうも、不憫な想像しか出てこない。

 ジェームズの奥さんは?
 これまた、不憫な想像しか思い浮かばない。

 そもそもメインのキャラクターに、女性がほとんど居ないんだよな。『アサルト』まで。

 『コマンド』では、キャット、ルーシー、アマンダ……強くて明るくて自分の運命を自分で切り開いていく女性たちが多くてよい。

 クリスタルがちょっと不憫になってるけど。

 わたくしチキン野郎なので、『コマンド』あたりの、クリスタル、フォックス、パンサー交えたドロドロをあまり想像したくない。

 フォックスとクリスタル。しあわせな二人だけ夢見ていたい。

 いいよね。それでも。

アッシュのこと

2016年01月29日 21時29分29秒 | 考察
 アッシュ・ボウマンが『スターフォックスに憧れる、コーネリア軍のパイロット』になれたことって奇跡だよね?
 これまで深く考えてこなかったけど。

 まず、アンドルフの存命中は、アンドルフが接触を図る可能性から、コーネリア軍の監視下に置かれていたはず。アッシュ本人も、両親も。
 それはアンドルフの死後も、形を変えて続いただろう。アンドルフ軍の残党が彼を利用する可能性だってあるんだから。

 加えて、いわれなき差別。
 筋違いの怨嗟。
 恐怖と嫌悪。
 怪物を見るまなざし。

 この状況で多感な時期を過ごして、精神が歪まないほうが異常に思える。

 他人に対する憎悪を鋼鉄の意志で覆い隠して、明るい自分を演じている……とは思いたくないし、無理があると思う。
 他人はアホじゃない。心の底に憎悪を燃やしているとしたら、間違いなく見破られる。

 スターフォックスへの純粋なあこがれが、アッシュを救ったんだと思いたい。

 ちょうど、この現実世界で19年くらい前、ニンテンドウ64で『スターフォックス64』を遊んだ沢山の人間が、素直な心でフォックス達に憧れたように。

 憎悪に身を投じて生きるより、自由に空を駆ける戦士たちに魅かれる自分のままで生きることを選択したんだと思いたい。

 彼らが祖父の敵であることも忘れるくらいの、恋にも似た胸の高鳴りとときめきが、憎悪を溶かす。


 ……その彼が、やがて再び皇帝を名乗り、宇宙の脅威となる未来もあるわけだけれど……。それはまた、別の物語。

ジェームズの左耳

2011年08月27日 02時16分31秒 | 考察
 『64 3D』でアンドルフの居城から脱出するとき、ジェームズの顔をよーく見てみてよ。

 左耳が欠けたみたいになってる。

 さらに、メインゲームを始めるとき見られるストーリー。
 ジェームズ、ペッピー、ピグマの、初代スターフォックスメンバーが揃った場面では……ジェームズの左耳は欠けていない!

 さあ。これはどういうことか、気になるよな。

 『アサルト』『コマンド』のジェームズはどうだったろう?と思って見直してみたが、細かくてよくわからない!

 ジェームズの左耳……もしかしたらこれも、彼の生死を解き明かす鍵になるかもね。