クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

シベリウスの交響曲第2番ニ長調 マゼール/ウィーン・フィル

2007年07月14日 04時52分24秒 | 交響曲
台風4号が接近中です。四国は昨日から強く降っています。
今日から始まるはずたった高校野球愛媛大会も順延になりました。球児の夏は明日が開会式です。

さて、今日はシベリウスの交響曲第2番ニ長調 作品43。
ロリン・マゼール指揮ウィーン・フィルの演奏。
1964年の録音。DECCA原盤の懐かしいLPを取り出してみた。

DECCA録音で聴くウィーン・フィルの音の安心感。
ウィーン・フィルは長いことDECCA専属の時代があったせいか、ついついDECCAの音がウィーン・フィルの音のイメージになってしまう。
ホルンやオーボエはウィーンそのものの音。そして弦の輝かしさと濡れたようなしっとり感。全く素晴らしい。

シベリウスの音楽は、余計なものを削って、どんどんシンプルになっていくところがある。そして、聴けば聴くほどに、北欧の冷涼な空気が部屋に満ちてくる。
弦のサヤサヤした響き、風のような肌触り。それはまったく、冷えた空気のよう。
そして、管楽器のアンサンブルの素朴で田舎くさいところもイイ。人情味さえ漂わせる郷愁の響きだと思う。

マゼールの指揮は、ケレン味たっぷりで、千両役者の指揮ぶり。若い頃のマゼールは、天才的なひらめきと、「そこまでやるかい?」と思わせるあざとさとが一杯で、聴いていて実に面白い。セルの没後、クリーヴランドに行く前が、特に面白いと思う。
(もちろん、今も場外ホームラン的な大名演が時々はあるのだが・・・・)

旋律が粘り、アクセントは強く、緩急も自在。若々しくエネルギッシュ、終盤では燃えたぎるような情熱が発せられる。
そして、時に見得を切るようなところも、いかにもマゼール。

その点では、このシベリウスは異色、一種異様な演奏なのかもしれない。
素晴らしいのは、そのマゼールのやりたい放題を、ウィーン・フィルがしっかり受け止めて、しなやかに応じているところだろう。その包容力は、さすがと云うべきか。

ファースト・チョイスには向かない演奏と思います。
が、セカンド・チョイス、あるいはシベリウスに慣れ親しんだ人には、大いに奨めたい演奏ではあります。
面白いです。

録音は40年以上も昔のものとは思えない鮮明さ。
素晴らしい録音と思います。
DECCAの録音技術の高さを改めて感じます。
マゼール/ウィーン・フィルのシベリウスは輸入盤の廉価盤全集として今は出ていますが、CD化も成功して、大変聴きやすい音に仕上がっていると思います。
(CDの全集は3000円程度で買えるんじゃないでしょうか。)



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