クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

プレートル/ベルリン・ドイツ響のブルックナー 交響曲第7番

2011年06月02日 05時05分32秒 | 交響曲
6月に入って、さて梅雨は小康状態でしょうか。
午前中は涼しかったものの、午後からは蒸し暑い四国・伊予西条でありました。
石鎚山は霞がかかって、うっすらと青く聳えます。ジョギング路からはずっと石鎚が見えるので、心地よく走っております。ストレス解消にはジョギングとクラシックであります(^O^)v

今日はブルックナーの交響曲。石鎚山の美しさを思わせるような名曲ですが、(いや、思わせるのはアルプスか・・・・)、今日の演奏はちと面白かったです。

■ブルックナー:交響曲第7番 変ホ長調 (ノヴァーク版)
■演奏:ジョルジュ・プレートル指揮ベルリン・ドイツ交響楽団
■録音:2006年2006年5月1日 ベルリン・フィルハーモニーでのライヴ録音 WEITBLICK盤

このごろは録音技術が向上して、ライブ録音でも十分に音がよく、家庭で鑑賞するのに全く申し分ないものが多い。
特に2000年以降は、レコード業界の不況で贅沢なセッション録音が減って、ライヴ録音が増えた分、慣れて技術が向上したのか、格段に音質が良くなった。このCDも実に音が良い。たいしたものだと思う。

さて、演奏は、大変面白い。何しろ快速。
ブルックナーの交響曲を聴くということは、ゆっくりと歩きながら、周囲の風景や自然を眺めるといった風情であって、したがって、音楽を聴きながら野山を散策する気分になってゆくものなのだが、この演奏は速いめの散策。速めの散歩。いや、もっと速いぞ。
ほとんど、ジョギング、ランニングに近い!
非常にスピード感のあるブルックナーになっている。

では、演奏が雑かというとそうでもなく、実に丁寧な音楽づくり。微妙なニュアンス、しっとりと落ち着いたおだやかな表現、よく練られたアンサンブルで、聴き応えが十分にある。繊細さから力強さ、豪快さまで表現の幅は広い。
サラッと進んでしまうところも確かにあるので、また、そういう部分が耳につきやすいので、いわば、この演奏はクヨクヨしないブルックナー。考え込んだりしないのだ。
その点では、この演奏は明るい。

時にリズムが硬直して、ズンチャッチャ・ズンチャッチャ・・・という例のブルックナー・リズム、ミリタリー調になってしまうところもあるので、ちと野暮だなぁと思うところもあり。
しかし、オケは大健闘で、上質と思う。ライヴなのにとても巧い。
バリバリのドイツのオーケストラだけれど、響きはあまり重くなく、かえって軽快な感じさえする音質のオケと感じた。録音のせいかな。
アンサンブルは上々で、ヴァイオリン群が活躍する第2楽章などは、惚れ惚れするほど美しい。

ということで、大変面白い演奏であったのです。
ちなみに、HMVでは800円ほどで買えてしまいます。安いもんですねえ・・・・。

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2 コメント

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このシリーズ、5点購入 (shibera)
2011-06-04 10:45:21
しましたが、プレートルはマーラー5,6とブルックナー8。7はパス_なにせショルティ2種、ベーム、シャイー、スクロヴァ、レーグナー、インバル_オークションで買いまくっているので。(8もですが)で、問題はプレートルやケーゲル、スクロヴァ等(朝比奈もかな)、晩年になって急に日本での評価が高まり、カリスマ的人気を持つに至った指揮者たちの実力がそれにふさわしいものかどうかです。どうも評論家とメーカーがタイアップした結果祭り上げられているだけの印象も無きにしも非ず。無論悪くはないのですが、往年の巨匠や壮年期の名指揮者の演奏に比して、「それほどのものなのか」感が拭えません。評論家の大仰な表現が嫌いなだけなのかもしれませんが_ではまた。
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>shibera 様 (mozart1889)
2011-06-08 03:43:04
コメントを有り難うございました。
プレートルはニューイヤーコンサートへの出演以来、俄然日本での人気がスゴイです。何となくフランス物のスペシャリストと思っていましたが、実は何でもやる人なんですね。長老を敬うのは日本人の気質でしょうか、晩年のベームなんて、それは凄い人気だったですものね。
このブルックナーは、とても面白い演奏でした。何度も聴いて飽きない名演かと問われると、さて・・・・という感じではありますけれど・・・。
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