クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ジュリーニ/ロスPOのブラームス 交響曲第1番 ハ短調 作品68

2011年05月31日 04時59分39秒 | 交響曲
旧聞に属しますが、「ジュリーニ・イン・アメリカ」という輸入盤BOXものが発売されています。2種類ありまして、一つはロスPOとのベートーヴェンやブラームス他もう一つはシカゴSOとの交響曲9番シリーズ他の箱物です。廉価盤となって激安になりました。1970年代後半から1980年代前半の演奏・録音で、長いことレギュラー盤だったものも多いです。
これは、おすすめでありまして、名指揮者ジュリーニの全盛期の演奏を堪能できます(一応リンクを張っておきましたが、ワタクシはHMVの回し者ではありません)。
まだお買い求めになっていない方は、お急ぎのほどを。
どちらか一つというなら、断然、シカゴSOとの9番交響曲ボックスを。シューベルトの「グレート」は最高の名演ですし、「新世界」マーラーの9番も、「展覧会の絵」もほんまもんの名演と思うのです。

あ、ボクは買わんのです。LPやCD単発で持っておるのです・・・。購入当時の価格を思うと、涙がでます。高価でありました・・・(T-T)。

ということで、今日はジュリーニとロスPOの演奏からです。
LPを取り出しました・・・。

■ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68
■演奏:カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロサンゼルス・フィル
■録音:1981年11月 UCLAロイス・ホール DG盤のLP

ジュリーニは王道をゆく。
第1楽章の堂々たる、悠々たるテンポ!
急がず慌てず、誠実におのれの信ずるところを正々堂々と進んでゆく。これこそ王道たる演奏だ。
だからというべきか、弦楽セクションからも管楽セクションからも、多様で微妙なニュアンスが浮かび上がってきて、えもいわれぬ味わい。オトナの楽しみを味わえる演奏と云ってもいいかもしれない。
後年、ウィーン・フィルと録音したブラームスも遅いが、このロスPO盤の方が、リズムの弾み方に若々しさがあると思う。

第2楽章も遅い。ゆったりとした音楽の運びから、ジュリーニの歌がわき上がる。そして、何と心やさしい演奏か。特に弦楽セクションのアンサンブルがよいので、その優しい歌が惻々と通ってくる。これは名演と思う。
楽章最後のホルンとソロ・ヴァイオリンの美しさは、もう涙なしには聴けない。

第3楽章、管楽器の味わい深い演奏が印象的。
クラリネットやホルンの暖かく優しい音色がたまらない。

第4楽章はしっとりとして味わいの表現。阿鼻叫喚にならず、勝利の空騒ぎにならず、ジュリーニの音楽は格調高く志操高く、気品さえ漂わせるもの。
フィナーレの大団円も素晴らしい。

ロサンゼルス・フィルは大健闘。音もヨーロッパ調ともいうべき潤いのある渋めの響きで好感が持てる。西海岸のカラッとした明るさを期待すると肩すかしを食らう。
DGの録音の方向なのか、ロイスホールの特徴なのか、残響が美しく、スケール感も大きい。
実にイイ録音と思いました。

この演奏、第1楽章提示部の反復も行っていて、全曲演奏に何と53分もかかります。これは、最も長いブラームスの1番の一つでしょう。
しかし、長いからと云って冗長さを感じることはありません。
ジュリーニの歌にうっとりするからでしょう。

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6 コメント

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中古LPで聴きました (HABABI)
2011-05-31 22:53:24
mozart1889さん、こんばんは

ジュリーニは好きな指揮者で、演奏録音をいろいろ集めました。ご紹介のこの演奏録音も、中古LPで入手しました。聴き応えがありますね。これを録音した頃のジュリーニも良かったですね。もっと若い頃の、きびきびした演奏も好んで聴きます。

ジュリーニに限らず、もうかなりの数のLPやCDを集めてしまい、聴かないままになってしまうのが沢山でそうになって来たので、すぐに聴きたいもの以外の新たな購入を控えています。今までHMVには随分お世話になりました。HABABI
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>HABABI 様 (mozart1889)
2011-06-01 04:56:34
おはようございます。コメントを有り難うございました。
この時期のジュリーニ、良かったですね。僕は大好きなんです。初めて買ったのは「新世界」のLPで、中古盤でした。素晴らしかったので、次に「グレート」を。これも最高、今も愛聴しています。いずれもシカゴSOで、当時のシェフのショルティよりも相性が良いんじゃないかと思ったものでした。

HABABIさんは新たなCD購入を控えていらっしゃるとのこと、ボクもその気持ちよく分かります。聴かないままで終わっているCDがホンマに増えてきました。激安の時代だからこその贅沢、いわば飽食の罪を感じています。
ボクも控えなきゃなぁ・・・・と自戒しています。、
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ロス・フィルボックスを (shibera)
2011-06-02 00:45:57
購入した時、すぐにシカゴとのボックスも激安で出るんだろうとむなしさに苛まれていたら_やっぱり。ま、いい時代なのかな。展覧会の絵なんて、地味だとの評も一部であるようだけど、少なくとも私の装置では、ずっしりとかつブリリアントに鳴り響いてくれます。mozartさんもよく言われますが、70年代、アナログ完成期の録音は、各社とも素晴らしいですね。個性もあって_ところでCD購入を控える?私も「もうこれで止めよう」と何度思ったことか。けどズルズルと時は流れて_さて、今日のオークションは_ではまた。
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>shibera 様 (mozart1889)
2011-06-02 05:15:01
おはようございます。コメントを有り難うございました。
ボクも何度も思うんです。「もう、CDを買うのはもう最後にしよう!」って。・・・・しかし、うまくはいきません。「業」というかビョーキというか・・・・もうどうしようもありません。
学生時代にビンボーでなかなかLPが買えなかった反動なんでしょうか・・・・困ったものです。shiberaさんも同様とのこと、ちょいと嬉しくなりました。
有り難うございました。
それにしても1970年代後半のアナログ完成期の録音はエエですよねえ・・・・。
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ジュリーニ (吉田)
2011-06-04 18:21:53
こんにちは。
ジュリーニとロスのボックスはワタシも買いました。引き締まった響きがよいですね。ジュリーニはとくにこの時代がいいように思います。
シカゴボックスのほうは、全部ダブっているので、ちょっと迷っています^^
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>吉田 様 (mozart1889)
2011-06-08 03:46:57
コメントを有り難うございました。
「ジュリーニ・イン・アメリカ」というタイトルだったでしょうか、2つのボックスが出ています。これは2つとも持っていたいジュリーニの名盤オンパレードですね。・・・って、ボクはダブりが多すぎて、よう買いません。特にシカゴのは最高の名演ばかりと思います。
ロスPOとの演奏は、この田園も奏ですけれど、シックで落ち着いた響きがたまらないです。ヨーロッパ・トーンとも云うべき渋い音が、ジュリーニの歌と相まって素晴らしい演奏になっていると思います。
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