クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第17番 「テンペスト」 ペーター・レーゼル(Pf)

2007年07月15日 04時50分34秒 | 器楽曲
台風4号で、四国は大雨でした。北四国は、風はあまり吹かずに、主に雨でした。
四国のダムはほぼ満タン、全域で水不足は解消したようです。

その雨の中、佐川急便の配達があって僕はホクホクです。大雨強風をついての配達は大変だろうに、エライもんです。
届いたのはHMVからのボックスものであります。ペーター・レーゼルの箱物2つと、S=イッセルシュテットのブラームス交響曲全集。
レーゼルは昨冬に協奏曲集の箱物を購入して、これがなかなか品の良い佳演が多く、いつかは独奏曲を聴いてみたいものと思っていたところ、都合良くというべきか、生憎と云うべきか(・・・(^^ゞ・・・・また未聴CDがふえてしまうかもしれない・・・・)、HMVがバーゲンをしており、1箱2000円以下で買えてしまう驚愕の価格設定
これを買わんテはアリマヘン・・・・・(^^ゞ。
(我がDoblogはアフィリなんとかとは無縁のブログですので、ご安心してクリックしてください・・・・・(^^)・・・)


というわけで、今日はレーゼルを聴いています。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第17番ニ短調作品31の2 「テンペスト」。
ペーター・レーゼルのピアノ独奏。
1984年、ドレスデンのルカ教会でのアナログ録音。ドイツ・シャルプラッテンはデジタル録音の開始が遅く、この時期でもアナログのようだ。CDの表記はADDとある。

レーゼルのピアノは模範的なもので、ガッチリした構成と端正な姿勢が特徴になっていると思われる。純ドイツ風の演奏とも思うのだが、往年のドイツ系の名手たちのように剛毅であるとか、低音を基調にガンガン鳴らすというわけではなく、至ってスマートで職人的な弾き方がレーゼルのスタイルと思う。
一つ一つの音を丁寧に弾いてゆくうちに、曲全体が完成してゆく感じ。レンガ造りの家をこつこつと積み上げてつくってゆくような、真面目で地道な作業を厭わずに、真摯な態度が感じられて、好感が持てる。

音も美しい。
ルカ教会の音響がモノをいっているのだと思うが、たっぷりとした響きで実に心地よい。音色は、磨き上げたという感じではなく、適度な湿度と自然な質感が味わえる、いわば素朴な美しさ。柔和で、時に豊麗な響きも良い。
ロシアの名ピアニスト、レフ・オボーリンに学んだせいか、多彩な音色も持っている。

さて、「テンペスト」。
第1楽章の緊迫感はなかなか強い。ベートーヴェンの魂が軋んでいるような音楽が聴ける。レーゼルの演奏は職人的構成感が良い。ここでは、こう弾く、あそこではあの弾き方・・・・・というように計算も十分にされている感じ。

第2楽章は穏やかな間奏曲風の演奏。
曇り空の日に、薄日が差し込んでくるような柔らかさがイイ。

フィナーレは美しいメランコリー。
レーゼルのピアノはここではダイナミクスが大きくなり、劇的になる。
前2つの楽章が詩的なファンタジーに富んでいたのに、うってかわって、迫力も十分。
透き通って、粒立ちの良い音が実に心地よい。緩急も自在で、気持ちよく弾いている感じ。

録音は、ルカ教会の音響が素晴らしく、今も十分に聴ける水準と思います。
アナログ的な柔らかさ、豊かさも感じます。
聴いてゆくのが楽しみなボックスセットであります。




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