日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

首相「医者は常識欠けた人多い」 医師不足で、後に謝罪

2008-11-20 | その他
日経の記事ですが、首相の失言として取られているのですね。防衛庁の幹部の歴史認識に関しては、色々外部の批判が出るのも理解できますが、以下の医者と母親に関しての発言は、現在の社会常識というか一般認識の本音を漏らしてしまったというところでしょうね。

 医療に接している業界関係者であれば、日本の医者に非常識な方が多い事は十分に理解しているはずなんです。医師不足という事もあり、本人の腕に関らず医師免許さえあれば北海道や九州等の僻地に勤務するとそれだけで年収3-4千万円が確保できてしまう。私の知人でも群馬の田舎にある精神病院に勤務医として勤め、週に2回か3回の勤務で年収2千万円。あいた時間で医療系の企業を経営している人がいます。医者として稼いだ給与も事業に突っ込んでいるのでその辺は認めてあげるのですが、彼の発言「開業医になれば年収5千万円なんて楽勝だからね、社会的地位も高いし医者ほど良い商売は無い」。

 新興私学医大では、入学金数千万円、学費が年900万円だそうです。まぁ普通の家庭の子供が入学できる処ではないですね。東大慶応といった一流大学医学部出身者は相当に過酷な受験戦争の勝利者といえますので、その努力に見合う対価を受けるという意味では納得できる人も多いかと思います。でも新興私学医大になると、偏差値を見る限り決して高くは無いですし、これは存在そのものが実に奇怪にしか思われません。大学といいながら、実態は医師国家試験の予備校に近い存在のようです。医者も研究医と臨床医と分けて、かつ臨床医も所謂ホームドクターの様に幅広く一時診療をする方と、大病院で専門分野の治療をする人では要求される能力も大きくことなりますので、現在の医師国家試験もそういう実態に合わせて改良すべきではないでしょうか。

 日本の医療の崩壊は散々言われていますし、真面目な勤務医の方々が開業医とは比べ物にならない給与で頑張っている姿も多く見てきました。一方、儲け主義に徹したふざけた開業医も非常に多く、日本医師会という有力な政治団体がその開業医を中心に構成されているという不思議な実態=本来の医療に必要な事では無く、金儲けに結びつく医療政策が採られやすくなってしまう、にも疑問を感じています。

 昨今歯医者さんは競争が厳しくて、サラリーマンレベルの収入も確保できないそうです。医者もそれだけ多くの人数を供給すれば良いんですよね。一般家庭の子息でも入れる大学の医学部の枠を増加し、偏差値の非常に低い私学医学部は全部閉鎖して教員も全てそっちに回せばよいはずなんです。大体、研究医と臨床医に求められる能力そのものも大きく異なりますよね。外科医なんて、頭脳の優秀さも必要ですが、手先が不器用な人ではどんなに頭が良い人でも執刀される方は怖くてしょうがありません。

 ちなみに上海では、日本の歯科医が当地で開業しています。日本人の人口が流動人口を加えると10万人前後になるとの事。日本より機会があるとの判断の様です。でも歯科医でも現地採用の募集広告をみると、一般日系企業の現地採用レベルの給与でオファーしているようです。一方医者に関しては年収1200万円程度でした。住宅などの付随保障がどうなるのか不明ですが、おそらく中堅企業の駐在員クラスか大企業の若手の金額水準でしょうか?日本で開業すれば稼げる人たちなので、当地にこられる方は意識の高い方か、上海に興味のある方なんだろうと想像します。

 まぁ、弁護士、公認会計士に関しては試験制度が変更され公認会計士は今年は確か4000名も合格したとか。一部の狭い領域の試験合格者間の競争から、アメリカ的に資格取得後の競争という世界になっていくのでしょう。法曹従事者の増加はアメリカみたいに訴訟件数の拡大を呼ぶといわれていますが、試験と実践で求められる能力は異なりますので、良い流れではないかと思います。医師の増員を手がけるそうですが、ようやく適正な流れになってきたのでしょうね。でもお医者さんも経験が10年位無いと実践は厳しいとの事で、記述の知人はあと10年は安泰だと発言していましたが、逆を言えば後10年くらい医師不足が続く事になるということですね。

 中国では無理かもしれませんが、医療領域でオフショアの事業機会が出てくるのではと思います。

>麻生太郎首相は19日、首相官邸で開いた全国知事会議で、地方の医師不足問題に関連し「地方病院での医者の確保は、自分で病院を経営しているから言うわけじゃないが大変だ。社会的常識がかなり欠落している人(医者)が多い。とにかくものすごく価値観が違う」と指摘した。

> 日本医師会の中川俊男常任理事は同日の記者会見で「信じられない。首相がそ なことを言うはずがない」と困惑気味に語った。首相は同日夜、記者団に「まともなお医者さんが不快な思いをしたなら、おわび申し上げる」と謝罪した。

 首相は知事会議の直後に出席した全日本私立幼稚園PTA連合会全国大会でも珍発言を連発。あいさつで「普段からお子さんを預かっていると思うが、子どもより親で苦労していると思っているんだけど」「しつけるべきは子どもじゃなく母親なんじゃないか」と批判した。(19日 22:02)
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