こころ模様

人はなぜ生きるのでしょうか。希望、居場所、時間というキーワードから、人生とは何かについて考えていきます。

Antiques Roadshow

2005-04-18 05:49:10 | 歴史
毎週日曜日の夜にBBC1でAntiques Roadshowという番組を放送している。今年25周年になるという人気番組だ。

2年前、シェフィールド大学に客員教授として4週間いたときに、ホームステーでお世話になったバーナード家の奥さんのパットが好きな番組だった。彼女の脇でいっしょに見ながら、イギリスには19世紀やそれ以前の古い家具や陶磁器、食器などを家に持っている人が多いのだなと感心していた。

あるとき、番組で「根付け」が紹介され、説明したことを覚えている。日本で「根付け」を大事に持っている人はどれぐらいいるだろうか。普段の生活で着物を着ることもなく、ましてや、キセルや印籠を持つこともない西洋人が、東洋の「骨董品」を大事に保管しているのは、オリエンタルなものへの憧れがあるのかもしれない。だが、自分たちの伝統的な文化財も同じように大事にしている。毎回地域を替えておこなわれる「品評会」には、多くの人がいろいろなものを持って集まってくることが、それを証明している。

Antiques Roadshowを見ていて面白いのは、持ち寄ってきた人が「骨董品」にまつわるストーリーを語るところだ。それぞれの品には、それ自体の古い歴史があるだけでなく、その品と出会った人の「小さな歴史」がある。さまざまなジャンルを専門とする鑑定人が、やさしい語り口で、そうした歴史を紐解いてくれるのである。


シェフィールド滞在記

古い物を大切にする

2005-04-18 01:16:30 | 歴史
昨日の日曜日、ルーヴァン大学図書館で開かれていたGevaar! Erfgoed dag(危険 遺産の日)という展示を見てきた。このポスターを見ても、どんな内容なのかちょっと見当がつかなかった。

図書館に行くと、15世紀の古い地図が展示してあった。糸綴じで本を作る人、カリグラフィーを書く人、同版画印刷をする人などもいる。「危険」という言葉と、そうした展示や職人の人たちとどうも結びつかない。

今日の展示の目的を図書館の係の人に質問したら、古い伝統あるものに関心をもってもらい、それを守って欲しいという意図だということがわかった。「危険」が意味するのは、新しいものに取って代わられる危険性がある古い技術や伝統なのだった。

来ている人たちは熱心に質問したりしている。オランダ語なのでわからなかったが、関心が強いように感じた。伝統を大事にしようとする気持ちが伝わってきた。

歴史の流れのなかで私たちは生きている。そのことを意識することの大切さを改めて感じさせられた。