クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

シューベルトのアルペジョーネ・ソナタ D821  ロストロポーヴィチ(Vc)&ブリテン(Pf)

2011年06月03日 04時56分21秒 | 室内楽曲
梅雨は小康状態のようですが、当地では午後ににわか雨があります。
その後は少し蒸し暑くなりますが、まだまだ過ごしやすい初夏であります。

さて、今日も懐かしいLPを取り出しております。
往年の名盤、これをエントリーするのは初めてかしら・・・・。

■シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821
■演奏:ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)、ベンジャミン・ブリテン(Pf)
■録音:1968年7月  DECCA原盤 国内発売はキングのLP

懐かしいLPレコード。
学生時代に中古盤で買って、今も時々取り出しては聴いている。今はMMカートリッジでたっぷりと、トロッとした音で鳴らすのが気に入っている。特にチェロには合うように思う。

ロストロポーヴィチのチェロの音が深々として、包み込むような温かさ。優しさ。
チェロという楽器はとても父性的だ。暖かく時に厳しく、そして包容力のある音を響かせる。
このディスクの素晴らしいのは伴奏にブリテンを得たことだろう。
ロストロポーヴィチの豊かなで大らかでたっぷりとしたチェロの歌!
そして、ダイナミックレンジが大きく、感情的にも振幅の大きいブリテンのピアノ!
往年の名盤であるけれど、おそらく今もこの演奏をしのぐディスクはないんじゃないかと思わせるような1枚。

あまり「決定盤」という言い方はすきではないのだが、じっくり聴けば聴くほど、この二人の世界に引き込まれて、魅了されてしまう。
「ああ、これ以上の演奏はないわいなぁ・・・・」と思わず呟いてしまう。

シューベルトの音楽が、なんとスケール雄大に再現されているのだろう。
シューベルトって、こんなに恰幅のよい作曲家だったかしら?
市井の人々や青春を生きる若者の、はかない哀しさを歌うような作曲家で、「小さな世界」が似合うようなところもあると思っているのだけれど、このアルペジョーネ・ソナタは深淵広大な宇宙の果てまで到達してしまいそうな音楽であり、演奏であると思われた・・・・。
いや、ホンマにすごい演奏。

録音はさすがに古びたような気もしますが、チェロのしっとりとした音は十分に鑑賞できます。
もともとは優秀録音だったはずです。
30年間愛聴してきたLPは、まだまだ元気であります。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なんとも懐かしい (narkejp)
2011-06-03 21:56:59
レコードですね。雑誌FM-fanの表紙を飾ったこともあったのでは、と思います。学生食堂のラーメンは、たしか1食100円でした。LPは2000円でした(^o^;)>poripori
アルペジオーネ・ソナタ、いい曲ですね。
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>narkejp 様 (mozart1889)
2011-06-04 05:38:49
こちらにもコメントを有り難うございました。
懐かしいレコードなんです、中古盤で買っています。当時は中古のレコード屋さんが沢山ありました。レコードが高価でしたので、中古ショップもそれなりに繁盛していたと思います。
LP2500円(2800円)もしましたよね・・・・学生食堂のカレーが120円でした・・・・まずかったですけれど・・・・σ(^◇^;)
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楽器を復元しました (奥村治)
2016-11-25 17:37:20
アルペジョーネの製作者です、このたび日本音楽表現学会刊行「音楽表現のフィールド2」にて、アルペジョーネ再発見、と題する論文を東京堂書店にて出版しました。
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