日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

GM ハマーを中国へ売却か

2009-06-03 | M&A
GMが「ハマー」を中国重機中堅の四川騰中重工機械に売却する交渉を進めていると報道されていますが、China Dailyによると

 GMはハマー部門の売却に辺り中国の四川騰中重工機械と暫定合意に達した。四川騰中重工機械は、ハマーの経営幹部層を含む事業部門の人員をそのまま維持する事を約束した他、長期的な組立や主要部品の供給についても合意し、かつハマーの代理店網についても四川がそのまま引き継ぐ事に合意した。法的な手続きを経て、第三四半期にはディールは終結する見込み。買収金額に付いてはまだ討議中であるが、100億円の現金といくつかのコミットメントを付け加える事になるだろうとの事。

 中国の自動車メーカーや部品メーカーは、クライスラーの倒産時にも幾つかの部門の買収に動いたが成功に至らず、是が始めてのケースになる。

 四川騰中重工機械は四川省をベースにした特殊車両や建設機械、エネルギー施設、橋梁・高速道路の構造物を作る重工会社であり、今後高付加価値のオフロード者に参入することになる。四川騰中が海外の自動車のオペレーションを経営した事はない。

 GMによれば、買収者はH3とH3Tをルイジアナに有る今の工場で、2010年までは製造する。また、将来の自動車開発にも投資をすると公表している。この工場には800人の従業員がいる。

 GMは、昨年6月の時点ではハマーを500億円以上の価値が有ると算定していたようですが、チャプター11によりリーズナブルな価格での売却が困難になったと判断した。今年の1-4月の売上は前年比で3分の2に減少。
 今後GMはサーブとサターンを今年中に売却し、ポンティアックは2010年中に事業停止する計画でいる。全体の売上の80%を占める残りのシボレー、キャディラック、GMC、ビューイック部門だけで再建を図る
http://www.chinadaily.com.cn/china/2009-06/03/content_7965803.htm

⇒ハマーが100億円というのは、通常の感覚なら安い気がしますがどうなんでしょう?日本の道路では車がでかすぎて販売しにくい(でもファンはいますね)と思いますが、アメリカはもちろん国土の大きい中国や、砂漠の中東、ロシア等の市場は狙える素材じゃないですかね?

 買収した会社は良く知りませんが、四川省の重工業企業ということになると、もともとの前身は軍事企業だったのではないでしょうか(毛沢東の戦略で軍事関連企業はすべて内陸部におかれた)?ハマーは元々は米軍の軍用車を民間用にアレンジしたものなんですけど、そのH1については記述されておらず、ハマーの中での最小のH3についてだけ米国の既存工場で当面そのまま製造するとされていますね。

 日本企業にとってアメリカの自動車メーカーを買収しても、技術面でも特にメリットは無いでしょうが、発展途上の中国企業にとっては自動車製造及び開発技術の取得という面でも魅力的な存在かもしれませんえ。特に元々が軍事用から来ていますので、どこまでH1の情報がH3とか買収した部門の内部に残るか不明ですけど、中国政府自体も欲しい技術があるのではないでしょうか。

 上海でもたまにみかけます。車体が大きいので中国人の金持ちの面子を考えると日本よりは販売しやすい車だと思います。それに、近年オフロード車でチベットに行ったり、新疆自治区の砂漠を走ったりするのも若者には人気があるようですので、意外といけるかも。

 一方、中国企業ってレノボのIBM PC部門、上海自動車の韓国の双竜自動車等買収が失敗したんじゃないかっていう事例が結構あるので、まぁなんともいえません。今後、日本を含む先進国の製造業がおかしくなると、中国による買収案件は増加するのではないでしょうか?

 問題は。日本企業もそうですが、中国企業も独特の文化のためにアフターマージャーを上手くできるか。
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