クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

モーツァルトのピアノ協奏曲第26番 K.537「戴冠式」 ブレンデル(Pf) マリナー/ASMF

2009年01月24日 03時24分00秒 | 協奏曲
ブレンデルが引退しました。昨年末、ウィーンではチャールズ・マッケラスと組んでのコンサートを開いたそうな。ああ、もうそんな齢だったんだなぁとと感慨深いものがあります。ブレンデルは独墺系ピアノ音楽の本流を行った人だったろう。バッハ・アルバムは素晴らしかったし(これ愛聴盤であります)、モーツァルトはソナタも協奏曲も実に良かった。ベートーヴェンだってソナタと協奏曲は何度も録音していた。(「月光」は僕のリファレンスであります)。そしてシューベルトの作品集はアナログでもデジタル録音でも聴くことができました。シューマンやリストだって素晴らしい。ああ、王道だなぁ。そこで、今日はブレンデルのモーツァルトを取り出しております。モーツァルトのピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」。アルフレート・ブレンデルのピアノ独奏、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管の演奏。1983年12月、ロンドンでの録音。フィリップス原盤。軽快なテンポで始まる第1楽章。気持ちの良いアレグロを支えるは、マリナー/ASMFの手慣れた伴奏。堅実でスキがなく、キッチリとした管弦楽と思う。ブレンデルのピアノも気持ちよさそうに、悠々と進んでゆく。音色はいつも通り美しい。乳白色の美しさ、人肌のぬくもり。カデンツァはブレンデル自身のもの。よく考えられ、計算され尽くしたピアニズムという感じ。それこそ、ブレンデルの本領だろう。第2楽章はラルゲット。ピアノとオケの対話が楽しい。互いに適度な装飾音を交えながら、優美なロココの雰囲気を盛り上げてゆく。両者とも柔らかく優しい音楽づくり。自然で暖かい演奏なので、ぬるま湯的な印象も受けるのだが、これはまた何と気持ちよくほのぼのとしてくるお湯だろう・・・・。第3楽章は快活で軽快なフィナーレ。アレグレットとあるけれども、もう少し速い感じ。ブレンデルのピアノはますます好調。どの音も美しく鳴って、切れ味も良い。モコモコとしたところがないのが、聴いていてスッキリ爽快。録音は今も素晴らしいです。デジタル録音初期のものなんですが、硬さもなく大変清々しい音に仕上がってます。オケとピアノの位置関係も良く、ピアノが前面に優雅に鳴り響き、バックでオケがしっかり支えてゆく、その音場感、臨場感がたまりませんです。フィリップスって、ホンマにエエ録音を遺してくれてますね。
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