こころ模様

人はなぜ生きるのでしょうか。希望、居場所、時間というキーワードから、人生とは何かについて考えていきます。

静から動へ

2005-04-24 02:44:55 | 時間
今、イギリスのシェフィールドでスヌーカーのワールド・チャンピオンシップをやっている。BBCで毎日放送しているので、夜はそれを見ることが多い。インターネットでルールも調べた。やはりルールがわかると、見ていて面白い。11年前にベルギーに来たときには、そのときにはルールがわからず、ただただ上手に球を落とすものだと感心して見ていただけだった。

チャンピオンシップも大詰めに近づいてきた。Steve DavisやJimmy Whiteというような、11年前もよく見かけたようなベテランが若手を破って活躍しているのを見ていると、自分も勇気づけられてくる。

それと今回、各選手が球を突く前にピタッと姿勢を決めていることに改めて気が付いた。スヌーカーはビリヤードの一種だから、止まっている球をキューで突く競技である。そのときにキューを持った腕以外は、ピタッと止まっている。そうした静止の時間があって、素晴らしい球筋が生まれてくるわけだ。陸上競技にしても同じだと思う。スタートの直前は、全身を緊張させながら静止して、スタートの合図を待っている。

このところ、私たちの周囲は忙しいことばかりで、いつもいつも動き回っているような気がする。しかし、そんなふうに落ち着かない時間を過ごしているばかりだと、スヌーカーや陸上競技の選手ような一瞬の「爆発的な」力を発揮できないままで終わるのではないかと思ってしまう。やはり人生にも時々は静止する時間が必要なのだ。

今、私がベルギーで過ごしている時間は、私にとっての「静」の時間だと思う。その後に、来る「動」を準備する時間として。