すさみゆく 浮世の常を とほく見て ひたにすすまむ まことなる人
*世間の様子を見ていると、わたしたちがどんなに叫んでも、変わろうとしない人間の姿ばかりが目につきます。
偽物の自分を着て、いかにもよい人間だという感じにして、みんなに見せつけている。その正体が丸見えだということに、まったく気づいていないわけでもないのに、舞台を降りることができない。
芸能界などはもう腐りきっていますよ。かわいい顔をした女の子の正体がみんなに見えるのに、まだやっている。天使の真似をしている男や女がたくさんいる。それがみっともないなどというものではないのに、やめられない。
人間は自分がつらいのです。何にもしていない、何にもないのに、醜いからです。あまりにも自分を小さく感じている。それなのに、見栄えが通用しなくなった。見せかけだけの幸福が通用しなくなった。
本当の幸せは、まったく別のものなのだ。
本当の幸せとは何か。もちろん、本当の自分を生きることです。その本当の自分がどういうものかを、馬鹿はわかっていない。ただの馬鹿と思っているのです。自分は何もしていないから、いやなことばかりしている、とるにたらない馬鹿だと思っているのです。
だが真実はそうではない。解脱して本当の自分に帰る時、人はそれがどんなに美しく、いいものかを知るでしょう。あきれるほど美しい自由の翼が自分にあることを知る。その自由は何でも好き勝手にしていいということではないのだ。愛のためにすべてをやることができる自分の自由なのです。
理屈では説明できません。解脱して初めて、人間は本当の自分のすばらしさを知ることができる。
できるのです。わたしたちは、すばらしいのです。
愛のために愛で自分をやっているときの幸福はすばらしいものです。もうそれが人間にわかりかけてきている。
偽物の自分は捨てましょう。それは馬鹿だと思い込んでいた自分を隠すためのものだった。嘘ばかりついて、永遠に自分から逃げるためのものだった。それはあまりにも激しい苦しみだ。偽物でいる限り、永遠に終わらない。
もう人間はその苦しみを捨て、本当の自分に帰っていくのです。本当の人間は、その道を、まっすぐに行くでしょう。